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アはアーケードのア

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あいうえお順に1タイトル選んでレトロアーケードゲームの思い出を語ります。気長に継続中。途中からあいうえお順に合わせるのを諦めました。
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#オールドゲーム

アはアーケードのア 第42回『ドルアーガの塔』(1984年/ナムコ)

アはアーケードのア 第42回『ドルアーガの塔』(1984年/ナムコ)

『ドルアーガの塔』初ロケテストは一大イベントだった

X(旧ツイッター)で、1984年5月5日のプレイシティキャロット一番街店の『ドルアーガの塔』ロケテストに関するポストが流れていました。一番街店は当時新宿にあったお店です。

このロケテストのことはぼくもよく覚えています。当時のアーケード界隈の歴史的なイベントの一つと言えるかもしれませんね。あの『ドルアーガの塔』の初ロケテストで、しかもその場にゲ

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アはアーケードのア 第41回『レインボーアイランド』(1988年/タイトー)

アはアーケードのア 第41回『レインボーアイランド』(1988年/タイトー)

ゲームバランスを壊すほどのパワーアップについて改めて考えてみる

アーケードアーカイブス版『レインボーアイランド』が発売されました。同ゲームについて少し語ってみたいと思います。

『レインボーアイランド』は当時クリアもした大好きなゲームという大前提で、全要素を把握して後半へ進むとどんどん大味になってしまう(なり過ぎる)ところはどうなんだろうともずっと思ってたのですが(とくにウィングはゲームを壊して

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アはアーケードのア 第39回『スペースバトル』(1980年/豊栄産業)

アはアーケードのア 第39回『スペースバトル』(1980年/豊栄産業)

『ムーンクレスタ』+『ミサイルコマンド』的なシューティング

 友人のAEX-RYU氏所蔵のアーケードゲーム『スペースバトル』をプレイさせていただきました。当時一度も見たことがなく、今回が初プレイです。

 いわゆる『ギャラクシアン』基板をベースにつくられたゲームの一つでしょうか。敵の動きにかんしては『ムーンクレスタ』にかなり近い印象です。

 各ステージ1種類の敵が出てきて、それを全滅すると次の

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アはアーケードのア 第34回『サンダーセプター』(1986年/ナムコ)

アはアーケードのア 第34回『サンダーセプター』(1986年/ナムコ)

浮遊感抜群のスペースレース+シューティングゲーム

 アーケードアーカイブス版の『サンダーセプター』をプレイしました。後方視点のシューティングもので、当時はコクピット筐体で、専用のアナログコントローラでプレイするゲームでした。

 当時、少ししか遊んでなかったのですごく基本的な感想ですが、レースゲームがベースになってるので、その時点で操作するおもしろさと共に難しさが内包されていて、そこにさらにシュ

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『アはアーケードのア』 第22.1回『モトス』その2(1985年 ナムコ)

『アはアーケードのア』 第22.1回『モトス』その2(1985年 ナムコ)

 『モトス』は以前第22回で、発売当時にぼくが行なったプログラマインタビューをアップ済みなのですが、改めて内容にかんしても少し書きましたので、今回第22.1回としてアップ致します。

第22回『モトス』の記事はこちらになります。
https://note.com/kenjohkohji/n/n82e6e1bddea3?magazine_key=m39235f87f9f6

当時としては画期的だった

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アはアーケードのア 第33回『スペースシーカー』(1981年/タイトー)

異なる3つの遊びが盛り込まれたゲーム 『スペースシーカー』は、タイトーから1981年に発売された、3つのまったく異なるシーンから成る戦略(?)シューティングゲームです。

 プレイヤーは、ステージ選択のためのマップ(リアルタイム性がある)と、横スクロールのシューティングと、コクピットビューのシューティングを楽しむことができます。

 当時も思ったし、今も印象は変わらないのですが、ゲームとしては粗い

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アはアーケードのア 第30回『コズモギャング・ザ・パズル』(1992年/ナムコ

アはアーケードのア 第30回『コズモギャング・ザ・パズル』(1992年/ナムコ

 ツイッターで元『ゲーメスト』編集長の石井ぜんじさんが『コズモギャング・ザ・パズル』のことをツイートしてくださってるのを見ました。

 『コズモギャング・ザ・パズル』は、1992年に当時のナムコから発売された、アーケードの落ち物タイプのパズルゲームです。自分がディレクションした仕事のなかでもとくに気に入っているゲームの一つなので、少し当時の思い出を書いてみます。

 『コズモギャング・ザ・パズル』

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アはアーケードのア 第29回『リブルラブル』(1983年/ナムコ)

アはアーケードのア 第29回『リブルラブル』(1983年/ナムコ)

 ばっちしバシシ! 奇跡を起こせ、リブル・ラブル 『リブルラブル』は、ツインレバーでリブルとラブルという2つの矢印のような物体を操作し、2つを結んだライン(紐)でキノコのような姿をしたマシュリンをすべて捕まえればステージクリアというゲームです。

 当時、たしか記憶違いでなければ、自分の目でゲームを見るより先にラジオ番組「ラジオはアメリカン」(ナムコがスポンサーだった)で『リブルラブル』のCMが流

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アはアーケードのア 第28回『スカイスキッパー』(1981年/任天堂)

アはアーケードのア 第28回『スカイスキッパー』(1981年/任天堂)

幻の任天堂ゲーム? アーケードアーカイブスで『スカイスキッパー』を購入してプレイしました。

 昔からタイトルだけは知っていて、遊んだことのなかった幻のゲームで、ホントに感動の対面だったのですが、遊んでみていろいろ驚きました。任天堂としてはかなり変わった作品ですね。当時、『ドンキーコング』と同時期に発表されたゲームです。

ゴリラを倒して王国民を救出せよ! ……でもちょっとわかりづらい? 複葉機を

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アはアーケードのア 第27回『スペースクルーザー』(1981年/タイトー)

アはアーケードのア 第27回『スペースクルーザー』(1981年/タイトー)

“ドラマティックシューティング”の先駆けの一つ 『スペースクルーザー』は1981年にタイトーからリリースされたスペースシューティングゲームです。

 1981年というと、『スペースインベーダー』のブームからまだ2~3年しか経っていない時期ですが、この数年のゲームの変化は凄まじく、ハードウェアとゲームデザインがまさに歩調を合わせ、大きく進化し続けていました。

 そんななか発売された『スペースクルー

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『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

『アはアーケードのア』 第22回『モトス』(1985年 ナムコ)

当時行なった『モトス』プログラマへのインタビュー
 今回はちょっと特殊な形になるのですが、昔ぼくが取材した『モトス』のプログラマ松浦公政さんへのインタビューをアップします。都内のナムコ直営ゲームセンターで配布されていた「きゃろっとくらぶ」という手書きの情報誌に掲載されたショートインタビューです。拙いインタビューでごめんなさい。少し文章を直しています。

Q1. 松浦さんといえばグロブダーのプログラ

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『アはアーケードのア』第21回『ラリーX/ニューラリーX』(1980/1981年 ナムコ)

 久々の『アはアーケードのア』です。ずっと五十音順に書いていたのですが、な行に入ったところで悩んだのでいったん逃げて、とりあえず書きたいものを書きます。おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。

衝撃的だった4方向スクロール 『ラリーX』はマイカーを操作して、縦横にスクロールする広い迷路空間で敵車の追跡をかわしながら10箇所のチェックポイントを回る、疾走感あふれるドットイート系ゲームです。翌

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『アはアーケードのア』 第20回『ドンキーコング』(1981年 任天堂)

“ジャンプ”の概念を取り入れた最初期のゲーム ジャンプを駆使して、さまざまなトラップを抜けてゴールを目指し、コングにさらわれたレディを救い出せ――任天堂・宮本茂さんの最初期のディレクション作品にして、マリオ初登場作品であり、ジャンプアクションものの源流の一つといえるゲーム、それが『ドンキーコング』です。

 ジャンプアクションというシステムは、黎明期のゲームが生んだ最大の発明の一つです。重力の概念

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『アはアーケードのア』 第19回『ディグダグ』(1982年ナムコ)

「携行型」と「固定配置型」、2種類の攻撃方法の複合型ゲーム 「パンクさせるよりつぶしちゃえ!」――ポンプで敵をパンクさせて倒すより、岩を落としてまとめてつぶす方がテクニカルで高得点という『ディグダグ』の魅力を簡潔に表した名コピーです。地中にうごめくプーカァとファイガーを退治する穴掘り戦略ゲーム、それが『ディグダグ』です。

 昔はゲーム企画を考えるとき「動詞から発想する」ということがよくいわれまし

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