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ダメ社員がリーダーになる前に”試した”こと

皆さん、社内で初めて管理職になることが決まった時。部下を初めて持つことが決まった時。
皆さん、どんな気持ちですか?
ワクワクしますか?それとも不安ですか?

初めてのことなので色んな感情が出てくると思いますが、私はワクワクはしませんでした。むしろ不安しかなかったのを覚えています。大学院で組織行動やリーダーシップに関する理論を学び、「組織を動かす」「リーダーシップを発揮する」ことに興味や関心はあり、理想とするリーダー像は自分なりに描けていたものの、それまで管理職の立場は経験がなかったので、いざその時を迎えた時は不安な気持ちで一杯でした。

それまでは、
・朝礼や会議のような大勢の前で自分の考えをまともに発言できない
・仕事の優先順位は周囲よりも自分自身
と…管理職、リーダーとして相応しいものと思えない程のレベルでした。ただ、こんな私でも現場にもまれ、周囲の人間関係にもまれ、実践を繰り返した結果、今では組織やチームを牽引するための一定の「型」が身に付いたと思うまでに至りました。
この記事では、これからその立場になられる方、組織の中で今まさに奮闘されている管理職の方にお役に立てるよう、私がこれまでしてきた心構えやアクションをメモとして残します。状況は違えど、少しでも現状を打破するヒントになれば嬉しいです。
強く、凛としたリーダーの存在こそが自立した組織を創り上げます。悩み苦しい時もあると思いますが、皆さん一人ひとりのご活躍を応援しています。

(当時の)前提条件

・所属企業:RIZAP㈱ 法人事業部(BtoB事業。セミナーを企業向けに展開)
・就任時期:2019年2月(34歳の時)
・役職  :ユニット長(一般的に課長)
・その他 :① 部署異動のタイミングでユニット長へ昇格
         ② それまで管理職、部下を持った経験がない

※以下では、職場着任前に取り組んできた一部の項目をご紹介します。

1. 自分自身の存在意義を考える


初めて管理職となる、或いは社内でポジションが変わる時は一旦立ち止まり、自分自身の存在意義を整理する時間を設けることをお勧めします。これは、これから求められる責任に対して適切にパフォーマンスを発揮するための心の準備です。これまでの「自分だけの仕事」から「部下を率いたチームの仕事」へ変化します。そして当然責任も重くなります。

そこで、
Q:会社、事業部(or所属の課)は今どんな状況なのか?
Q:会社、上司、部下から、どのような役割を期待されているのか?
Q:自分はどんな管理職、リーダーになりたいのか?

これらの問い立て答えるのが初めのステップです。

自分が置かれた現状を特定し、外部環境を踏まえて自分自身の思考へと引き寄せる作業です。問いを紙に書き、自分なりに言語化してみる。想像で構いません。すると、会社や部署が置かれた環境に対して、周囲の期待や役割の輪郭がボンヤリと見えてきます(戦況が見える感覚と近いですね)。そしてその状況に立ち向かうための自分のポジションを仮置きして目指すリーダー像をイメージします。

内省する機会がこれまで少なかった方はこの作業は少し負担があるかもしれませんが、このひと手間を加えるかどうかで今後のご自身の立ち居振る舞いに大きく影響します。更に、周囲への影響力に相当効いてきますので、時間が掛かっても是非、取り組んでみてください。

2.アファメーションの言葉を作る


アファメーションとは「自己肯定感のある言葉を自分自身へ向けて語りかけること」を意味します。要するに、自分自身に対する肯定的な宣言です。

管理職になれば、部下や他部署との打ち合わせ、役員への報告等、時間の使い方や仕事量も大きく変わります。自分だけの時間が圧倒的に減り忙しさも増す中、先程整理したリーダー像を常に思い起こし、自分自身とリーダー像を同期させるにはアファメーションが有効です。

因みに私は「戦略家として組織を導く」という言葉を作りました。手順としては、ありたいリーダー像を紙に箇条書きで書きました。
その中で

・短期間で問題の本質を捉えあるべき姿を示す戦略家のような存在でありたい。
・メンバーの強みを活かし、弱みを自然と補い合い、一人ひとりのメンバーが自立した強い組織を創りたい。
・事業部のビジョンを描き、どんなに苦しい時でもメンバーを鼓舞しながら全員で目標達成を導くようなリーダーでありたい。

これらの想いの中から「戦略家」「組織」「導く」のキーワードをもとに、一言で表現でき、口に出した時にシックリくるフレーズに変換した結果、「戦略家として組織を導く」という言葉ができ上がりました。
私はいつでもその言葉を見返すことができるように、付箋に書き携帯の裏面にセロテープで貼り付けていました。オフィスに出社する前のカフェ、職務室フロアに上がる前のエレベーターの中で、周りに聞こえない程の声で繰り返し繰り返し唱えることで自然と自信が湧きあがり、ありたいリーダー像が染み込むように毎日のルーティンにしていました。

今でも、この言葉は大切にしています。仮に皆さんが自信がない、成し遂げたい理想像はあるけどなれないと思っていらっしゃれば、アファメーションを使ってみてください。その言葉によって、必ず自分自身を自然と引き上げてくれるはずです。

3.戦略マップを作る

コンサルはクライアントの現状をつかみ、フレームワークを駆使しながら課題を特定し、改善策を提案をしていく仕事を行っていますが、同様のことを自部署でも当てはめて行います。ここで大切なことはメンバーから情報を仕入れる「前」に実施することです。メンバーにヒアリングして情報を入れる必要は勿論ありますが、情報が先に入ると一定のバイアスがかかる可能性があり、事実を誤って認識してしまう恐れがあります。よって、自部署の現状把握、課題特定、解決策の方向性を整理するのは、情報を仕入れる前にすることをお勧めします。

主なアジェンダとしては、よくある、PEST分析→3C分析→4P分析→戦略仮説の方向性→オプションの評価→実行スケジュールで結構です。業界紙、関連する記事、HP、商品LPや消費者からの評判等の情報を収集して仮説を組み立てます。
自部署のPLや総勘定元帳も有効です。経理部へ依頼すれば直近3年分の情報は出てくるはずなので、単月、勘定科目毎に数字を見て何にいくらお金を使っているのか?を見てみてください(企業単位であればBS、CFに加えて沿革、役員構成、BSも必要です)。
また組織図やメンバーの人事情報も大切です(着任前であれば入手できない可能性もあります)。メンバーの役職、年次構成、給料、それまで担当した仕事をザっと見るだけで、コアメンバーは勿論、メンバー間の力関係が見えてくるものです。
これらの情報を織り込みながら仮説を前提とした自分なりの戦略マップを作ってほしいと思います。

4.最後に

今回は、職場着任前の一部の取り組みについて紹介しました。より詳しく知りたい、分からなかったと思われた方はコメントをお願いします。皆さんの不安を解消できるようにこれからも応援できると嬉しいです。

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