月刊誌建築ジャーナル

1978年創刊。一貫して住む人、使う人のための建築・都市を提唱し、 建築プロフェッションのあり方を問い続けます。「かたそう…」という方にも読んでほしい。読めばハマる面白さ。noteで試し読み、記事売り始めます。 http://www.kj-web.or.jp/index.html

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    • BFF ベタ・フラッシュ・フォワード

      周囲を黒塗りして光を表すベタフラッシュ、 未来を断片的に見フラッシュフォワード。 建築の外へと広がる世界から、明滅する未来を浮かび上がらせる。 平成の終わりに始まった若手アーティストへの取材シリーズ

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    現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【10・最終回】終わりなき宣言文

    著者・若林拓哉  第一回の「宣言なき宣言文」に始まり、その後八回にわたって現代的な問いのキーワードを挙げてきた。今回は第十回の節目として、これまでの総括としたい。 ―私は建築を愛し、建築家を嫌悪する。  第一回の冒頭で私はこう述べた❖1。それでもなお、肩書きとして建築家を名乗り続けている。建築家が社会から断絶している現実は、建築界全体が向き合わなくてはならない課題である。そのためには、外野からの批評ではなく、当事者として立ち向かう必要がある。建築家に替わる新しい概念をつ

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      • 現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【9】〈境域〉の只中を航海せよ ―暴力、群衆、アイデンティティを超えて

        著者・若林拓哉 ―現代建築家は、〈境域〉によって逃走する人間に〈闘技〉の場を拓く。  〈現代建築家〉は、〈贈与〉の連帯によって他者と正の連鎖を生むことを希求するものである。そこでは〈歓待〉の精神こそが不可欠となる。一方で、私たちの社会は常に敵対性と隣り合わせにある。この他者との闘争を 前提として、その事実に立ち向かわなければならない。そこで第八回の終わりに現代的な問いのキーワードの一つとして〈境域parages〉を提示して幕を閉じた。まずこの意味内容に立ち入る前に、前回の

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        • 現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【8】〈互酬性〉は〈贈与〉と〈交換〉でできている

          著者・若林拓哉 ―現代建築家は、〈互酬性〉の連帯によって他者を〈歓待〉する。  〈現代建築家〉は、「魔術化」された事物を〈分解〉によって〈発酵〉させることでその事物を身体化するとともに、無為の連鎖を生み出しうるプラットフォームとしての役割を果たすことが求められる。そして分断が進行する社会との連関を築くための別様な価値基準を導入する必要がある。そこで〈互酬性 reciprocity〉を提示して幕を閉じた。  私たちは何かをすれば必ず適切な報酬を受け取ることを求め、逆に何か

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          • 現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【7】〈分解〉と〈発酵〉 ― 〈疎外〉された事物の内部化と他者性の連鎖

            建築界のこの底知れぬ閉塞感と、夢のなさを肌身で実感する平成生まれの 20代建築家が、それでも建築に希望を見いだす術を模索した痕跡。 *『建築ジャーナル』2020年10月号からの転載です。 著者・若林拓哉 ―現代建築家は、「魔術化」された事物を〈分解〉によって〈発酵〉させる。  〈現代建築家〉は、複数種とその生態系を自己の身体の延長として捉え、それらの他者をどのように食べ、また食べられるかという価値意識を持つ存在である。そしてその捕捉者/被食者のあいだの摂食行為あるいは消

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            現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【6】私たちは〈可食性〉を咀嚼し、 反芻する動物である

            建築界のこの底知れぬ閉塞感と、夢のなさを肌身で実感する平成生まれの 20代建築家が、それでも建築に希望を見いだす術を模索した痕跡。 *『建築ジャーナル』2020年6月号からの転載です。 著者・若林拓哉 〈現代建築家〉は、無数に存在する「正しさ」を可能なかぎり摂取しながら「誤り」を享受する存在である。そしてそれは他者を「食べる」存在でありながら自己もまた「食べられる」存在だと認識することへつながる。そこで第五回の終わりに現代的な問いのキーワードの一つとして〈可食性〉を提示し

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            現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【5】〈可謬性〉の海を漂うことは 〈誤配〉に身を任せることであり、 それは〈偶然性〉の暗闇で迷うことであり、 それは無数の〈模倣〉の連鎖であり、……

            建築界のこの底知れぬ閉塞感と、夢のなさを肌身で実感する平成生まれの 20代建築家が、それでも建築に希望を見いだす術を模索した痕跡。 *『建築ジャーナル』2020年3月号からの転載です。 第5回 〈可謬性〉の海を漂うことは〈誤配〉に身を任せることであり、それは〈偶然性〉の暗闇で迷うことであり、それは無数の〈模倣〉の連鎖であり、……著者・若林拓哉 〈現代建築家〉は、多角的なパースペクティヴの揺れ動きを許容する存在であり、それは画一的な「正しさ」を疑い、「誤り」を積極的に享受す

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[12]山川 陸・連ヨウスケ【繰り返し、塗りつぶし】

            *『建築ジャーナル』2019年12月号の転載です。   誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  山川 陸 …一年を通じて11名の作家への取材を行いました。当然ながら、通ずることがあれば、また独自の物事もある。建築に絞ることなくこの取材を行ったのは、より普遍的につくることからリアリティを考えてみたかったからです。漫画と文章で織り上げようとしたことを、思い出してみます。 連 洋介…大森記詩(彫刻家)がプラモデルのパーツを素材として扱うことは、端的に世代意識を感じま

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[11]板坂留五 建築家【風景の 読み方から】

            *『建築ジャーナル』2019年11月号の転載です。    誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  建築家・板坂留五の初めての建築物が竣工した。『半麦ハット』(2019)と名付けられた両親の家であり、母の店である。  予め断っておくと、この建築物を本稿で語り尽くすことは字数の関係から、またその在り方から今は不可能に思える。ルイス・ボルヘスの短編『学問の厳密さについて』(1975)では、領土の正確な地図をつくろうとして、国土と同じ大きさの地図をつくってしまい、つい

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[10]tofubeats 音楽プロデューサー・ DJ・トラックメーカー【新しい街】

            *『建築ジャーナル』2019年10月号の転載です。   誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  渋谷の中央、スペイン坂が巻き付くようにWWW/WWWXと呼ばれるライブハウスがある。ここはかつて『RISE』(1986)と呼ばれた映画館、建築家・北川原温の代表作だ。『RISE』の発表に寄せて、北川原はこう綴っている。「以前、この都市の白い闇の中にひとつの迷宮があった。それは解釈の迷宮と呼ばれるものであった。(中略)私たちは対象そのものを見ることはできない。つまり解

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            現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【4】ぶきみなきみをきみはわらう

            建築界のこの底知れぬ閉塞感と、夢のなさを肌身で実感する平成生まれの 20代建築家が、それでも建築に希望を見いだす術を模索した痕跡。 *『建築ジャーナル』2019年12月号からの転載です。 第四回 ぶきみなきみをきみはわらう著者・若林拓哉 ――現代建築家は、〈不気味さ〉を懐抱することで「生」を解放する。 〈現代建築家〉は、善悪の価値判断を越え、「生」と「死」の狭間を見つめ、自己の境界を無限遠へ拡張する。可能な限り自己と他者を相対化し、〈人類〉という視点から、あるいはあまね

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[9]土井 樹 研究者・音楽家・エンジニア【つまみ出されるいま】

            *『建築ジャーナル』2019年9月号の転載です。   誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  舞台上の私が、オーケストラの一員として楽器を構える。指板を抑える左手の先に見えるのは数名の奏者の後ろ姿と、舞台上でもさらに一段高い位置に立つ指揮者の横顔だった。指揮棒があがり、客席も舞台も息を呑む数秒を経て、振り下ろされた棒に導かれるように弓を引く。弦が震え、楽器が鳴る。  「導かれるように」と書いたが実際どうだったろうか。アマチュア奏者の私は、どれほど導かれることができてい

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            現代建築家宣言 Contemporary Architects Manifesto【3】人類、崇高さ、死 ―表象不可能性の先へ投擲せよ―

            建築界のこの底知れぬ閉塞感と、夢のなさを肌身で実感する平成生まれの 20代建築家が、それでも建築に希望を見いだす術を模索した痕跡。 *『建築ジャーナル』2019年9月号からの転載です。  第三回 人類、崇高さ、死 ―表象不可能性の先へ投擲せよ―著者・若林拓哉 ――現代建築家は、〈崇高さ〉によって人間中心主義を超克する。  〈現代建築家〉は個人的性質を可能な限りつぶさに見つめ、それらを具体的に感じ、肯定し、理解する。そのリベラルな態度は個人主義的な側面もあるが、一方で極め

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[8]鈴木哲生 グラフィック・デザイナ【366文字目の質感】

            *『建築ジャーナル』2019年8月号の転載です。   誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  誰にもわかるような簡単な問いでも 素直に答えたくない 難しい問題からとっかかる程 余裕ないのに 作詞 つんく♂ 田中れいな 《Rockの定義》より グラフィック・デザイナの鈴木哲生はレタリングを専門とする。レタリングとは一単語、一見出し、一タイトルのデザインを、タイポグラフィとは一連の文章、つまり連なりとしての文字を取り扱うデザインを指す。枠の中で一文字ずつが運動をもつ和文

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            あいちトリエンナーレ2019の閉ざされた展示室  -増大する不寛容-

            五十嵐太郎|東北大学大学院工学研究科教授 あいちトリエンナーレ2019の「表現の不自由展・その後」展が、開幕3日目で閉鎖に追い込まれた。特定のイメージだけに反応した否定的な論調のほとんどが、作品の背景や展示のシステムをまったく理解しないまま、電凸と驚異的な数の脅迫を引き起こした。そこで以下に基本的な説明をしよう。まず、これは展覧会内のミニ展覧会であり、全部で100くらいある芸術祭の企画の一部分であること。ゆえに、不自由展だけに10億円以上を使ったわけでなく、400万円程度だ

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            BFF ベタ・フラッシュ・フォワード[7] ハラサオリ ダンサー/美術家 【分身のアフォーダンス】

            *『建築ジャーナル』2019年7月号の転載です。   誌面デザイン 鈴木一誌デザイン/下田麻亜也  何度も見たことのある映画を再生する。三輪車に乗った少年はホテルの廊下をこぎ回る。右に曲がり、左に曲がり、そして突き当たりでいつものように双子に出会う。1時間後には、吹雪の中で迷路をさ迷い、抜け道を跨ぎ、外へと出ていく。彼の脱出とともに映画はまたしても終わる。氷漬けの父親は、映画の再生を待つ間に溶けて復活するのだろう。データとしては変質のない繰り返しだが、幾度も見るうち

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            居住の夢 第19話 「林・富田邸/ハイムM1」 工業化住宅の住みこなし |竹内孝治@take_housing

            ◎420万戸とも言われた住宅不足解消から始まり、より人間的な住まいを求めてさまざまな試みがなされていった戦後の住宅ムーブメントを年代順に追うシリーズ。(過去の連載は→こちら) ◎第19回は、先進的な工業化住宅を見事に住みこなしてみせた「林・富田邸」。住宅はこんなにも自由なのだ。波及効果は、周囲の庭、さらにはまちにまで及ぶ。  *『建築ジャーナル』2019年7月号 に掲載した記事に大幅加筆したものです たけうち・こうじ1975年三重県生まれ。木造住宅メーカーの営業職を経て、

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