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聖地巡礼記チベットへゆく⑱チベットは訪れる人を選ぶ土地

チベット(西蔵)へ聖地巡礼の旅

仏教は長い歴史において実は今
大きな転換期をむかえている

仏教史において後世語り継がれるであろう時代を僕らは生きているそして歴史の目撃者となるチベットへ行くはシリーズでつづっています是非過去記事からどうぞ!

チベットは訪れる人を選ぶ土地

拉薩をまだ暗い時刻に出発し

聖なる湖の納木錯ナムツォ湖へ向かう

車の中で食べた朝食を全て吐いてしまい
頭の痛みに耐えながら海抜を上昇していく

拉薩に来た夜から高山病との戦い
体は思いのほか順応してくれない
僕の体質には合わない土地なのかもしれない

聖なる湖へ向かう途中に峠を越える
峠の海抜は5190m
その地に石碑が立っている
僕の好きなダライ・ラマ六世の詩が刻まれている

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強く冷たい風は 体温も容赦なく奪う

人が生活出来ない天に近い辺境の地でも
チベットのカラフルなタルチョは風に
なびき一つ一つに細かいお経が刻まれ
輪廻思想の信仰の不思議さを感じる


意識が朦朧としている中でたどり着いた
海抜5190mの地

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石碑の前で写真だけ撮り妻より先に
駐車場に戻る為に一人 丘を降りる

車が駐車している広場でま戻ったとき

急に気分が悪くなり 姿勢を崩しながら
2度も吐いてしまった

もう立てなくなりヨロヨロと
体が前傾姿勢になり
態勢を崩し
スローモーションのように僕は
地面に 崩れ…落ちて…ゆく

その瞬間に僕は車に追突し

意識を失った

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その時僕は少し不思議な体験をした

倒れた僕は意識を失った



近くにいた人が倒れてる僕を見て駆け寄り
体を支え 大丈夫か!大丈夫か!と叫んでいる

その人が持っていた酸素缶を僕の口に当て
酸素を吸わせて入れている

何人かの人が集まってきて
倒れる僕は多くの人に囲まれていく

不思議なことに僕は
倒れている自分を野次馬の一人として
客観的にみていた

倒れてる僕の正面にはオバサンがいて
スマホで動画撮影をしている

オバサンの後ろからスマホ画面を覗き
倒れている僕をスマホ画面を通じて見ていた

倒れている僕は2人の男性に抱えられ
酸素を吸わされ何度か頬を叩かれ
男性は必死に何か叫んでいる

車を運転していた人も駆け寄り
野次馬がさらに集まる


その時僕は何故か冷静で

スマホ画面に映る自分を見ながら
少し厄介な事になってきたな~
SNSに投稿さニュースにならないかを
心配していた


オバサンの顔は見えないが
赤いダウンを着ていた

僕は手に持っていたカメラが気になり

そういえばカメラ無事かな?とカメラを探し
倒れる僕の左足元に転がるカメラを発見した

あ~カメラ落としている
壊れたかな・・・どうしよう・・・
という事を考えている

すると倒れてる僕の後ろの方には
僕に近づく妻の顔が見えた

その瞬間僕は自分の体で意識が戻る


誰かに頬を叩かれている
薄っすら目が開いた

口には酸素缶を当てられ酸素を吸い込み
ハァハァと息をして鼓動の
ドクンドクンという音が脳の中で感じた


段々と目が見えてくると
多くの人に囲まれているのがわかった

僕の前には
赤いダウンを着たオバサンがスマホで
僕を撮影している

オバサンこんな顔だったのか と
考えながら

落としたカメラが気になり足元に
手をやり
確かこの辺に落ちていたなと
手を持っていくとカメラがあり
掴むと安心した


僕はカメラを見つけ安心したのか
介護してくた男性に
右手で大丈夫 大丈夫と合図し

何とか座る姿勢になった時
後ろに妻がやってきた

何が起きたか分からない妻は

どうしたの?と声をかけてきて
倒れている僕を見て驚く

車の運転手と妻が話をしている

ヨロヨロと僕が倒れながら車に突っ込んだらしい
運転手も申し訳ない顔で謝っている

とりあえず体は動くし
妻が僕を見て笑顔でどうしたの?という顔に
僕はホッとして 妻が笑ってるから
酷い怪我はしてないと思えて運転手にも
大丈夫だからといい去ってもらった

そのうち
野次馬もいなくなり妻と二人になった

妻が僕の顔を見て
おでこと鼻が擦り剝け血が出ているよと
よく見たらズボンも破れ 色んな場所を
ぶつけていて後からジワジワ痛みを感じる

とにかく車に行きましょう!と
妻に支えられ車へ戻る

ガイドも驚き体を拭いてくれた
打撲と軽い擦り傷で色んな所が痛むけど
そこまで深刻ではないようで安心した

心配されながらも
だから無理して行くから・・・
と笑ってくれた妻をみて安心した

車に乗り酸素缶を吸いながら
納木錯ナムツォ湖を目指し車は走り出した

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さっきマジで死にかけたって!と
臨死体験なみの経験した事を話すと

貴方何回吐いてるの?
もう吐くものないでしょ!と
いや・・・あの・・・そんな事より僕の
一生に一度の臨死体験話の方が気にならない?

妻はまた変な事言い出したと言う顔で
そんな事より

友達のメリーと貴方一緒ねと
言われる

数年前に妻が
ここ納木錯ナムツォ湖に友達と旅行に来た時に
友人のメリーという女性も高山病で倒れ
納木錯ナムツォ湖の畔200m手前で吐いて倒れたらしい

貴方も一緒ね と
メリーは納木錯ナムツォ湖の畔200m手前まで行けたわよ
貴方より偉いわ と笑ってる

いや・・・だから僕の臨死体験話は??
とにかく僕は
ダライ・ラマ六世に助けられたからね
それだけは覚えといてよ!
と言うのが精一杯

今回、短い旅だけど
拉薩滞在中は体調がずっと悪い

酸素の薄さで体も動かない
頭がギンギン痛い
眩暈をよくする
常に体の不調を感じ
食欲もない

そのせいか不思議と、奇妙な体験ばかりする
この土地は人を選んでいるようだ
誰しもが この土地に馴染む訳じゃない

ここは
この世界の仏に愛された人が 
この地を守る事を許される
まさに
そんな土地なのだ
僕の好きなダライ・ラマ六世は
仏に愛されなかったから、この地を去ったけど
誰よりもチベット民に愛されたラマとなる

チベットは訪れる人を選ぶ土地

僕は意識が戻った時に
目の前にいた赤いダウンを着たオバサンの
顔を確認する事ができた
その時にオバサンの後ろにいた僧が
その場を去った気配も感じていた

一瞬の気配だけなので
記憶するほど目にとまってはいない

僕は気配から僧と認識し彼もまた
聖なる湖を目指して ここに遊びに来ている
一人の旅行者と思いカメラを探していたが

後から、あの僧の事が気になっていた事は
妻には言えなかった

自分の心の中だけで神秘的なままで
止めておこう

この旅は
僕にとっての聖地巡礼なのだから

⑲  永遠の刹那を感じて へ続く

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↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓聖地巡歴記 インド編 はこちらをどうぞ!

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