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事務職と管理職とIT ー #14 還暦を過ぎた上司にはやさしく

若手社員と年配の上司のやりとりがもっとうまくいくようなヒントについて書いています。

早口の部下

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年の離れた上司と部下がいます。

部下は早口で字の細かい資料を並べて長々と丁寧に事情を説明します。

一方で上司は話の間に質問を投げますが、的を射た答えが返って来ず。自身も言葉足らずで、聞きたいことが伝わらずにお互いヤキモキする羽目になります。

伝える事とは

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部下の立場の人は、上司が自分より上の立場だから全てを理解していると思っていませんか?あなた自身が全てを伝えているなら話は別ですが。

なんでも”みなまで言わずともわかっているだろう”という前提で大事な事まで省略していませんか。

もし、「報告」や「説明」を早く終わらせたい・・と考えてしまうと、説明が不十分だったり、肝心な事が伝わっていない場合があります。

確実に責任を果たそうとするなら、単に”話して済まそう”とせず、より確実に丁寧に伝えないと意味がありません。

早口で話す人は頭の回転が速い反面、聞き手がそれを理解できる回転速度の持ち主でなければ伝わりません。

「言いたい」が先行して「伝える」に重点を置いていないから「頭のいい人は何を言っているかわからない」と言われます。

本当の意味で賢い人は誰にでも伝わるように話します。テレビでお見かけする林修先生なんかそうですよね。

伝わらないといくら話してもムダです。

どっかの偉い人が原稿だけ読んでトンチンカンな事を言っているのを聞いた事がありませんか?聞いている側は「何言ってんだ?」ってなりますよね。

「話す」事自体は仕事ではありません。

何かを伝えようと毎回苦労している人へ

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上司の力を借りたいのであれば、理解してもらえるように伝えるべきです。
そうです。自分が上司に合わせて話す事が大切です。

伝える事はひとつの”スキル”です。

お年寄りとお話をするときに子供のように相手するのは好きではありませんが、みなさんも声を大きくしたりゆっくり話したりしていませんか?

だからってダラダラ話すのではなく話の目的と結論を簡潔にハッキリ伝えましょう。

・相談なんですが
・確認なんですが
・アドバイスいただきたいのですが
・助けてほしいのですが

○○の件ですが…
・難航していまして
・迷っているところがありまして
・進捗状況は問題ありませんが気になる点が
・こう思っていますが

「部長!売り上げ達成しました!」とか良い報告なんかは端的に説明できている方が多いのに対し、

「今期は○○が原因で、さらには△△が重なり…ウンタラカンタラ」と後ろ向きな話になると尾ひれがついて話がまどろっこしくなりがちです。

内容に関わらず目的と結論を簡潔に伝えましょう。

同じ話を何回もされる

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”何回聞かせるんだそのメモリ~”って曲に出てきますように何回も同じ話をされる経験はあります。

そこで、「その話○○ですよね。この間も聞きましたよ」とか言ってちゃつまらない。

それがお説教なら、あなたが何度言われてもできていないということ。

言わせないようにできるはずです。

それが自慢話なら、あなたが頑張っているということ。

上司も張り合わずにいられなくなるのです。
過去の栄光で(俺も負けていないぞ)。

それに、自分にも経験があると思います。
自分の成功体験を話すの気持ちいいんですよね。

以前話したかどうかなんてどうでも良くて、いつでも聞いてほしくなっちゃいます。

良かれと思って無意識に話すのはご愛嬌です。

聞いてあげてさらに気持ちよくなってもらいましょう。

言っていることが前と違う

記憶があやふやになっているわけではありません。

現時点でベストと思っている事を発言しているのです。

前回の発言をかたくなに守ることが大切とは限りません。

部下をより良い方へ導くためには意見も翻します。

もし、「手の平を返しているっ!?」と感じた場合は納得するまで詰め寄ってください。

言っている意味が分からない

年を重ねると「あれが」「それが」と具体的な名前や「主語」が抜けがちになります。

「述語」で話されるので、例えば
「あの人にあれした?」とか聞かれます。

勘のいい人は「精算書ですよね。経理の○○さんに出しました。」と言えますが大体の人は「あれってなんですか?」と尋ねちゃう。

言われそうなことが分かっているとピンときますが言われそうなことがわかっていないとぜんぜんピンときません。

言われそうなことが分かる人は、上司の立場で物事を考えることができる人ではないでしょうか。

何回も教えてあげてください

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年代的にローマ字を習っていない方がいらっしゃってパソコンを教えるときにローマ字から教える事もあります。

パソコンでもフリック入力できたらいいんですけど。

パソコンについて疎い上司の方も多いですが、”部下に尋ねればいいのに”と私は言いますが、”部下に何度も悪い”という優しい上司の方ばかりです。

還暦を過ぎるとなかなか一度で頭に入りません。ホントです。

メモは取るけどメモの意味が分からない。

手順どおりいかないと手が止まる。

基礎がないから応用が利かない。

字が小さくて読みづらい。

部下に頼むけど冷たく当たられる。

「馬鹿にされるのはイヤだし、覚えられないし、そもそも自分がやる必要があるのか?」

”パソコンの作業は部下に任せておけばどれも一緒だろ”と開き直る前に。

上司の方が自力でできるように、部下の方は自分に課せられた修行だと思って、笑顔で優しく何度も教えてください。

必ず報われます。

さらに教えてあげてください

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「人間は忘れる生き物である」と言いますが、年を取ると最近の出来事から忘れていきます。だから、あなたが、サラッと言った一言なんか覚えているはずもないのです。

「課長、○○さんに連絡お願いします!」
「部長、来週○○に同行お願いします!」

忘れます。

その場でメモをしていたとしても怪しいもんです。

だから部下は「連絡入れてくださいましたか?」とチェックしたり、事前に「今週金曜日大丈夫ですか?」と確認を入れてください。

直前ですと、「あ、明日はダメだった。もっと早く確認してよ」とか言われムカっ腹が立つこともありますので気を付けてください。

まとめ - いい管理職になります

上でお話した以下の事
・正しく話を伝える
・理解できるように話を聞く
・上司の立場で考える
・何度も教える
・チェックができる

部下の立場でこれらができる人は”スペシャル”。
いつでも管理職をやる準備はできています。

肝に銘じてほしいのは、「ある程度の年を重ねていくと若手と同じ仕事はできなくなる」ことです。

それは体力的、立場的、両方の意味です。

同じスピード、視点、フットワークは持ち合わせていません。かつての経験でと磨かれたスキルで部下をマネジメント、サポートするのが還暦を過ぎた上司のお仕事です。

還暦を過ぎた上司には優しくしてください。上手にお互いの得意分野を活かすために。

とはいえ、高齢化が進んだ現代では、還暦を過ぎたぐらいではものともせず、研鑽を積み続けるパワフルな方も大勢いらっしゃいます。その方たちにはもっと若い世代を引っ張ってほしいと思います。

以上、読んでいただきましてありがとうございました。

次回もよろしくお願いします。

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