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個人飲食店の始め方〜⑤内装とメニュー開発

皆さんは一番好きな季節はいつでしょうか。
僕は「秋」が一番好きです。

徐々に涼しくなってきて夏とお別れをする寂しさを感じながら、
ハロウィンやクリスマスムードに街一色で向かっていく雰囲気が
たまらなく好きです。

今年も1人でその雰囲気を味わうことになりそうですが、、

早速ですが、今回は「店舗物件の内装とメニュー開発」について触れていきたいと思います。

お店の内装について

店舗物件を決める際、僕らみたいな未経験者はベンチマーク(お手本)にする人気店を真似した方が良いと思います。

そのためにもこのタイミングで周辺、もしくは中心街の人気店に直接食べに行って内装を研究してください。
※時間がなければ食べログなどの写真で研究するのもいいですが、やはり現地で気づくこと(接客やサービスなど)がたくさんあります。

内装以外にも、お皿やグラスをどこに置いているのか、
食材はどこに置いてあってどういう見せ方をしているのか、
細かい部分を見ていくとめちゃくちゃ勉強になる部分は多いし、
やはり人気店はよく考えてその配置をしています。

僕が参考にしていたお店の一部を下記に添付しておきます。

農家の台所さん(新宿三丁目)
食堂かど。さん(三軒茶屋)

綺麗なお店、古びたザ・居酒屋

内装に関する話をもう一つすると、
内装で客層は変わることはもちろんですが、
客単価(厳密にいうと商品の値段)が大きく変わってきます。

お客さんは僕らが思っている以上に内装をよく見ています。
「綺麗なお店だけど、あそこに物が散乱しているのがすごい気になる」
「店内が明るすぎて入りづらい」
、、などのご指摘を僕らもよくもらっていました、、

個人的には内装は出店する街の雰囲気に合わせることも重要だと思っています。
もし繁華街ではなく、地元や落ち着いた雰囲気のエリアで出店を考えている方がいたら、
小綺麗すぎて入りづらいお店はNGです。

高級店のお弁当は高いのに家で食べても微妙ですし、
農家さんが作った野菜と知っていてお店で食べる料理はなんだか美味しく感じてしまいますよね。
内装もサービスの一部ですし、もっというと料理の美味しさを内装が決めて言っても過言ではありません。

メニュー開発について

未経験の方は特にここで頭を抱えていたり、足元をすくわれたりしているのではないでしょうか。

基本

まずは基本からお伝えします。
「どんな料理や飲み物を、どんなスタイルで提供するか」を、
コンセプトと合わせてまずは考えてみてください。

上記の考えがブレると、なんでも置いてあるけどお客さんからはオススメが分かりにくく、
仕込みも時間がかかり、食材ロスも出てくるという悪循環に陥ります。

◎アイテム数
アイテム数(マックのハンバーガーとハンバーガーセットはアイテム数が計2の計算)というものが飲食業界には存在します。
このアイテム数を30〜50にするのが最初はベストです。
⇨少なすぎるとお客さんが飽きてしまいますが、少なくブランディングできれば、お客さんから覚えてもらいやすく来店するしないの判断してもらいやすいです。

お刺身を入れたり、粉物を入れたり、美味しいものは山ほどあるので、
メニューを増やしたいのは分かりますが、最初は勇気を振り絞って1点突破くらいのメニュー開発をしていきましょう。
※後からお客さんの声を聞いて少しずづ増やしたり、変えていけばOKです!

◎原価率の落とし穴
以前のnoteでも触れましたが、全体で売上の何%に原価を抑えた方が良いのかは、
ある程度決まっています。

ただし、じゃあ全ての商品を原価30%に抑えれば良いかというと答えはNOです。
どのメニューでもとを取るのか、看板メニューやNo. 1メニューは原価80%くらいかかるもので喜んでもらったりする工夫が必要です。

更に、全て原価30%にしようなんて考えたら売上は全く上がらないし、
人が溢れるような立ち飲み居酒屋みたいに回転率を上げないと儲かりません。
バランスよく考えていきましょう。

例)100個売った場合
①原価30%、商品500円の場合
売上:5万(500円×100個)
利益:3.5万(売上×70%)

②原価50%、商品1,000円の場合
売上:10万(1,000円×100個)
利益:5万(売上×50%)

頭がいい人はツッコミどころのある比較なのはわかっていますが、
僕が言いたいのは原価を抑えて安い商品を大量に売るだけだと、売上だけでなく利益もそもそも大きく生まないよ!ってことです。

原価が多少高くても、良いものや手間がかかるものや貴重なものであれば値段が高くても、
お客さんは満足して購入してくれます。
バランスよくメニュー開発、値段の設定はしましょう。

補足

価格設定は周辺の居酒屋さんの値段を確認したりしながら、
飲み物を安くして食べ物を高くするのか、その逆にするのかも考えて値段設定してみてください。

値段が安いから来てくれるお客さんは、他に安い居酒屋ができたら流れる可能性があるので、
勇気を出して金額設定することと、前回お伝えしたサービスに力を入れておくことが大切です。

補足②

僕らは全くの未経験から飲食店を始めたので、実は最初は料理を全て自分たちの味で勝負しないプランも存在していました。

新橋に「烏森百薬」さんというお店があるのですが、
このお店では店内で難しい調理は一切行なっていません。

全国各地の美味しいお料理を最後の
・焼くだけ
・揚げるだけ
・盛り付けるだけ
の状態で送ってもらい、提供しています。

①調理がない
②仕込みがない
③包丁を使わない
④廃棄がない
⑤作る際、気負いがいらないか
をポイントに全国から取り揃えているらしいです。

お客さんも楽しいし、何より従業員が「楽」できる分、
色んな投資をしたり他の時間を有意義に使えたりできて、
飲食店のブラックさを解消できて素晴らしいですよね。

本気でこのビジネスモデルをパクろうと、他の素晴らしい飲食店に、
営業寸前まで行ったのですが、僕らは有難いことに、
イケメンで性格もナイスガイな料理人がジョインしてくれたので、
他のお店に比べて極端に冷凍食材を使わずに、独自の味付けをした創作料理を提供できています。
(この場を借りてありがとう、、)

極端な事例かもしれませんが、今までの常識を一度降ろして、
どういう飲食店が今流行っているのか見極めて、パクることも大切かと思います。

最後に

世の中には、
"美味しいのに流行らないお店"
"不味いのに流行るお店"
が存在します。

それぞれ理由があるし、他のお店の悪口や自分たちと他店を比較しているようでは、いつまで経っても2流です。

今回お伝えしたメニュー開発は特に難しく、
「商品」に目を向けがちになってしまいますが、
事前に決めたコンセプトや、お店のストーリー性
をブラさず、
何度も試行錯誤してみてください。

「美味しい」というのはお客様が決めることであって、
お店側の人間が「美味しい」ことをお店のウリにすると落とし穴にハマります。

1日、せめて1週間でもいいので、今自分がやろうとしていることが、
客観的に見てナイスなことなのか、ちょっと違和感があることなのかは、
しっかりと振り返ってみてください。

皆さんのお店が素晴らしいお店になることを心から応援しています。
次回からはオープンまでにすることと、オープン時にすることをまとめていきます。

ブラックでコロナ禍に苦しい思いをしている方の多い飲食業界の在り方を、
少しでも良いものにしたいし、この業界を盛り上げていけたら幸せです。

本気で僕はそう思っているし、僕らが成果を上げることで、
幸せになれる人を増やせることを目標に、これからも頑張っていきます。

「10年後の飲食業界を作る」
by30手前のおっさん

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