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アウトレイジ ビヨンド (映画019)

「アウトレイジ ビヨンド」

「アウトレイジ ビヨンド」は2012年に公開された北野武監督作品、前作の「アウトレイジ」の続編です。本作は駆け引きや裏切りもあって見応えもあれば復讐も遂行され痛快さもあります。また、西田敏行、塩見三省等の新メンバーも加わり恐怖や緊張はエスカレート、中でも金田時男はミステリアスで得体の知れない怖さがありました。つまり、先入観が働いて説得力のある怖さが金田時男の配役と思いますが、北野武監督はそのあたりの演出等が上手いと思います。何よりも北野武監督自身がヤクザを演じる度に思うことは仮に北野武監督自身がヤクザだったら躊躇なく暴力を振るうだろうし、自殺だって簡単にできてしまうと思うことであります。何故そのように思うかと言えば過去のフライデー事件や自殺だったかもしれないと話すバイク事故を知っているという先入観が働いて説得力があるのだと思います。とは言え、北野武監督に限らず登場する俳優、皆、演技力が素晴らしいと思いますが、特に中尾彬が演じるヤクザの裏切りがバレた際の動揺や命乞い、加瀬亮が演じるヤクザの失禁や命乞いもこれから起こる死やリンチの恐ろしさを誘導する迫真に迫る演技でありました。新井浩文、桐谷健太の死に様もそうですが、壮絶なリンチがあったことを想像させるもので意図的にそれを見せずに想像させるところも配慮が伺え、ここでも北野武監督の演出の上手さを再確認しました。

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