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ライトノベル「ロック歌手とこころを朗読する彼女」 第四話 あとがき

(あとがき)

夏目漱石の「こころ」の感想を書いたのはこの作品が大好きな彼女に読んで貰うためでした。「こころ」はわたしにとって特別なものになりました。感想を書くだけに止まらず、このような文章が書けたのが嬉しかったです。

先ず、感想を書きましたが充分ではなかったので「ロック歌手とわたし」、「異性とわたし」を書きながら足りなかった感想等も加えようと思いました。結果、ロック歌手のファンにも喜んでもらえる話が書けたのでは?そのようなことを考えなが進めていきました。「異性とわたし」は恥ずかしいけど、書いたほうが良いと判断しました。

夏目漱石は比喩や言葉、文章を解り辛くさせています。わたしはそのアイデアに感心しました。上手くは言えませんが、つまり、「言葉はこころを隠す仮面」なのではないでしょうか?

「こころ」は「人間のエゴイズムによる悲劇」でもありますが「少数派の悲しみ」でもあります。ロック歌手はラブソングを歌うようになりましたがわたしはそれを望んでいませんでした。ラブソングを歌わないから好きという理由があったからです。でも、ロック歌手は売れてコンサートも人が多く集まりました。わたしは居心地の悪さを感じました。それはわたしに限らず着席していた彼ら彼女らも同じだったと思います。わたしは無意識にそれを書きたかったから、「ロック歌手とわたし」を書いたのかもしれません。つまり、わたしのこころに火を灯す熱い想い、というのはこの事柄も一つあったのかもしれません。

「ロック歌手とわたし」、「異性とわたし」を書いているとあれこれと考える訳ですが、なんで離婚をしてしまったのか?という疑問も湧いてきました。どうやら、ラブソングを歌わないロック歌手、「ペットのようなら飼ってもいい」と歌うロック歌手、それらが大きな要因にあると思いました。つまり、ロック歌手はこれからもラブソングを歌わない、特別、相手に愛情がなくても結婚してもいい、そのような決めつけや解釈をわたしはしました。結局、ロック歌手はラブソングを歌ったし、曲も相手への愛情も感じとれました。つまり、あと、数年、様子を見てれば、結婚もしなかったし、離婚もしなかったのだと思います。わたしは影響を受けやすいし、相手への愛情もそんなにはありませんでした。あまり、上手く、説明ができませんがあの曲とそれが収められているアルバムはもちろん、好きなアルバムだし、それどころか、一番、好きなアルバムなんですが、つまり、運命を左右したアルバムなのだと思います。これもまた、わたしがこだわっている、この作品に対する熱い想いを探す旅だったのでしょう。

先に「言葉はこころを隠す仮面」と書きましたが「こころ」は遠回しな言葉で書いていたり、登場人物は具体的な名前ではなかったりします。また、本当のことを書いていないような気がします。それに習って、抽象的にロック歌手にしたりしました。「異性とわたし」の締め括りは「早く彼女に会いたいと思った。」にしましたが、インターネットで仕入れた情報ではありますが、興奮してそれを早く伝えたいからだと思われそうです。確かにそれもありますが、不意の長期休暇になり寂しくて早く会いたいというのもありました。わたしは結婚しています。後ろめたさもありました。でも、ファン心理でそれを説明ができるのではないでしょうか?ロック歌手への想い、クリスティ・マクニコルへの想い、わたしの「こころ」が好きな彼女への想いはそれらと同列です。そのような訳でタイトルを「ロック歌手とこころを朗読する彼女」にしました。

でも、本当はどうなのでしょうか?「こころ」は「人間のエゴイズムによる悲劇」でもあります。先生は叔父さんに裏切られました。→先生はKを裏切りました。それをわたしに当てはめると、別れた妻に裏切られたわたし→わたしはどうなのか?ということになります。折角、「こころ」を読んだのだから、倫理的に、また、教訓として、ロック歌手と同列と素直に思う人もいるかもしれません。一方では、そのように思わない人もいるでしょう。また、わたし自身が「言葉はこころを隠す仮面」と書いています。つまり、わたしは感じたこと、気持ちや気分、こころの状態を正確に言葉で表したいと思っています。それができる人が羨ましいと思っていますが、例えば、頭の良い人は逆に本心をこころを言葉を使って偽ることもはぐらかすこともできる訳です。「言葉はこころを隠す仮面」、わたしがとっさにひらめいて言ったことですが、重みのある言葉だと思いました。

あれこれと書いてきましたが、わたしが書いた文章を、青春映画を見るような気分で再読してもらっても嬉しいです。エンドロール、演じた俳優が並ぶ、そのエンドロールに流れる曲は列挙した最後の曲が流れる。なんてことを楽しみながら選んでみました。

最後になりますがロック歌手を聴き続けた数十年の人生の中に関わってくれた彼女たち、着席してコンサートを見ていた彼ら彼女ら、また、いつか、いずれどこかで会いましょう。

そして・・・、このような文章を書く、きっかけを作ってくれてありがとうございます。会いたい、伝えたい、そんな気持ちや、あなたの「こころ」への想いや愛情、それらがこの文章を書く原動力なりました。また、朗読を聞かせてください。こころをこめて言わせてください。

月が綺麗ですね。



キャスト              

わたし                   こころを朗読する彼女            高嶺の花の彼女               メール友達の彼女              オフ会の彼女(料理が得意な奥さん)     荷風と太宰が好きな彼女



サウンドトラック

我が祈り/エレファントカシマシ       旅/エレファントカシマシ          童貞ソー・ヤング/ゴーイング・ステディ   君はロックを聴かない/あいみょん     BLUE   DAYS/エレファントカシマシ     自宅にて/エレファントカシマシ      「序曲」夢のちまた/エレファントカシマシ  珍奇男/エレファントカシマシ        遁生/エレファントカシマシ         今宵の月のように/エレファントカシマシ   さらば青春/エレファントカシマシ      満月の夜/忌野清志郎            ノルウェイの森/ビートルズ         涙を抱きしめて/クリスティ・マクニコル   「こころ」朗読/こころを朗読する彼女    夜明けのうた/宮本浩次



シークレットトラック

★★★★


                                                       


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