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家族の在り方【にじいろガーデン 小川糸】

こんばんは。けんぼーいです。

昨夜、土砂災害警戒の緊急速報が鳴り響いて、まじで焦ったけんぼーいがお届けします。

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本日紹介する小説は、小川糸さんの「にじいろガーデン」です。

夫との関係に悩むは、ある日、女子高生千代子の飛び込み自殺を止める。事情を聞いているはずが、知らず知らずのうちに自らの身の上話をしていた泉。やがて二人は魅かれ合い、お互いをかけがえのない存在だと知る。家族として共に歩むことを決意し、理想の地を求めて山里へ移り住んだタカシマ家は、母二人、子二人での生活を始めて―。たくさんの喜びを紡いだ一家の軌跡を描く、愛と再生の感動長編。

この小説の特徴は泉と千代子の”母親が二人”いるということです。

”レズビアンの二人が駆け落ち”して、「マチュピチュ村」という山里で”母親二人・子供二人”で生活する物語です。

この小説は四章構成で、”一章ごとに目線が変わる”物語です。

一人一人がそれぞれの内容で”喜び、悲しみ、怒り”が表現されています。

これからぼくが思う見どころを紹介していきます。

① 愛の形に正解はない

先ほど紹介した通り、この物語にはレズビアンの泉と千代子が惹かれあい、一緒に生活するものです。

「一般論」として、結婚は”男女でする”ものとして扱われていると思います。

なので、この二人は周りから冷ややかな目線で見られ、”肩身が狭い思い”をしていました。

そんな二人がどのようなことを考え、どのように乗り越えてきたのか、その顛末が書かれています。

愛の形・家族の形に正解はなく、”強く生きていく彼女たちの姿”に感動しました。


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② 優しすぎた兄・草介

草介は小さい時に、実の母親の泉が千代子と駆け落ちをしたのを”間近”で見ていていました。

ぼく自身経験したことがないため、想像でしか話せないですが、きっと草介は色々な葛藤があったと思います。

しかし、なに一つマイナスなことを言わずに、全てを受け入れていました。

本文にこんな一文があります。

草介の器は確実に大きな器だったと思う。
でも、その分脆くて、壊れやすくなっていた。
あまりにもたくさんの物を受け入れてしまったから。

この言葉に草介のすべてが詰まっている気がします。

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③ 妹・宝の強さ

宝は、「マチュピチュ村」で生活し始めてから生まれ、千代子が泉と出会う前に”別の男との間にできた子ども”です。

つまり、「マチュピチュ村」に”来る前”から宝のことを妊娠していたということです。

そんな宝は本当に強い子です。

泉と千代子の子どもだと思い込んでいた宝ですが、子どもは男と女の間でしか生まれないと知った時、とてもショックを受けていました。

しかし、それを受け入れ、生きていく姿に勇気をもらえました。

宝の場面は最後の章であるため、多く語れません。

#ネタバレはしたくない
#みなさんの目で確認してほしいです

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以上で小川糸さんの「にじいろガーデン」の紹介を終わります。

この作品は、生き方の多様性を考えさせられました。

それぞれの登場人物の視点から見れるため、読みやすいと思います。

是非、みなさんも読んでみてはいかがでしょうか。

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2021年7月3日 けんぼーい

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