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「ゴキブリ」がちょっぴり可愛く見えてくる話

怖いものってありますか?
自慢じゃないけれど、私は夜とか暗いとかお墓とか全然怖くなくって、
昔から平気で夜に出歩く男でした。
お化け見えないしねぇ。見えないものを怖がってもねぇ。
おらそんなものちっともこわくねーぜ。

お化け屋敷なんて一歩も入らないし、
ホラー番組がついていたら秒で消すぜ!

なんだろうなぁ、見えるやつは怖いんです。
人が作ったものは、明確に脅かしにくるから、そらぁ怖い。
お化けよりも怖いです。そうです。わたしが弱虫おじさんです。

おはようございます。にっしーです。

学校が楽しくて楽しくてしかがたない子どもがいます。
学校のことを考えるだけで身体が動かなくなる子どもがいます。
そこにあるのは同じ学校だけれども
子どもによって受け取り方が180度違うんです。

子どもが学校に行きたくない!って言い出した時
多くの親は
「学校め!学校のやつめ!学校ってやつは!」
「ちっくしょーーー!!オラゆるさねぇぞ!!!」
って思います。
だから学校に連絡し、対応を求めます。
子どもが学校に行けなくなった原因を解消せよ!!

たくさんの善良な先生方は、真剣に受け止め対応します。
(一部の邪悪な先生方はきっと何もしません。ごめんなさい。)

でね、解消します。
少なくとも以前より良い状態にして、本人が来るのを待ちます。
でも、多くの場合・・・学校に復帰することはできません。

もちろん学校へ対応を求めることは間違っているわけではありません。

先生方にも気がつけないトラブルは日常茶飯事です。
子どもたちもそんなに馬鹿じゃないですからね。
だからね、トラブルの情報って嬉しいんです。
少なくとも私は嬉しいです。知れば、対処できるから。

でも、「学校が怖い」「学校に行きたくない」がどこにあるのかというと

学校じゃないんです。

本人の、心の中です。

これを解消しなければ、「学校」をどんなに変えても登校できるようにはならないんです。


以前見た番組で、北海道の人に「ゴキブリ」を見せて反応を楽しむって企画がありました。
ゴキブリ、やばいですよね?ゴキブリって字を見ただけで寒気がする人もいるんじゃないかな?みんな伏字でGとか書くくらいだもんなぁ。あ、以前インド人の友達が「"ゴキブリ"って響きが可愛くて好き!」って言っていました。「"おっぱい"もめっちゃ可愛い!」とも。うむ。後者は認める。

でね、北海道の人にゴキブリを見せると、反応が違うんです。

「へぇ!これがゴキブリなんですね!」
「写真撮っていいですか!?」
「うわ!まじで!スッゲェ!!」

完全にアイドル相手の反応なの。
そう、北海道にゴキブリはほとんどいないんです。
彼らは越冬は苦手なようです。
いないから、悪い記憶がないんですね。

「テレビで有名なあいつを見ることができた!」

そんな喜びなんです。


ゴキブリを見るだけで寒気がして動けなくなる人もいます。

以前友人から夜中に電話がありました。
高校時代から仲の良い女性の友人です。

「ゴキブリが出た!!寝られないから、なんとかして欲しい!!
 今から・・・来られる?」

切羽詰まった声。
友人の頼みを聞かないわけにいきません。
決して下心ではありません。決して!決してです!

「よっしゃ。わかったけど・・・隠れたゴキブリを見つけるのは至難の技だよ。夜中だし・・・。」

「大丈夫!隠れてないから。トイレで・・・死んでるから・・・!」

片道30分かけて彼女の家に行き
トイレでひっくり返ったゴキブリの死骸を割り箸で摘んで
袋に厳重にくるんで捨てて、
30分かけて帰りました。

(何も、何も、何もしておりません!!友人です。)


怖い人には、動かなくても怖いんです。


この差はどこにあるのでしょう?

犬を見て「かわいい!」って思う人と
同じ犬を見て「怖い!」って思う人の差は?

音楽を聴いて「素敵!」って思う人と
同じ音楽を聴いて「うるさい!」って思う人の差は?


正解は・・・

本人のもつ「イメージ」にあります。


人の脳は事実よりも「イメージ」に反応するんです。


我が娘は水族館が嫌いです。嫌いというより怖いのだそうです。
水族館に入るだけで、泣き叫びます。
まもなく10歳になる娘がです。

魚は大好き。海で魚を見るのはこわくない。

でも水族館だけは怖いんです。水槽が怖い。

これも彼女の頭の中にあるイメージです。


先日見た「猫」に関するドキュメンタリー番組で
面白い演出がありました。
「猫は、人が知らないところで戦っている」
そんなシーンです。
映像は普通に猫が飛び降りたり、歩いたりしているだけ。
でもそこに緊迫感のある音楽が流れます。
途端に「猫」が臨戦態勢にあるように見えてきます。

音楽でイメージを書き換えたんですね。

イメージとは・・・事実とセットで思い出す
「無意識」のフィルターのようなものです。

一度魚の骨が喉に刺さったうちの息子は、魚を食べなくなりました。

「魚」に「痛くて怖い」っていうフィルターがかかったのです。
骨を全部取った魚も怖いんです。
大事なのは事実じゃなくて、イメージだからです。

イメージは経験と言葉によって作られます。

そして、イメージは経験と言葉によって変えられます。


娘は、「あつまれ どうぶつの森」でゲーム中の水族館に通うことで
少しだけ水族館への恐怖が薄れてきました。

水族館にかかるフィルターが「恐怖」から「楽しい」に変わってきたんです。


学校が苦しくなった子どもが学校を思い出すとき、
一緒に「暗い色」「重い雰囲気」を思い出しています。

担任が変わっても、クラスが変わっても、転校しても

このイメージはなかなか消えません。

でもね、繰り返すことで、少しずつイメージは上書きできるんだそうです。


※ 私は心理学者でもカウンセラーでもありません。解決したい人はこちらに連絡!とかこちらのセミナーを!とかも言い出しません(笑)学んだ知識と、経験から書いているだけなので・・・間違えていることもあるかも知れません。間違えていたら・・・教えてくださいね!


例えば・・・

苦手なものを1つ、頭に浮かべます。

騙されたと思って、それに良いフィルターをかけてみます。


具体的には・・・

・明るくて好きな色と重ねてみる
・好きなキャラクターやアイドルと重ねてみる
・かわいい動物と重ねてみる

などです。

「頭の中で、嫌いで苦手な上司を『アヒル』にしてみる。」

やってみてください。
上司の小言、説教は全部「グワッグワッグワ」にしちゃうんです。
恐怖心、薄れますよ。ちょっとだけ可愛くさえ見えてきます。

苦手なゴキブリを思い出したら、
立ち上がって好きなアイドルと一緒に
カラフルなライトで踊っているイメージを持ってみましょう。
パンダの着ぐるみを着せてもいいな。
着ぐるみを着て、お尻でも振らせてみましょうか?

ちょっと可愛くなりました?

面白くなりました?

すぐには払拭されないけれど、こうやって頭の中で他のフィルターを意識的にかけるようにしていくとね、「脳」は騙されるんです。


脳はイメージしたものを、本当と思い込むからです。


私は、学校に通うことがゴールだとは思っていません。
学校じゃない場所にも学びはたくさんあるし、
最終的に本人が元気に前に進むことができれば、方法はなんだっていいんです。

でも苦しいのは辛いですからね。

学校に行くのを目的としないで、

学校の苦しいイメージだけ払拭できればいいと思います。

「学校に行かなくていいんだ。」

そう認めた瞬間に楽になる子供もいます。
学校が苦しい場所から、「自分に関係のない場所」に変わるからです。
イメージが書き変わったんですね。

どんな苦しみも、本人の心の中にあります。

周りは、それを書き換える手助けができます。


かける言葉で、イメージは変わります。

体験によって、イメージは変わります。


子どもたちの「人生」に明るいフィルターがかかるように

いい言葉と体験を、させてあげたいものですね。

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