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素敵なクリエーターさん達の作品をお勧めしたいマガジン

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私の心が素直に動いた、他の方の素敵なお勧めしたい作品の掲載。 最近は、作者の方にきちんと許可を得て掲載してます。
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#小説

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松本侑也 絵画作品

また孤独

また、孤独になっちゃった 結局自分の問題 人と距離を近づけちゃだめなんだ ネアンデルタール人 また忘れたな 子供の頃から同じ 人との接触に 痛みを感じすぎて それを怒りに 転化する癖 人間関係の喘息 過敏な皮膚や粘膜は我が心 怒りは咳 なんとかしてあげたいと思う人でさえ お手上げになる 僕と話すのが 苦痛になる 言うなれば 僕はいつもそこに向かっていて 本能的に1人になろうとしているのかもしれない とにかく まあ 無茶苦茶なんだと思う 生き物として ナルシシズムと

【詩】どっち

投げ出したくなる 石が転がる舗装されてない がたがたの道とも呼べない場所を 裸足のまま歩いてきた いつか何かいいことが 痛すぎる足の裏 いっそのこと 他人の車で行けばいい 盗んだところで 使ってしまえば自分のもの 法を犯すのは悪いこと だれでも知ってる標語のようなもの 車を盗むのは悪いこと 裏金を自由に使い厚顔無恥でも バレなきゃ構わない それは悪いことじゃないのかね 悪いことの線引きがわからない 靴が買えないから裸足になる 裸足だと足の裏

【詩】堤防にて

防波堤の突端で猫と一緒に 波の浮き沈みを くつろぎながら 眺めている 隣で魚を釣っているおじさん 小魚を釣ると 猫の前に置いて 美味しそうに 猫は魚を食べる 釣り人がくれる魚を のどかな空気の中で 猫は毛づくろいをして 昼寝をして 気長に待つ サンダルを持って ゆっくりと歩いていると 猫もまた 後ろを追いかけるように ゆっくりと歩く 都会の喧騒はそこにはない 汚れたとは言わない ズルくなったとも言わない ただ都会の生き方に 慣れてきただけ 無邪気だったあの頃 都会

自分らしさ (詩)

愛が重いの? でも、これが私なの 重くない愛ってあるのかしら? 適当に愛することなんてできない 想いが、ぎゅっと詰まってるから 重いのよ 目に見えないものは 尊いの あなたを心配しても 眉をひそめないで 安否が気になるのは 私には当たり前のこと (xに投稿した詩に、加筆しました。詩のお題は 自分らしさでした)

【詩】銀河系

止めてしまえば楽なことを 僕はなぜ続けているんだろう 追い立てるのは 人ではない 時間でもなければ 考えてみれば 僕は追い立てられていない 誰からも 自分からも 追い立てられなければいけない世界 追い込まれる世界 追い込む世界 追いつめる世界 人工的に出来た円の中で 喜び悲しみ つついて笑い泣かせても 見てるだけ 僕はそれを黙って見ている 円の中を 重みを得た球は円の外に はじき出される 球の重さなんて人それぞれで きっとかまわない 円の外に出そうな男の子を

終演

心で喜んでみては その分だけ 苦く 苦しい思いをする かけ引きとかは 昔から嫌い まるで盤上のゲームみたいに 敗者は頭を項垂れるだけ ブレーキの故障で 先走り過ぎて そっと 追いかけていた背中を 追い越してしまったみたい 手を伸ばしても 手を伸ばしても あなたを掴まえる事は 私には難しかった 哀しいのに 苦しいのに 涙の流し方もわからない 無慈悲で曖昧な言葉だけが 脳裏でフラッシュバックする どうせ 無関心な対象物ならば 切って捨てれば良かったのに 優

【詩】確かめる

どうぞ一人にして どうぞ一人にしないで ありがとう ケーキに恋と飾って 雨のように降る好きの数 嬉しいのに時々空虚になる 本当に欲しいものは違うけど 似ている そう 似ている 好きの押し売りは 嫌いじゃないけど 自分の本当の気持ちが わからなくなる そうしてるのか そうされてるのか 自分の気持ちさえ曖昧 そうかもしれないと 圧力でもない 強力な思いが迷わせる たくさんの好きが 愛と結びつかない 欠損した何かの 代わりのモノ 欲し

【詩】させない

こんな言葉を見るとは LINEの文字にキエタイの文字が浮かぶ 即答するほど簡単ではない 冗談の雰囲気はない 笑って済ませる問題じゃない 間のあいた返事 もう一度見る メッセージは消去 見なかったことにする 君の心は荒れ狂う涙じゃなく 何かを諦めた凪 一億キロメートルの距離 僕が出来ることは何だろう 途切れることないメッセージ 垂れ流してると言われても 続く返信 進む時間で疲労が 自分では取り除けないほど 張り付き 耐えられなくなり スマホを壁に投げつける

【詩】ないという希望

起こらなければと 広い大地に火の玉と プロペラのついた 火薬を持った目だけ持つ飛行物 キャタピラのついた 黒い四角の前方には棒がある 敵陣に向けお互いが 火球に飲み込まれていく 札束を掲げたものだけがもらえる 片道切符 遥か遠く海と山を越えた画面の向こう側の 天気予報のように聞く情報 あるはずのないことに慣れた日々 火種のないところに 火種を作るたった一人の指名手配犯 火種のあるところに ガソリンを降らす愚か これも海と山を越えた先の話 不可思議な火種に降らす