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恋人の元恋人に感じる嫉妬心についての考察

私は昔からそうなのだが 付き合った人の元カノなどに嫉妬してしまう.
これってすごくしょうもないし,年々よくはなっているのだが,嫉妬してしまう・・
失恋して別れてしまったり 片思いしていたりすると なんと無意味な感情だったかとわかる.
自分が元カノになったり 自分が実らない片思いをしていると, 今付き合っているというカップルの現実こそが圧倒的に重たいエネルギーを持っていることがわかる.
定期的に会い,連絡し,気にかけ合い,お金を使い,愛情を表現する.
お互いに確信をもってそういう関係を長期続けられる存在は, 大きなエネルギーを必要とする特別な存在である.
そう簡単にホイホイと得られたり,切り替えられるものでもないし,人生において同時期に複数人持つことは難しい(よほど活発でなければ).
圧倒的な重さがある.

そもそも,過去付き合って別れている相手って 本当に過去の存在なのだ. 失恋したときって死別みたいなもんだなあと感じる.
いろいろ問題があって,別れて,今は人生において 他人以上に遠い存在になっていることが多い.
今後の人生,よほどの偶然でもなければ会うことはない.
冷たくてドライな現実がそこにはあるはずだ.
現在の私にとって,元カレはまったく大切な存在ではない.

仮に,元カレの今の彼女が 私の存在にモヤモヤしていたとする.
私と,元カレの,キラキラの思い出を妄想して 嫉妬していたとする・・
キラキラの・・キャンパスライフ・・
キラキラの研究室ラブ・・・
なんともしょうもないと思う.
誰もいない森で倒れた木は音がするのか問題に似ている.
そのキラキラは,誰が見たんだ??
あの別れを迎えるような未熟な関係であったことが全てを代表している.
私は,過去をキラキラと思い出すことはほぼない.
最終的に,相手に辟易し,冷たい別れを経験すれば,あのときの恋愛感情も,なにもかもが愚かな幻みたいなものに思える.
脳内麻薬ゆえの,若さゆえの 無意味だったものだとさえ思える.

しかし,本当に元恋人との間には幻しかなかったわけではないと,時間がたつとわかる.
だから,嫉妬もするのだろう.
たとえ今は直接的な繋がりが何もなかったとしても,元カレの存在や恋愛というイベントは確かに私の魂とか,感性を変容させているものだと思う.
ブラックジャックにも「この瞬間が永遠なのだ」という表現がでてくる.
そのときの自分があの人を好きになったことには理由があるのだ.
そして,別れを迎えたことにも理由がある.
そのときの自分にふさわしい人としか,恋愛関係には発展しないものだ.
恋愛を,失恋を通して,人間は,自分の人間性の課題に対面することになり,変化する.

別れてしまえば,何もかもなかったことになると恐れる人がいる.
私もそうだったときがあったように思う.
だけど,一度付き合っていたという事実は 宇宙と魂に刻まれる事実であるように思える.
私は相手のその痕跡に嫉妬するのかもしれない.
そして私は,その痕跡が自分にあることをどこか恥じている.
何にも恋愛をしなかった自分で,いまの人と向き合いたい.
だから相手にも消してほしいのだ.

過去の自分が 当時付き合っていた元カレの元カノに対して嫉妬していた気持ちを,思い出そうとしても 無理である.
今,好きな相手と付き合っている時にだけ限定的に湧く 不思議な感情である・・

なぜこんな感情がわくのだろうか?
まず,私は,元カレを愛していて幸せだ,という過去への解釈,すなわち自分の過去の恋愛に対する肯定的な意識がない.
辛い恋愛だったとか,恨みがましく思う気持ちが支配的なのである・・
これは自分が自己肯定感が低いためにモラハラ気質の男性を引き寄せがちだったことに起因している気もする.
片思いについても,恥のように思っている. 身の程知らずの魅力のない自分が,みじめな片思いをしていた・・残念な思い出・・ という風に解釈してしまっている.
また,性的に潔癖な環境で育てられたので,恋愛そのものに罪悪感や恥を感じている.
このため,付き合っている人が元カノとの思い出をよいものとしていると 嫉妬してしまうのかもしれない.
そう,男性側が,私を差し置いて,過去にうっとりと浸っているきがして なんか悲しいのだ.
恋愛というものが,良いものであると思っていなくて,やっとこそこから救済される正しい恋愛をいましていると感じているのに(重たい),
相手にとっては,私なんかよくあるつまらない恋愛の一つと思っている気がするのだ.
過去の恋愛を肯定したり,いい恋愛をしたり,恋愛していた自分を優しい目で見る必要があるのかもしれない.
また,仮に相手が私のように,過去をすべて軽んじていたとする.
そうしたら,私との過ごした時間も同様に まやかしに過ぎないと思う日がくるのだろうかと不安になりそうだ.
過去の恋人に対しても 愛情深いのは,むしろ人間として格式が高い気もする.私の方がいけない気がする.いいことでもあるはずなのだ.

結局,自分に自信がない. ネガティブで,後ろ向きで,未来志向ではない.独占欲. そんなところだろうか.

恋愛関係とは不思議だ.
みんな同じタイプの性器をもっていて 雄と雌で,互換性がある.
人間の恋愛は慣習があり,文化的なものだとおもう.
一人と付き合っているようで,限定的なようで ,間接的に人間全体と付き合っているような要素がある.
その一方で,過去色々な恋愛経験があることは今の相手にはタブーになったりもするし,いくらでも他に人間はいる中で,相手の唯一無二性を慈しむことに恋愛や結婚の本質はあると思う.
ここに発生するジレンマが嫉妬なのかと思う.

元恋人で失敗して学んだこと,愛したことは, 未来の恋人や配偶者を幸せにすることに繋がる.
そこがなんか,わりきれてないことに問題がある.
人間の恋愛は,誰か一人と独占的に付き合っているようで 結局生物集団として生きざるをえない人間の営みの中の一部である.
恋愛の背後には人間社会,文化がある.
そして,誰か一人を愛して失敗したりしてきたことは 異性全体,人間全体を理解することにも間接的に繋がっている.
それを通して魂を変容させてきたこと,そしてまた新しい愛を構築していこうとすること,
その過程の中に立ち会えていること
それって本当は尊いことのはずなのだ・・
ということに気付くのが大切かもしれない.

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