無職になって1か月

退職の経緯

転職してから1か月がたって、だんだん職場についていけなくなった。
入社時から「えっ?」と思うような違和感は感じていた。でも、どんな職場だって、仕事だって違和感があるはず。これに慣れていかなければいけない。そんな風に自分に言い聞かせていた。
なかなか思うような成果を出せない。今思えば1か月やそこらで目に見える成果を出すことは無理だ。でも一刻も早く成果を出して、認めてもらいたいと焦っていた。腰を据えて課題に向き合うこともせず、ただ目の前の業務をこなす日々だった。
疲労が蓄積し、どんどんパフォーマンスが下がった。ミスや漏れが発生し、厳しい指導が入った。
相変わらず違和感はあった。でも焦り、迷い、疲れなどで正常な感覚で物事を捉えられなくなっていた。
もう、続けられないと思っていたが、どうしたらいいのかわからなかった。
そんな自分を見て妻から「もう仕事やめて。見ていられない。」と言われた。
この言葉が、退職願いを出す背中を押してくれた。
新たな職場で活躍することを期待して転職したが、4か月で退職となった。

退職直後

毎朝5時半ごろには起きていたが、早起きする必要がなくなった。でもいつもの時間に目覚めてしまう。「今日、仕事なにするんだっけ。」と反射的に考える。「あ、退職したから仕事ないんだ。」と思い直す。
交感神経と副交感神経のバランスが崩れているのだと思う。朝食をとらない生活も定着し、食欲もない。
妻からは「しばらくゆっくり休んでちょうだい。」と言われている。でもうまくリラックスできない。焦りや不安の感覚がずっと続いている。

「退職してしまった。早期退職。転職は失敗だった。今日から無職。収入もない。甲斐性がない。」そんなレッテルを自分に貼っていた。
これからどうする?

しばらくは感情が不安定に

時間だけはある。
その時間であれこれ考えたり、右往左往したり、ぐるぐる逡巡した。自分を責め、何回もひどくネガティブになった。感情が敏感になり、ちょっとしたことですぐイライラする。
何人かの友人に無職になったことを伝えたが、今の気持ちを吐き出しきれたわけではない。いろいろ気遣ってくれていたにもかかわらず、自分がかたくなにこころを閉ざしていたと思う。
目が見えない。いや、見えているけれどちゃんと認識できていない。車を運転していて、「今、信号何色だっけ?!」と交差点を通過してから不安になることがあった。
こめかみのあたりがずっと痛い感じ。胃が痛いのに、ウイスキーをストレートで飲んだ。酔っぱらうとすぐ眠れるが、ぐっすり眠れない。夜中に起きるとそのあと眠れない。
食べると、だいたい食べすぎた。お腹が苦しい。
どこかに向かいたい。でもどっちに進めばいいのかわからない。

わんこの散歩で公園に行く。
ぽかぽか太陽のぬくもりを感じる。肌に風を感じる。遠くの山並みの木々が風に揺れている。鳥のさえずりが聞こえる。
「ああ、気持ちいい。」と感じられることがあった。
次の瞬間「なんで、転職しちゃったのかな。最初の会社をやめなきゃよかった。」と思う。こうなると何も感じられない。
同じ時間にわんこの散歩している人と会う。軽く挨拶するがうまくコミュニケーションできない。(私は無職。この後、出勤する会社はない)

就活しなきゃと思った。
あちこちの求人情報をあさる。応募もした。そしてどれも残念な結果になった。
いろいろな求人情報見ていると、「よし、応募しよう!」と思える時と、「どれもできそうにない。自分ってなにもできないんじゃん。」と思ってしまう両極端。どちらにしても焦りがあり、自分がなにをめざしたいのかよくわからない。

1か月を経過して

すこしずつ、正常な自分を取り戻せてきている気がする。
肩の力が抜けてきた。鏡を見ると表情が柔らかくなっている。ぐっすり眠れることが多くなった。
焦り、不安、後悔、以前の職場のことなど考えることが少なくなってきている。退職してよかったと自然に思う。その前の転職もしてよかったと思う。あんなストレスを抱えた毎日を続けるなんて、よくない。
今無職だけれど、心は穏やかでストレスが少なくなっている。この方が幸せ。今この瞬間、幸せな時間を過ごせていることが大切。
収入を得るため、生活するために働くことは必要。そして、その基盤はいまだめどが立っていない。
しかし、生きていくうえで働くことをどう位置付け、どっちに向かっていきたいか、少しイメージできるようになってきている。
方向がわかれば、その方向に進めばいい。
立派でなくてもいい。一貫性がなくてもいい。意味がなくてもいい。
ほどほどの納得感があればいいと思っている。
自分の人生、好きに生きればいい。

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