[無料]GPXファイルを配布してジオグラフィカで簡単にインポートしてもらう方法と現在地の送信方法
ジオグラフィカは登山用のGPSアプリですが、トレランでもよく使われているようです。トレランをやっている友人もいますが、他のアプリと共にジオグラフィカを使ってくれています。
トレランの大会では、コースを示すトラックログやエイドや関門などのポイントを示すマーカーのGPX(※)を配布するようですが、それを選手に取り込ませるのに苦労しているようです。ちょっと手順がややこしかったりしますからね。
そこで、ジオグラフィカのクラウド機能を使った簡単な共有方法をご説明します。
ファイルを配布する人(主催者など)だけがクラウド機能を使い、ファイルをダウンロードする選手は少ない手順となっています。WebページやQRコードからクリック1回(またはQR読み込み1回)でジオグラフィカが起動してファイルを読み込みます。超簡単なので試してみてください。
※GPXファイルとは、GPS eXchange Formatの略で、GPS/GNSS機器でデータの交換をするときに使う標準フォーマットで、実体はXMLで書かれたテキストファイルです。メモ帳などでも開けるので一度中身を見てみてください。ジオグラフィカではトラックログ、マーカーセット、ルートのデータ交換で使っています。カスタムマップはKMZですが、こちらの実体は「中に地図の画像と座標のGPXが入ったzipファイル」です。
このテキストの扱い
このテキストの文章や画像は、必要な部分を抜き出してコピーし、切り貼りして配布しても構いません。このページの内容を流用し、主催者用のマニュアル、選手側のマニュアルなどを作っていただいてOKです。間違った内容でなければこちらから文句を言うことはありません。ご自由にお使いください。許可も報告も不要です。
対象バージョン
対象となるジオグラフィカのバージョンは、iPhoneがVer 2.0.6以上、AndroidがVer 2.0.13以上です。解説している一部の機能が、これより以前のバージョンだと挙動が違うので最新版にアップデートしてお使いください。
アプリのバージョンは画面左下に小さく表示されます。
アプリのアップデートは、大抵は自動更新になっていると思いますが、自動になっていないなら手動でアップデートするか、自動アップデートの設定をしてください。
ファイルを配布する側も、受け取る側も指定バージョン以上になっている必要があります(※)。しばらくの間、ファイルを配布する際はアップデート手段などを示して、最新版にするように指示してください。
※厳密には、受け取り側は少しだけ古くてもいいんだけどややこしいので合わせましょう。
大雑把な説明
主催者側(配布側)の手順
ジオグラフィカクラウドのユーザー登録をしてログインしておく。
配布したいトラックログやマーカーをジオグラフィカ内に入れておく。
配布したいファイル(トラックやマーカーセット)を個人クラウドにアップロードする。
個人クラウドのファイル一覧から共有リンクを取得する。
取得したURLやQRコードをWebサイトなどに貼り、そこからダウンロードするように指示する。
選手(受け取る側)の手順
指示されたWebサイトなどにアクセスする。
指示されたリンクを開いたり、QRコードを読んだりする。
自動でジオグラフィカが起動するので、画面の指示に従ってファイルを読み込む。
詳しい説明 主催者側(配布側)の手順
1.ジオグラフィカクラウドのユーザー登録とログイン
まずはユーザー登録から。メールアドレス、パスワード、ニックネームを入力して登録、確認メール内のリンクを開いたらログインするだけです。簡単ですね。詳しくは下記リンクを開いてください。
2.配布したいトラックログやマーカーを準備する
配布したいファイルをジオグラフィカに入れておきます。自分で歩いたトラックでもいいですし、外部からGPXで取り込んだものでもOK。マーカーやルートでも大丈夫。各種ファイルは「メニュー→ファイル」に入っています。
3.個人クラウドにアップロード
トラックは1個ずつアップロードしてください。トラック一覧で配布したいトラックをタップしてチェックを入れて、左下のチェックボタンを押します。
クラウドにログインしていると、メニューの下の方に「個人クラウドにアップロード」というものが出てきます。これをタップしてアップロードしてください。
ルートとトラックは1ファイルずつですが、マーカーは複数のマーカーをまとめて1つのGPX(マーカーセット)としてエクスポート出来ます。
トラックと同じ様に「個人クラウドにアップロード」を選びます。
マーカーはここで名前を設定できます。
以前からジオグラフィカクラウドを使っている場合、トラックログは記録終了時にアップロードするか確認が出ます。そこで共有したいトラックをアップロードしていれば、再度アップロードする必要はありません。
4.共有リンクを取得してWebサイトなどに埋め込む
アップロードされたファイルは、メニュー→クラウド→個人クラウドに入ります。
配布したいファイルの右にあるメニューボタンを押してください。
「ジオグラフィカ共有リンクを取得」か「ジオグラフィカ共有リンクQRを表示」で共有リンクを得られます。
「ジオグラフィカ共有リンクを取得」だと、ジオグラフィカが自動で起動するカスタムURLがクリップボードに入ります。このURLをWebサイトなどに埋め込めば、ジオグラフィカを対象としたファイル配布が容易に出来ます。
https://から始まるURLなので、メールで送れば自動でリンクが張られます。SNSなどに貼り付けることも出来るし、noteでもトラックログの配布が出来ます。
↓こんな感じ。
川苔山のトラックログをダウンロードする
「ジオグラフィカ共有リンクQRを表示」は上記URLをQRコードにしたものを表示します。例えば下記のQRコードを、指定バージョン以上のジオグラフィカが入ったスマホで読み取るとトラックログがインポートされます。
目の前にいる人にファイルを渡すときに便利です。印刷物や現場で使う看板などにQRコードを入れておくのもよいでしょう。講習などで同じデータを使いたい時に、プロジェクターなどにQRコードを映して受講者に読み取らせることで、トラックログなどの配布することも出来ます。
詳しい説明 選手(受け取る側)の手順
上で書いた様にリンクをタップして読み込むだけの簡単操作です。
QRコードの読み取りは、iOSなら標準のカメラアプリで可能です。AndroidもPixelなど新しめの機種では標準のカメラアプリで読めますが、そうでない機種もあるのでジオグラフィカのメニュー→ツール→QR読み込みで読み取れます。
QRコードを使うと、電車で隣りに座っている友人や目の前にいる仲間にトラックログやマーカーを渡すことが可能になります。
受け取った側は数回確認のダイアログでYESを選んでいくだけです。簡単ですね。
インポートが終わると地図上に取り込んだトラックなどが表示されます。
現在地の送信方法
ジオグラフィカで現在地を外部に送るときは、画面上部の座標バナーを長押ししてください。現在地を様々な方法で送ることが出来ます。動けなくなった選手が自分で送ったり、近くのサポーターが代わりに送ったりするとよいでしょう。(圏外では送れないですが)
同じメニューはメニュー→ツール→現在地を共有からも呼び出せます。
TwitterやFacebook、LINE直接に送ることが出来ます。
Skypeやメッセンジャーなど他のアプリを使っている場合は、クリップボードにコピーして、送りたいアプリに移ってペーストすれば送れます。
メールで送ってもよいでしょう。本文に位置情報や地図アプリ用のリンクが張られます。
Googleマップの座標指定起動
https://maps.google.com/?q=35.769905,139.230623+(I'm%20here!)&z=17
ジオグラフィカの座標指定起動
https://geographica.biz/l/jump?lat=35.769905&lon=139.230623&zoom=15
主催者側で位置情報を共有したい時は、マーカーを作ってGPXにしてもよいでしょう。現在地が圏外だった時は、とりあえずそこにマーカーを打ち、電波圏内に移動してから共有するという手もあります。
作ったマーカーを長押しして、マーカーのGPXをLINEなどで共有できます。例えば要救助者の場所にマーカーを打って共有すれば、複数のメンバーがその地点を目指して救助に行くのが容易になります。詳しくは下記エントリをお読みください。
どう運用したら便利なのか、機能を学んだ上で運用マニュアルを整備してみてください。
まとめ
ジオグラフィカクラウドのファイル共有機能を使うと、トラックやマーカーの配布が容易になります。
共有リンクによる配布と、QRコードによる配布が可能です。
ここで書いた内容のとおりに動作するのは、iPhoneがVer 2.0.6以上、AndroidがVer 2.0.13以上です。2022年12月末にリリースされました。
受け取る側は少ない手順でトラックやマーカーを取り込むことが出来ます。
現在地共有機能も便利なので使ってください。
わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。