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ポストコロナの消費行動(前編)

マッキンゼーのレポートでアジアにおける裁量支出(買うか買わないかの判断を自分でする買い物)についてのレポートが上がっていました。これからの日本のウィズコロナの状況においても役に立つと思ったのでまとめます。

購買行動の変化における5つのポイント

①.大きな買い物の回避
一回あたりの金額の大きな買い物である「宝飾品」「自動車」「家の購入/建て替え」などの購入を延期する人が多かった。
自動車については50%(中国)、61%(インドネシア)の人が、宝飾品については59%(中国)、39%(インドネシア)の人が、コロナ禍発生以前は予定していた買い物をあきらめた。
他方で、スキンケア商品の購買を控えると回答した人の割合は大幅に少ないという結果に。

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②.価値の2極化
2008年のリーマンショックの時に類似する傾向として、価格と品質について消費者の目線がより厳しくなることが予想される。
多くの消費者が今年の支出を抑えようとする意識をもつ一方で、ある商品がその購入者にとって「複数の目的をかなえる商品」であることの価値がより高まる傾向が家電製品には見られた。
また、コロナ禍以前からより大きな支出をしていた人ほど、景況感が回復した後、ビフォーコロナの時よりも沢山の買い物をしようとする意思をもっており、購買客層の2極化が進んでいくかもしれない。

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③.「好きなブランド」での買い物を続けるか
「ブランドへの信頼」は世界共通で、支払うコストに見合った「良い買い物」における主要な決定要因。
調査の対象となった3か国それぞれで「当初より支出を減らす」と答えた回答者のうち、60~80%が好きなブランドの商品を、ディスカウントやクーポンを利用したり、同じブランドのより安価な商品を購買すると答えた。
この「好きなブランドの商品を買う」傾向は、携帯電話のような耐久消費財でより強く表れる一方、アパレルのようなライフサイクルが短い消費財では弱いという調査結果に。

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④.自粛ムードによる「気まずさ」と「罪悪感」
新型コロナウイルスによる世界的危機が継続する中、消費者が裁量消費に対して「罪悪感」を感じており、その傾向は人から見たときに「派手な買い物」に映る消費について、より強く表れる傾向が見えてきた。
「購買行動を控える、もしくは延期する」と答えた理由として、「コロナによる今後の収入への影響」が一番大きな理由である一方で、中国の携帯電話購入者の1/3が「携帯電話の購入に罪悪感を感じる」と回答し、インドにおいて、大型家電購入を検討していたがより安価な商品へのシフトや購入の延期を予定している回答者のうち20%が、現在の社会情勢を見たとき、このタイミングでの大型家電の購入を「正しい行為ではない」と答えている。

⑤.オンライン消費が加速する一方で、リアル店舗の価値も健在
コロナ禍により消費者のオンラインショッピング利用は加速したが、その加速の程度についてはオンラインチャネルごとに異なっており、様々な商品を取り扱うマーケットプレイスがここ数ヶ月では最も伸びていく可能性があることが示唆される結果となった。
一方で、インドならびにインドネシアでは、コロナウイルスが収束したのちに、自分の好きなプラットフォームの利用頻度が増えると回答する割合が大幅に高くなっており、その先行きについては不透明な部分も。
同時に、回答者からはリアル店舗へ戻りたいという声も出ており、インドネシアにおける「アパレル」や、インドにおける「携帯電話」や「家電製品」では、リアル店舗への回帰意思がより強い傾向に。
色々なブランドを取り扱う店舗よりも単一ブランドを取り扱う店舗が好まれる傾向がインドにおいて出ている。

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