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不登校からの卒業(29)

不登校の真の解決とは(4)

前回もお伝えしたのですが、「不登校」ということを真に解決するためには、5つのことが必要だと私は考えています。

・素直であること
・自己受容、自己肯定できること
・謙虚であること
・他人と比較しないこと
・考え続けること

この5つを子ども自身が持つことが、不登校の「真の解決」なのではないかと、私は考えているのです。

今の自分を受け入れ、他人と比べることがなくなれば、動けるようになりますし、元気になっていけると思います。

ところが、学校復帰や進学をして、ある程度の年齢になってから、動けないまでも人間関係に悩んだり、辛い状況になってしまうことがあるのです。

これまで、大人の方で私のところにご相談に来られた方の中に、やはり、以前、不登校の経験のある方が何人もいたのです。

よくお話をお聞きしてみると、結局のところ、まだ、不登校の時の感情をひきずっているのです。

これでは、不登校が「解決した」と言えないと、私は考えています。

家族と会話できるようになればいい
外出できるようになればいい
別室登校できるようになればいい
フリースクールに通えるようになればいい
学校復帰できるようになればいい
高校受験や通信制高校に通えるようになればいい
大学受験をして、大学に通えればいい

どれも、その通りだと思います。

子どももご家族も、こうなると、とてもうれしいことだと思います。

私もそう思います。

そのことは、間違いありません。

しかし、それで終わりにするには、少し待っていただきたいのです。

この段階で、自分を受け入れることはある程度はできるようになっています。

不登校になった自分を認めて、これでいいのだとまでは言えなくても、そのことをダメだとはあまり思わなくなっていると思います。

他人との比較も、人は人、自分は自分と言える子どもも出て来ています。

ところが、精神的に辛い状況にあったために、「素直さ」と「謙虚さ」を失ってしまっていることがあるのです。

わかりやすく言うと、動き出してできた友達が、他の人のことを悪く言うところまでは行かなくても、不登校をしたその子どもからしてみたら、「そんな言い方はしない方がいい」と思っても、そのことをすぐには口に出せないのです。

周りの友達に「不登校になってて修学旅行とかもいけなかったのは辛かったね」と言ってもらっても、「そうなんだよ。しんどかったな。」などと返すこともできないことも多いのです。

また、人に褒められても、自信が持てないことも多く、「ありがとう」とも言えないし、何とも言えない反応をしてしまうことがあるのです。

もちろん、誰でもそういう反応をすることはあるのですが、動き出して元気に見えていても、あいまいな反応をしてしまい、後で、ちょっとだけ凹んだり、自分自身に嫌な感じをもってしまうことがあるのです。

私が真の解決のために、5つのことを取り戻していることをあげているのは、素直に今の状況に対して発言ができなかったり、あいまいな反応をしてしまったりすることで、自分を表現しにくい状況をつくり、何となく自分の内側に気持ちが向いてしまうきっかけを、自ら作ってしまうことが、あるからなのです。

そうすると、せっかく元気になって社会にも出て、自分なりの生活をしていたのに、人よりも少し精神的な圧の強い人と接したときに、自分の気持ちを押し殺してしまい、再び何となく動きたくない感じを思い出し、精神的に不安定になることがあることを、不登校の経験のある若者やご相談に来てくださった不登校経験の大人の方々から、学ばせていただいたのです。

何よりも「元気が一番!」だと私は思っています。

その元気であることというのは、5つのことを取り戻して、本来の自分に戻っていることだと私は思うのです。

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