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不登校からの卒業(28)

不登校の真の解決とは(3)

「不登校」ということを真に解決するためには、5つのことが必要だと私は考えています。

・素直であること
・自己受容、自己肯定できること
・謙虚であること
・他人と比較しないこと
・考え続けること

この5つを子ども自身が持つことが、不登校の「真の解決」なのではないかと、私は考えているのです。

この5つを子ども達に持ってもらうためには、実は、周りの大人が、この5つを持ち続けていなければならないのではないかと私は思っているのです。

そうは言うものの、この5つがなくても、自己受容ができ、他人と比較しない、簡単に言えば、不登校になったけど自分は自分でいい、と思えたら動くことも、外出することも、学校復帰することも可能だと思います。

周りの目・視線を気にしたり、怖いと思ったりすることはもちろんあります。

それを乗り越えるためにも、自分の今の状態を受け入れ、他人と比べることをしなくなれば、十分にやっていけると思うのです。

良く、不登校の子どもが動き出すときに、エネルギーが溜まったら動き出すということを言われます。

それは、自分を受け入れ、他人と比べることなく自分は自分でいいと思えて、他人の目など気にしない、と言えるようになることなのだと、私は考えています。

こう私が考えるようになったことも、多くの不登校の子ども達と話をしていて、子ども達から学んだことです。

正しいか間違っているかは私にもわかりません。

ただ、子ども達がそう教えてくれただけなのですから。

だから、ご家族が子どもの不登校に動じることなく、お子さんはお子さんでどんな状態であってもいいんだと、心から思えて、ご家族が周りの方々にどう思われているかを気にしないようになることができれば、お子さんも同じように思えるようになるのです。

ただ、それだけでは、完全に「不登校」になったことが解決したのかというと、私はもう一歩が必要だと思うのです。

他人と比べることなく、自分を受け入れ、動き出すことができれば、たとえば、フリースクールに行く、学校復帰する、通信制高校に行く、専門学校や大学に進学することはできてしまうからです。

これは、本人にとってはものすごく大きなことですから、それでいいんだと思うのも当然です。

ところが、「なぜ不登校になったのか、何が辛かったのか」ということが見えて来ないのです。

これは、ご家族や他人が考えることも大切ですが、不登校になった子ども本人が考えることが必要なのです。

日本社会の中で生きていくのです。

学校という、ある意味では特殊な世界の出来事ではあるのですが、形を変えて同じことが起こる可能性があるのです。

一度、動き出せば、再び不登校のように家にいる状態になることは、かなり少ないのですが、それでも、働き出してから心折れて、退職して家に言えるようになってしまうことは考えられますし、そういう子どももいるのです。

そこまでにはならなくても、他人と比べることが再び始まり、自分はダメだとなってしまうことがあることは、社会に出てから、再び、私を訪ねて来てくれる子どもがいることでもわかります。

再び訪ねて来てくれることがないように、送り出していても、起こることなのです。

再び訪ねてくる子どもは、本当に少ないです。

それは、「格好悪い」からです。

また、動けないし、不安でたまらないと、当時を知っている人間に言いたくない、という気持ちがあるからです。

こうならないように、しっかりと真の解決ができるようにすることが、私は必要だと考えています。

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