創業半年の振り返りと次の半年の宣言
2019年4月の法人登記から半年間、ファイナンスを全く行わずに自分でできる最大限のペースで粛々と会社の成長にコミットしてきました。
資本金3万円でオフィスも何もない会社から、今では正社員も採用することができ、今月からはオフィスに入居することができました。もちろん一人だけでやっていた訳ではなく、たくさんの人に支えながらサバイブしてきた実感があります。(一人で仕事するのはすごく寂しい😭)
早くプロダクト作りにフルコミットしたいと思う一方で、会社のメンバーからは「資金調達はするな」とちゃんと引き止めてくれるし、新規事業のPdMからは「えいやでサービス開発に着手してもいいけど、本気で人に使ってもらえるものにしたいから一つずつクリアにしていこう」と言われるし、経理には「社長もちゃんと経費精算してね」と、みんな冷静。自分にない才能を持っている役者が揃っていてやれる気しかしていないです。
そんなこんなで、半年やってきて感じたことやこれからどんな半年にしていきたいか、宣言の意味も込めてnoteにしっかり記していきたいと思います。
▲unnameの設立日の4月1日はお家で元号発表を見ていました。笑
これまでの半年間について
創業最初の半年間は3つにコミットしていました。
(※創業前はこちら:起業の経緯、unnameのCIについて)
①マーケティングでキャッシュエンジンの確立
②次の半年間を戦うための体制整備
③新規事業のMVPの設定
①マーケティングでキャッシュエンジンの確立
unnameにとってマーケティング支援事業は会社の潤滑油にもなる資金を作る最も重要な事業です。マーケティング支援に関しては起業前のフリーランス時代から支援させていただいていたクライアントに、起業後も引き続きunnameとして契約していただけたので、最初から資金の心配はなく、もちろん黒字スタートでした。ですので「リスクをとって起業した」という感覚はありません。(ありがたいです。。)
自分以外に社員がいない分、PLを作らなくても収入と支出を把握していたので毎月どれくらいキャッシュが残って、どれくらい投資できるかも意思決定は比較的容易でした。
支援先のクライアントは当初は4社でしたが、現在では8社ほどのクライアントのマーケティング支援をさせていただいております。今までのキャリア的にはWEBマーケが中心でしたが、今は事業の戦略からご支援させていただくケースも多いです。中には少額ですが出資させていただいて、一緒に会社の成長にコミットさせていただいているクライアントもあります。
8社というと一人で全て受けきるのは厳しいので、正社員・インターン・業務委託のメンバーで案件ごとにチームを作り、ご支援させていただいています。(※まだまだマーケのご相談承っております!笑)
案件の相談は今までのお知り合いから連絡もらうケースもありますが、あらゆるSNSや複業マッチングサービスを駆使して、定期的に相談が来るようになりました。(とてもありがたいです。。)
経験のない業界や領域のお仕事にもどんどんチャレンジしているので、資金を生み出しながらも自分やunnameのメンバーの成長機会にも繋がっていて、ものすごく意味のある経験となっております。
いつもお世話になっているクライアントならびに、関係者のみなさま今後ともどうぞよろしくお願い致します。🙇♂️
②次の半年間を戦うための体制整備
この半年間で随分と整いました。
・税理士さんと顧問契約
・社労士さんと顧問契約
・法人口座開設(きらぼし銀行、楽天銀行)
・法人カード作成(楽天カード)
・オフィス入居(co-ba渋谷)⇒本社移転
・採用(正社員1名、インターン1名、業務委託7名)
まず最初に整えたのがバックオフィスです。
自分の場合、堅実な守りがとても苦手ですぐに後回しにしてしまう性格なので、ひたすらケツを叩いてくれる業務委託のメンバーを迎え入れました。そのメンバー自体バックオフィス業務は未経験なものの、税理士も社労士も顧問契約しているので彼らから専門的なことは教えてもらいつつ、いろんな業務をさばいてくれています。ここでの業務はお金にまつわることもすごく多い分すごく大切なので、ここのマインドシェアをどうやって下げようか?ということを一番考えました。思い切って信頼して、会社のお金を全て握ってもらっているので、自分の役員報酬も業務委託のメンバーから振り込んでもらっているという構図になっています。
その次にお金周りを整理しました。
また、法人口座はネットバンク系が使い勝手が良いので、最初はきらぼし銀行でしたが途中から楽天銀行にメインバンクを切り替えました。法人カードだとアメックスを紹介されることが多いようですが、プライベートカードにも法人カードで得たポイントを連携できるので楽天カードを作ることをおすすめします。笑
創業半年してようやくオフィスに入居!
▲co-ba渋谷 渋谷駅新南口の近くにあります。
もともと自宅の住所で登記していたのですが、会社の書類が自宅に届いたり管理も面倒くさかったので、正社員が採用できたらオフィスに入居すると決めていました。登記の変更にお金はかかりましたが、もともと入居していた方がお金はかかったので、半年間オフィスを持たずに固定費を抑えて良かったと思っています。コワーキングスペースなので、初期費用も低く、人数が増えても柔軟に対応できるので創業当初にオフィスとして入居する場合にオススメです!
そしてこの半年間かなりがんばったのが採用です。
今の時代、副業(複業)などが割と一般的になり、業務委託で手伝ってくれるメンバーを探すことは難しくはないと思っています。そしてunnameの場合も創業前から業務委託のメンバーには支えられて、孤独を感じずやれてきました。
ただ、正社員を採用するとなると話は別です。
柔軟な働き方が許容される時代だからこそ、フルコミットで同じ目線感でやれる正社員がどうしても採用したいと思いました。共感ベースで会社が大きくなっていければいいなと考えているので、業務委託のメンバーだけでは限界があると考えていました。(今もそう思っています)
まずは一緒にキャッシュエンジン事業で資金を作るスキルセットを持っていて、スポーツ領域の新規事業に共感していて、今の会社を辞めてもいいという奇跡的な人材を見つけよう!ということで渾身のnoteとbosyuを使って全力で採用にトライしました。ありがたいことにbosyuに対しての応募は何名かご連絡をいただいたのですが、みなさん温度感低い。とりあえず「面白そうなので話聞いてみたいです。」みたいなエントリーばかりでした。
その中、一人だけすごーーーく熱いメッセージを送ってくる人がいた。
熱意はすごく高かったんですが、いかんせん新卒で「気持ちと竹槍だけ持ってきました」感満載でした。会ったその日に「入社できるなら一緒にやりたい」と言われ、一旦最初の正社員をどんなメンバーを船に乗せるべきか冷静に考えることにしました。
unnameや新規事業に対する共感は譲れなかったので、スキルと給料で4象限にプロットしてみることにしました。
本来でいえば、右上の「①スキル高・給料高」人を採用することがベストだと考えていました。ただし、経営に自由度を持たせるために当面はファイナンスをしないことに拘っていたのでなかなか厳しいです。また、「②スキル高・給料低」の方が良さそうに見えるのですが、スキルに見合わない報酬の支払いとなるので、昔からの深い知り合いだとしても②の場合は会社で働くことの持続性は高くないと思っています。①、②に該当しそうな人がいないかどうか、自分のFacebookの友達を全員見ても、今回のbosyuで募ってみてもちょうどいい人はいませんでした。(採用難しい!😭)
また、「④スキル低・給料高」は論外なので(笑)、「③スキル低・給料低」けど、「めちゃくちゃunnameに共感してくれる人を採用して育てよう!」と決心しました。
昔から塾の講師やテニスコーチとして人に何かを教えたり、社会人になっても新卒のトレーナーには率先して取り組んでいました。教えるのが上手いかどうかはわからないですが、人に向き合うことが好きなのでここは自分の強みを生かして、時間とお金を投資して、unnameに共感してくれる仲間を創ろうと考えました。白馬の王子様を待っていてもいつ現れるかわからないので、自分で白馬の王子様を創り出そう、と。
「よし、信太とやろう。」
そうして、全く赤の他人だったメンバーに船に乗ってもらうことにしました。(彼のnote 正社員第一号(23歳))
ちょうど同じタイミングで、熱いインターン生からも連絡をもらいました。
彼も僕が以前に書いたnoteを読んでくれて、すごく共感したとのこと。
「一人も二人も変わらん!一緒に採用して、同時に育てる!」となぜか攻めの姿勢を見せて、大学一年生のインターン生も迎えることに。
そうして、大学一年生と社会人一年生と社長一年生の会社が誕生しました。
noteって本当に素晴らしいです。一回頑張って書いたらあとは同じことを話す必要なく、自動的に読んでいただけるので。また、unnameの場合は会社を作る前にCI(Corporate Identity)もしっかり取り組んだことによって、自分の思いが伝わりやすかったと思っています。少し照れ臭かったり、全然誰も反応してくれなかったどうしよう?みたいな思いもありました。noteでしっかり発信したからこそ採用に結びついたので、今後も可能な限り情報をオープンにして発信していきたいと思います。特に本当にちゃんと書いて、そして恥ずかしがらずに素直な気持ちを発信して良かったなと思います!
③新規事業のMVPの設定
かなり長くなってしまったのですが、新規事業(スポーツ×ITのプロダクト)のMVP(実用最小限の製品: Minimum Viable Product)の設定には、焦らずじっくり時間をかけて取り組みました。プロダクト開発に関しては自分には未経験の領域だったので、専門の優秀なメンバーに本当に助けてもらっています。
また、プロダクトをリリースすることで達成したいビジョンとしては「明日スポーツができる世界を創る」ことです。特に施設の予約と一定の人数が必要になってしまうスポーツにおいては、なかなか気軽に実施することができず、満足にスポーツを継続的にできていない人はたくさんいるのではないかと考えています。
誰の、どんな課題であれば、解決するほどのものであり、そしてそれを解決するための最小限の機能はなんなのか?
実際にスポーツの現場に行ったり、イベントを企画したり、コミュニティを運営している人にヒアリングしたりして、腰を据えてMVPについて議論できています。半年前に想定していたプロダクトとは全然変わっており、時間をかけているからこそしっかり準備をできている感覚があります。これは完全に自己資金で開発しているメリットの一つなのかなと思います。
これからの半年間の宣言
これまでは、創業から半年間を振り返ってきましたが、ここからは2020年4月までの宣言をしたいと思います。
①マーケティング支援事業の責任者の採用
②プロダクトのリリース
①マーケティング支援事業の責任者の採用
これからの半年間も無借金で会社を経営していく予定です。ですので、今後もプロダクト開発に投資をするためのキャッシュエンジン事業を安定させるために、マーケティング支援事業をゴリゴリ拡大してくれる責任者を採用したいと考えています。
エージェンシーでマーケティングの一機能を担っていた人より、事業会社で事業の拡大にコミットした経験のあるマーケターの方で、会社の経営やスポーツ領域のサービス開発にも興味がある方がいらっしゃれば是非一度お話させていただきたいです!(※知り合いでいい人いるかも、みたいなご連絡もいただけると非常にありがたいです!😭)
②プロダクトのリリース
2020年の4月で会社設立から1周年となるので、そのタイミングまでに今まで仕込んでいた「明日スポーツができる世界を創る」ことをコンセプトとしたプロダクトのリリースを目指します。
noteには詳細を書くことができないのですが、少しでも興味のある方は一度お話させてください!一緒にプロダクトづくりをやってみたい、単純にそのサービスを使ってみたい、スポーツのコミュニティを運営しているという方は特にお会いしたいです。
スタートアップではなく、理想の体現をし続けるベンチャー企業を目指す
あくまで明確な定義があるわけではないので、自分の中の定義なのですがスタートアップとベンチャーについて下記のように捉えています。
■スタートアップとは
エクイティファイナンスによって資金調達を行い、(投資家が儲かるために)短期間でイグジットを目指す手法や企業のこと。短期間でイグジットしなければならないため、急成長が不可欠な状態になる。なので本来は革新的な技術やサービスを展開しないと資金調達は困難。本来は。
■ベンチャー企業とは
革新的な技術やサービスを展開することで(結果的に)急成長をしている中小企業のこと。ベンチャー企業の中にはエクイティファイナンスを行なっているところも多く、「ベンチャー=スタートアップ」と混同されやすい。
今のunname社は上記のどちらにも当てはまらず、スモールビジネスを展開する零細企業です。
僕自身、現段階ではスタートアップではない形式で経営することに拘っています。理由は、集まっている資金に対して実態が伴っておらず、社員の幸せをないがしろにしながら成長を目指している状態に陥りやすいと考えているからです。
「社員の幸せ=自分の幸せ」でもある自分にとってはしっかり地に足をつけて、地力とキャッシュエンジンを確立しながら着実に理想を体現していく方が向いていると考えています。
スタートアップでもベンチャー企業でもない零細企業であるunnameは次の半年にプロダクトをリリースしてベンチャー企業として我々の理想の体現を加速させて行きたい。その理想の体現のためにはもっと仲間が必要です。
■株式会社unnameについて
バックナンバー
①ひとりで会社はじめました
②とりあえず作っていい会社を、本気で創った理由
③最初に創りたい "没頭の仕組み" について
④創業半年の振り返りと次の半年の宣言
⑤2020年に起業を目指す一部の方々と僕の大好きな方へ
⑥スポーツをやりたくてウズウズしている全ての社会人へ
⑦高校の部活動で得られなかった青春を、今後の人生をかけて取り戻していくんだと思う
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