独学でもここまでわかる慢性疼痛①〜認知行動療法×自己効力感(self efficacy)の観点でリハビリをもっと有効に〜(7679文字)

割引あり

☆この記事を読むと:「自主トレが続かない」、「治療の効果がみえない」といったセラピストの悩みを、認知行動療法のエッセンスや、自己効力感(self efficacy)といった視点を加えることにより、現状特別な技術を要することなく、工夫を凝らした対応、解決の仕方を学べます。
臨床になかなか快方に向かわない慢性疼痛の方のリハビリを見直しませんか?

☆キーワード:慢性疼痛、認知行動療法、自己効力感、レジリエンス、行動変容

第二弾は上のリンクから!

・前書き~CBTと慢性疼痛の全体像を知ろう~

まずは、認知行動療法について。
これはかなーーり深い学問です。文献と本にて勉強しましたが、まだまだ先は長そうです。
ですが、役に立ちそうな知見はかなりありましたし、なによりCBTは慢性疼痛に関してエビデンスが高いですよね。運動療法+患者教育が重要と言われていると思います。

患者の障害によって自然に生じる「非機能的な行動様式」に対抗するように患者に求めるのが行動療療法の最も基本的な形ということみたいです。
うつ状態や不安など、そうした感情を同定し、それらに耐えられるようになることを勧めながら、同時にそうした不適応的なパターンを解消するような行動(活動することや、避けてきたこと)勧める、といった具合です。結構抽象的ですが。。

患者さんの症状に介入するにあたっては、何には効果があり、何には効果がないのかを患者さん自身が知ることが重要のようです。症状を定期的にモニタリングすることで、患者は症状が改善したことをリアルタイムに把握することができます。
その際、患者さんの努力に応じて症状が改善していることに、患者さんの注意を向けさせることが重要です。
なんていうか、この段落は重要な文章を詰めました。。
これらのこと、できてない場面って意外とありませんか?
少なくとも自分は、できたりできなかったりなんです。
きちんと効果があること、自分主体でよくなることに意識を向けてもらうことが大事なんですね。

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治療の効果が何によって生まれたと考えるかは再発の可能性に対しては重要な意味を持ちます。
CBTで改善したと考え、継続する患者に比べ、薬物で改善したと考える患者は再発しやすいらしいです。
患者さん自身の取り組みでよくなったと認識してもらい、自信を深めてもらいたいですね。自己効力感の話は後程しますが、この辺と密接になっている印象です。

治療的な活動においては、患者に自らの問題のパターンを認識してもらい、そのパターンを変化させることを学んでもらうことが重要です。
どこかで聞いたことあるような言葉ですが、患者自身が自分の治療の専門家になっていくという点が重要なんです。自己治療を進めていく形は(個人的には)おススメです。自分が勉強しているSD療法でもこのことには言及されていました。
短期間で治療を終えることは目標ではないんです。
患者が自らのセラピストとなり、自ら治療を行えるようになることが目標なんですね。
セラピストが行っていた治療を患者自らが行えるようになればOKのようです。

・慢性疼痛における認知行動療法の効果

CBTは疼痛の改善、心理的要因の改善、QOLの改善、背外側前頭前野の賦活から下降性疼痛抑制系の活性化に繋がることなどが示されています。
難しい言葉が並びますが、やっぱり有用なんです。。

具体的なCBTのテクニックをみていきましょう。

・認知再構成(cognitive restructuring)

認知再構成は、「強いストレスを感じた場面において瞬間的に頭をよぎる自動思考に注目し、歪みを明らかにすることで適応的な思考へと気づきを与える基本的な技法」のことです。
認知再構成のステップは、患者自身がネガティブな自動思考に気付き、自動思考を支持する根拠と、支持しない反証を見つけ出し、自動思考の修正へと繋げていきます。
ストレス状況に対する気分と自動思考を記入し、その自動思考の根拠に基づいて考えていくことです
そして、歪んでいる自動思考は誤っているかもしれない事実を書き出し、それに応じて適応的な思考を繰り広げていきます
適応的な思考に修正し気分が変化していれば成功です
他の技法と併せることでさらに効果を発揮する可能性があるようです。

・痛みの対処方略(pain coping skill training)

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