見出し画像

大内転筋の機能解剖から膝痛を解く~内転筋管の構成、言えますか?~ 改訂2版(4794文字)

割引あり

普段何気なく膝OAの患者さんの治療にあたっている人、なんとなく内側ラインリリース、なんとなくセッティング、なんとなくヒップリフト、そして効果があるようなないような。。。。もしそんな人がいたら読んでほしいnoteです!なぜならそれは入職してすぐの自分の臨床だからです。
特に内転筋区画は解剖も運動学も結構いい加減なまま卒業しており、先輩からのアドバイスでなんとなくやってしまっていました。
程なくオンラインで学ぶようになってからというもの、臨床における解剖学の重要性を感じ、今に至るというわけです。そのため、このnoteの内容はある意味臨床家の常識が詰まったものだともいえます。新人が一から学んで書いたものだからです。



(4.12 追記しました!運動療法に活かせる解剖学を書き足したのでぜひチェックしてください!今後も追記していく予定です)


☆この記事を読むと:
・大内転筋の機能解剖がおさらいできる
・伏在神経について走行や支配領域がわかる
・膝関節の動的安定性のメカニズムがわかる
・も臨床との関連について触れることができる

とくに新人の方や学生の方は、これから非常に多く出会う膝疾患の方と対峙するのに、前提となる知識を詰めているので結構使えるんじゃないかと自分では思っています。自分が学生なら買う内容にしました。値段もしっかり安いです。

それでは内容にはいっていきましょう!

まずは動画からどうぞ!




〇内転筋区画についてどのくらい知ってますか?

・内転筋区画で最も浅い層にある筋肉
・最も深層にある筋肉
・最も大きな筋肉
読者の皆さんは即答できますか?


大腿の内転筋区画には薄筋、恥骨筋、長内転筋、短内転筋、大内転筋、外閉鎖筋があります。最も浅い層に薄筋が存在し、深層には大内転筋があります。実習生に質問して聞いてみましょう。笑
外閉鎖筋が内転筋区画に含まれているのは知らなかったんですよね。でも起始部の方の筋肉をはがしていくと外閉鎖筋がみえます。
 で、話は戻ります。大内転筋の停止は恥骨下肢、坐骨枝~坐骨結節まで伸びる線から起こり、停止は大腿骨粗線内側唇の近位端~内転筋結節まで及ぶとされています。
従来は大内転筋は坐骨結節から起こりほぼ垂直に下行し内転筋結節に付着するハムストリングス部と、それ以外の内転筋部とにわけれれていましたが、近年は近位外側から遠位内側にかけて4部位に分けられるとの報告もあるようです。

(写真は前方から見た大内転筋です。少し上の奥にこっそり外閉鎖筋がうつっています。これだけの血管や神経と併走しているのを考えると、むやみやたらにグリグリできないですね。)

画像1

〇筋機能の特徴について

大内転筋は全体として股関節を強力に内転させる働きを有しています。
また、股関節内転筋群のうち最も大きな筋とされています。
大腿骨が固定された場合は骨盤を下方に引き、対側骨盤が下制します。
追加)この大腿骨に対しての寛骨の動き、エクササイズを考える上でかなーり大事と思います!

プロメテウスでは、股関節の内転、外旋、伸展、また、前額面と矢状面における骨盤の安定に関与するとされています。
臨床上、片脚立位で遊脚側の骨盤が下がってくる場合は、支持側の外転筋の出力の低下をまず考えたくなりますが、筋肉のインバランス的には内転筋群がタイトネスとか諸々機能不全を起こしている場合が多いような印象です。また、このような場合は、支持側骨盤が後方回旋位となり(だいたい片脚立位で評価したときに判断します)股関節後面の筋群が伸張位となって出力が低下しやすい環境となります。ただ殿筋を鍛えるのではなく、内転筋のことも頭に入れて評価、治療する必要を日々感じます。
追加(2022.8.25):骨盤の動きは3平面で捉えるべきと強く感じます。後方に回旋している場合、殿筋群の出力が低下して安定しない、というのはあるかもしれません。また、前方回旋していればよいかといえば、そうでもありません。先のフォースカップルで働くことを考えると内転筋群(内旋作用)と殿筋群(外旋作用)とどちらかはさぼっているケースが多いのではと思います。
・お尻を鍛えないと安定しない!という思考は一旦捨てる
・水平面を考えたときにフォースカップルのどちらを促通するのか
・短縮硬化で出力↑のところは抑制、伸長弱化しているところは促通というのは基本のアプローチ

〇大内転筋は筋性部と腱性部に分かれている

ここから先は

3,144字 / 1画像
この記事のみ ¥ 200〜

この記事が参加している募集

私のイチオシ

よろしければサポートをお願いします! しっかり投稿に還元していきます!