【49限目】初めての漢字学習/一年生の国語授業
2021.3.4
漢字の学習が始まる
一年生になって、ひらがな・カタカナを学習し、1学期の終わりころから漢字の学習が始まります。
初めて漢字の学習に入る時、いつも話すことがあります。
「漢字は日本で作られたのではなく、大昔に中国で作られた文字です。文字の始まりは、漢字が出来るもっと前に、人が絵で物を表していました。山という漢字は山の形からできました。木という漢字は木の形からできました。川、口、目という漢字もかわ、くち、めの形からできました。また、木という漢字を2つならべて林、3つにして森というように新しい文字を作ることもありました。絵を描くよりも少しずつ形を変えて、だんだん書きやすくして、今の漢字になり、日本に伝わりました。」
と、いう話をします。漢字から、ひらがな・カタカナが日本で作られたこともはなします。
漢字を学習するとき、大切にしている事は、なりたちについて学習し、なりたちの面白さを知ることで、漢字の学習が楽しくなるきっかけになればと思っています。
「あ」の字の指導【47限目】でも書きましたが、書き順だけを教えるのではなく。漢字のなりたちや意味を知り、身のまわりの漢字から興味を持つことを大切にします。
ひらがな・カタカナは、1つの文字には意味がありませんが、漢字は、山だとやまが頭にうかびますし、川もそうです。漢字には、それぞれの意味があり、その面白さを話し、分かりやすく指導します。
最初に出てくる漢字
教科書の最初に出てくるのが、一 ~ 十までの数の漢字です。数え歌になっているものもあります。
色々な数え方の漢字を学習することで、漢字にはいくつかの読み方があることを知り、リズムよく楽しい雰囲気で音読をし、黒板に一画ずつ丁寧に筆順を説明し気を付ける所を指導します。そして空書きをして筆順を覚えます。
数の漢字を理解すると、数の漢字を使った文を子どもたちが考え、発表します。
・うさぎのみみは二つ。あしは四ほん。
・バッタのあしは六ぽん。
・じどうしゃが五だい。
・おりがみが七まい。
・ともだちが八にん。 など
その文を黒板に書いて、みんなで声を合わせて一緒に読みます。助数詞が数えるものによって違うので、その使い方もその時々に指導します。
書写の時間と漢字
昨年は、一年生の書写も担当していましたので、担任の先生と指導ポイント・授業展開など意思統一をして、同じ方向で行いました。
書写の時間は、書写シートに書いて練習し、清書しますが、字の形や筆順の他に姿勢や鉛筆の持ち方にも気をつけて一人ひとりていねいに見て回ります。
指導をするときに使った本
私は、漢字学習指導の時に、偕成社から出ている『唱えて覚える 漢字の本 小学一年生』を使って、子どもたちと、となえながら書きます。
五だと、よこぼうに、たてぼうななめで、かぎ、よこぼうと、となえながら、五と、描きます。そして、一緒にとなえながら空書きをします。子どもたちが面白がって喜んで学習しますのでお勧めです。
漢字は、全教科の理解を高める基軸であり、豊かな情操を育む基礎になります
初めて学習する漢字が、一 ~ 十です。一年生は80字。6年生までの6年間で1026字を学習するスタートの字です。
① 文字の理解(漢字の読み書き)
② 文字の理解から文章へ(文章の読み書き)
漢字の学習が、読書に親しみ、文章の内容を理解し、本の世界を想像し、あじわって、自分の世界を広げ、それが人生を豊かにするものであってほしいと思います。
【編集担当より】
当たり前の話ですが、いま使っている言葉や文字は、幼い頃からの積み重ねで使えるようになっているんだなと記事を読んで思いました。小学校の頃に、やたら難しい漢字を書けるのが面白かったような記憶があります。
新しい知識を得る喜びを、いつまでも持っていたいものだと思います。どんなことも楽しんで理解していくことが大事でしょうか。
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