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#017 経理を雇いたがらない社長の話

社長は人によって考え方が様々あります。今回は経理の

必要性を感じない社長のお話をしたいと思います。


会社経営をすると人材は『人財』だなんて言ったりする人

や経営コンサルタントがいますが、その割に財務諸表を見

ると『人財』が「資産」ではなく「費用」の欄にキッチリ

と入っています(笑)。

財務諸表の「資産」に入れてしまうとどの様に他科目との

バランスや資産価値の考え方が人により全く変わってしま

うので、数字にしづらいのでしょう。仕方がないかもしれ

ませんが。

横道に逸れましたね。


本題に戻ります。経理を雇いたくない社長は、大体におい

て【経理社員を雇う】=【人件費が余計にかかる】という

図式が成立するのだと思います。その場合、ムダにお金が

なくなっていく、という発想になり、それなら全員営業ス

タッフだけにした方が売上が上がり最も生産効率が良い、

という結論に達するのだと思います。


そういった社長の傾向として、税理士事務所との顧問契約

すらも基本嫌がります。社長が経理業務の全てを担うなら

まだしもそれすらも放棄したりします。そして法人決算や

確定申告時期になって仲の良い社長に「誰か決算できる人

いない?」などと相談したりします。


で、大抵どこかしらの税理士事務所にお願いする事になる

のですが、申告期限ギリギリのタイミングであろうが、顧

問料から話がスタートし、値切ります。


昔の税理士事務所であれば結構記帳もしてくれたりしまし

たが、最近の税理士さんで記帳をしてくれる所はかなり減

りました。

やってくれる税理士さんは、愛想が良いか経営が厳しいか

といったところでしょうか。そういった税理士さんは経営

アドバイスといったものはほぼしません。税理士業務は

正しい税務判断に基づき税務申告をする事が基本業務です

からそれで誤りはないのです。

それでも今の時代は求められる事が増えています。

本当は税理士さんだって記帳行為は会社がするべき事です

し、ムダに業務量が増えるのでやりたくないのです。

それでも社長は基本ゴリ押しです。

その年はとりあえずお願いできたとしてもその後の顧問契

約継続は税理士側の方がかなり嫌がります。


それに経営していれば月々の支払や入金などお金の管理は

必要なはずです。割と経験上そういった社長は金銭管理の

ずさんな方が多いようです。支払督促を簡単に捉えていた

り、電話代等督促状との二重支払も多く、取引先の支払の

場合だったらどうなってしまうのだろうと傍目にヒヤヒヤ

ものです。


経営がうまくいっている社長に就いた時に覚えているの

は、その社長が言うには「金の支払だけは絶対に遅らせる

な」という事を信条にされていました。やはり、そうする

事により取引先との信用を掴む事ができるという商売の基

本をしっかりと実践されているのです。


お金に対する姿勢が経営にも反映してくる事を如実に感じ

たものです。


そんな雇いたがらない社長でも経理を雇う場合がありま

す。基本はアルバイトで雇いなるべく時給も最低賃金の

ラインを好みます。そういった人を雇うのですから当然

経理の知識についてはあまり明るくありません。基本与え

られた支払を銀行で決済するとか、小口現金の管理程度、

余った時間は雑務です。

税理士との顧問契約がある場合は、税理士がその人に経理

作業を教えるといった形になります。財務諸表を見るとい

った発想はほぼ無い方がほとんどでしょう。


とりあえず、税理士には経営盤石化を図る事より「税金払

いたくない」「私腹を肥やす方法」「経費で何でも落とせ

ないか」といった事が知りたい情報になり、しつこく確認

します。なんなら強引に経費にしてもらい利益額を減らし

ていくので正確な財務諸表が解らなくなり経営指標もブレ

まくります。

こうして先を見越した経営ができなくなるため、資金難に

陥りやすくなります。


これは、こうした社長の全てが該当しているという事では

ありませんが割とこういうケースに陥りやすいという一つ

事例です。


こうした気持ちで経営していない社長でも資金繰りの良く

ない社長はお金の向き合い方に問題があるので、私が資金

繰りの悪い会社にご縁があって入った時にもどこから手を

つけて良いか分からない状態になっているケースが結構あ

ったものです。

私が資金繰りを改善に向かわせた事でその社長は経理を

置く事の大切さを初めて知ったようでした。


全ては社長の考え方です。経理が必要か必要でないか。

経理にお金払うくらいなら自分でやる、という方もいるで

しょうが、一つの考え方としてこういう経過を辿るケース

があるという事を認識してもらえればと思い取り上げて

みました。

とは言え、そういった社長に限って「ウチはそんな事には

ならない‼︎」と自信を持っている方が多いのですが…。


何だか揶揄・口撃している文体になってしまいましたが、

私が正しいと誇張したいのではなく、経営危機を一社でも

減ることを願い、こういう書き方をしている事をご了承

ください。敵意はありません。

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