引退ブログ 橋本龍之介
ブログを書くことがとても苦手で、大学生活は常にブログの期限から逃げてきたような感覚です。まずは苦手意識を無くすところから、と思って今年の1月からアメブロで週に一回程度自分の生活を投稿したりしてみました。けどまあそりゃ読み手が1人も知らない相手であろうブログと、部員の過半数が見てる引退ブログとは勝手が違うわけで、逆に今余計な緊張をしてる気がします。
4年漕手の橋本龍之介です。
引退ブログです。とはいってもまだ最後のレースまで1か月以上あるので、シーズン目標の決算は出来ず。桃鉄みたいにこの3年間を折れ線グラフで表してくれるのならば、きっと僕のカヌー生活は上がったり下がったりを繰り返してると思います。上を向いた状態で決算を迎えたいです。
これを読んでる人の中にはきっとまだカヌー部門に入部してない人もいると思うし、カヌー部門にいるもののなんで自分がここにいるのかよくわかってない人も全然いると思うので、そういった人向けにこのブログを書きます。自分もそういう時期がすごい長かったので。テーマをあえて作るなら、「なぜカヌーを漕ぐのか」です。
結論から言うと、カヌーを漕ぐことは非常に無意味なことだと思います。正確には、無理にカヌーという行為に意味を見出してはいけない、というのが僕の答えです。
最近就活をかじってみると、やたらとキャリアプランとか将来のビジョンとかそういう類の言葉を聞くので、じゃあこの4年間が間違いなく自分を成長させてくれるかといったらそんなことはありません。もし将来のことを本気で考えているのであれば、留学とか長期インターンとか資格の勉強とかした方が絶対自分の将来に直結します。
大学生活で友達増やしてたくさん遊びたいなら、テニスサークルとかが良いです。僕の友達でゴスペルサークルに入ってる奴がいるんですけど、めちゃくちゃ楽しそうだったのでゴスペルとかもおすすめです。
大学生活何したらいいかわかんない、どうしても何か打ち込みたいものが欲しいって人がいるなら、メダルゲームがおすすめです。あんなに時を忘れて夢中になれるものないと思うので。
カヌー部門で週6回カヌーを漕ぐことでしか得られない能力なんて一つもありません。
この3年ちょっとで僕が身につけた能力なんて、音無しアラームで起きる能力(とはいえ起きれない日も全然ある)と、トースターでちょうどよく餅を膨らませる能力だけです。
意味を見出そうとすると、途端に僕たちの4年間は破綻するようにすら感じます。多分部員もみな気づいていると思います。俺ら、カヌー速くなったとこでマジで将来に関係ないなって。
ではなぜ大学生活をカヌーに捧げるのか。きっとその答えは、仲間とカヌーを漕ぐことがただ本当に楽しいからだと思います。浅いように聞こえるかもしれませんが、これが僕なりに3年間悩みに悩んで出した答えです。
大学の友達と会うと、意外と周りは将来のことを真剣に考えているんだなと感心します。こんな仕事がしたいから今資格取ってるんだ、とか。英語力をつけたいから1年留学に行くんだ、とか。すごいなって毎回思います。でも、そんな奴らを横目に僕たちは毎日カヌーのことばかり考えています。艇庫に帰っても、同期と漕ぎの話ばかりしています。多分、部員と一緒に朝日の中カヌーを漕ぐ時間が自分にとって何よりも大切で、最高に楽しい瞬間なんだと思います。
なんて素敵な時間なんだろう、と思います。
僕も5年後にはきっと何かしらの形で社会に出ていると思います。その時それが、家族のためなのか、社会のためなのか、未来の奥さんのためなのか、まだわかりませんが、きっと今みたいに100%自分のためではないと思います。こんなにも純粋に自分のために生きているのってこの4年間が最後かもしれないな、とも思います。
無意味で、無駄で、そして最高に素敵な時間だったと思います。
そして、これこそがまさに僕が今このチームで勝ちたいと思う理由です。正直、自分が一人でカヌーで結果を出したいと思うことは僕はないです。何かしらの競技で絶対結果を残すんだ!みたいな強い思いを持って艇庫の門を潜ったわけでもありません。僕が入部した理由なんて、チームの雰囲気と、大学の友達に早起き自慢ができるからくらいです。けど、今この仲間たちと絶対に勝ちたいという気持ちは自分の中に強くあります。インカレで負けて、けど楽しかったよねで終わるのはロマンがないです。負けたら僕の大切な思い出に靄がかかる気がします。だから勝って終わりたいです、絶対。自分が結果を出すことがチームの勝ちにつながる、「個人で戦うチーム競技」本当に面白いスポーツだと思います。
この仲間たちと出会えたこと、この競技に出会えたことは僕の人生にとっての誇りです。せっかくこんな素敵な4年間だし、4年間の思い出をこの際写真とか見ながら振り返ってみようとも思ったのですが、やっぱりやめることにしました。この間夜寝れなくて星の王子さまを久しぶりに読んだのですが、主人公と王子さまがお別れするシーンでの王子さまの言葉が妙に自分の心に残るからです。
金色に輝く小麦を見ただけで、ぼくは君を思い出すようになる。
麦畑をわたっていく風の音まで、好きになる、、、
これから先、たくさんの新しい景色、音、夢に出会った時、きっとその度に僕はカヌー部門での思い出が蘇るはずです。
何か辛いことがあってふとチャーハンを口にした時、僕は大学1年生の冬にかほとサンレイチャのレタスチャーハンを食べながら部活の辛さを嘆いたあの夜を思い出します。
例えば今後好きな女の子と水族館にデートに行った時、小さな水槽に入った魚を見ると、僕は伊良波が川の魚をプロテインシェイカーに入れて持ってきたあの夏を思い出します。
イヤホンを洗濯してしまったとき、大切な時計を無くしてしまったとき、僕は間違いなく釜田さんを思い出してしまいます。
4年間の思い出を頑張って文字に起こして振り返ってみるのもきっと楽しいですが、これから先どんなタイミングで部員達との思い出が蘇るのかを楽しみに待ってみようと思います。濃すぎる4年間なので、きっと当分は思い出に困ることはないはずです。
とても良い大学生活でした、ありがとうございました。だからこそ、最後みんなでチーム目標を達成して終わりたい!インカレがんばるぞ、みんなで勝ちたい!
橋本