ターゲットが絞れずSNS投稿が止まるときは
「ターゲットが絞れず発信ができない」
「ペルソナの決め方がわからない」
立て続けにこんな相談を受けたので、私見を綴ってみたいと思います。
ペルソナの落とし穴
ペルソナとは、理想のお客様のこと。
年齢、名前、家族構成、居住時、趣味などを事細かに、あたかも実在の人物のように設定するのが特徴です。
確かに、顧客像が明確でわかりやすいかもしれません。
しかし、あくまで架空の人物。
たとえばペルソナの南野翼さんに向けて、駅に広告を出すとします。
彼は横浜市港北区から東京都渋谷区に通勤していることを考えると、埼玉の大宮駅や千代田区の東京駅に広告を出しても、見てもらえる確率は低い。
しかし実際の顧客層は南野翼さん「みたいな人」なので、大宮駅や東京駅にも広告を出すでしょう。
そうすると、横浜在住とか渋谷在勤とか決める意味あるの?という話になります。
なにより最大のデメリットは、都合の良い人物をでっちあげてしまう可能性があること。
もちろん、大手企業が莫大な費用をかけてマーケティングをしたうえで決めたペルソナなら、意味があると思います。
しかし、ノウハウのない個人や企業が作成したペルソナは「そもそも、そんな人いる?」レベルの人物になるかもしれません。
実在しない人物に向かって発信を続けても、効果がないのは火を見るよりも明らかです。
たとえるなら、自分の理想を詰め込んだ結婚相手をペルソナに設定して婚活をするようなもの。
婚活中の40代後半の男性が、こんなペルソナを結婚相手として設定していたらどうでしょうか。
こんな女性が存在する可能性は、ツチノコより低いです。
毎日ヨガスタジオに通っても、この「ペルソナ」にはまず出会えません。
ヨガが上達しすぎて、ストリートファイターのダルシム並みにヨガファイヤーとかを使えるようになるかもしれませんが……。
これはかなり極端な例ですが、正確なペルソナを設定するのはかなり難易度が高いと私は考えています。
だからペルソナではなく、ターゲットを設定することをおすすめしています。
ターゲットは「欲求」をベースに決める
私が実践しているターゲット設定は、「○○したい/したくない」という、欲求ベースで絞ること。
私の場合、「自分の事業や商品をもっと知ってもらいたいけれど、強みや価値を言葉にできずに困っている人(企業)」をターゲットとして設定しています。
この12年間、コピーライターとしてあらゆる企業を取材してきましたが、どこもターゲット設定はこのくらいでした。
「紙やエクセルで情報を管理していて効率が悪いと思いつつ、どうやって効率化をしていいかわからない社員100人未満の企業」
「家に不具合があるものの大がかりなリフォームをするほどではなく、どこに頼んでいいかわからず不便を感じながらもそのまま生活している人」
のようなイメージです。
なお、ペルソナを答えた企業はゼロです。
ターゲット設定に困ったら、「○○したいけれど、××な理由で達成できていない人(企業)」と考えることをおすすめします。
もし思い浮かばなかったら、実際のお客様にインタビューをしてみてはいかがでしょうか。
依頼前は何に困っていて、何が理由で自力で解決できなかったのか、なぜ自分に依頼したことで解決したのか。
こんなことを聞くと、ヒントが得られるはずです。
ターゲットなんて、発信しながら決めればいい
ターゲットが明確にならないと発信できない気持ちはわかりますが、そこで止まっていたら何も進みません。
「仮に」でいいのでターゲットを決め、発信することをおすすめします。
迷走したとしても、「迷」っても「走」っている限りは、今と違うところに辿り着けます。
私も最初は「仮に」女性起業家をターゲットにして発信していました。
理由は簡単。自分に近しいから書きやすかっただけです。
しかし蓋を開けてみると、問い合わせてくれて商談が成立するのは、男性の経営者がほとんど。
「こういう人たちにニーズがあるんだ」と気づいて方向転換し、今では「挑戦する社長の文章参謀」というサブ肩書きをつけるまでになりました。
もし「ターゲットが決まらない」と悩み続けていたら、今も何もしていなかったと思います。
勝手にターゲットが決まる発信術
「でも、ターゲットが決まらないと発信できない!」
こんなときは、ノウハウに自分の経験を混ぜて発信することをおすすめします。
一般論的なノウハウはあふれかえっているので、「自分の経験を混ぜて」がポイントです。
この発信に惹かれる人は、あなたのノウハウや経験を必要としている人。
つまり、お客様になりえる人。
つまり、ターゲットです。
実は、ノウハウ+自分の経験を発信することで、自分のスキルや経験を必要とする人が自然と寄ってきてくれ、「結果的に」ターゲットが決まることもあるのです。
私も仕事がない時期にとにかくブログを書きまくったおかげで、ターゲットがかなり明確になりました。
数年前に書いた記事から今でも流入・問い合わせがあり、合計100万円近い売上を生み出した記事もあります。
そんな記事を、どうやって書けばいいのでしょうか。
実はこの記事は、この手法に基づいて書いています。
ターゲットの決め方というよくあるノウハウを、自分の経験談や視点を交えて解説しているだけです。
こんな発信をネット上に置いておくと、予想だにしなかった人や企業から連絡が来て、仕事になることも少なくありません。
ターゲット設定にこだわりすぎず、「仮に」発信を始めることをおすすめします。
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