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【仕事観】コミュニティがもたらす「ナナメの関係」のメリット


ここ最近私の中で気になるテーマは、「持続的な学び」と「キャリア形成」。
そして、それらを「コミュニティ」という場を使って促進できないかなぁ..なんて考えています。

これらのテーマが気になったのは、お仕事で働き方のお悩み相談をしている中で、自分の人生の「軸」を持つ重要性について改めて考えさせられたからかもしれません。

学生さんと話す機会が増えたからかもしれません。


「学び」や「キャリア教育」について、私はこれまでアカデミックに学んできたわけでもなく…且つ、学生の頃に積極的に学生団体や学校内の取り組みに参加するようなタイプでもなかったので、あまり体系的なところはわからない(気がする。)

ここ2か月ほど前から、学生のキャリア支援をしている団体に所属して、活動に参加させてもらいながらいろいろ実践的に学ばせてもらっています。
(大学生にキャリア支援についてレクチャーしてもらうという中々不思議な状況だったりw)


「学び」や「キャリア」に関して、
もちろん何が正解かとかそういう話ではありません。

自分の人生は(学びもキャリアも含め)自分の選択と覚悟でしかないと思っていますし…。
ただ、やっぱり選択肢をたくさん知っているほうが、幅が広がるなぁ..とも一方で思います。 

そして、その選択肢の幅を広げるきっかけになれるのが「ナナメの関係」なんじゃないかなと。


先日、子供の「ナナメの関係」に関する興味深いレポートを見つけました。 下記、子供時代における「ナナメの関係」のメリットだそうです。

①対人関係スキルが身につく
②責任感や助け合いの姿勢が身につく
③ものごとに挑戦する姿勢が身につく

≪引用≫
この調査によれば、子どもの社会性に関わるその他の要因(家庭の社会経済状況や子どもの健康状態など)の影響を考慮した場合にも、きょうだいが一人もしくは二人いる子どもは、いない子どもに比べて対人関係スキルや自制心の得点が高く、問題行動の得点が低いという結果であった。さらに、きょうだいの形態の中でも、1、2歳年下のきょうだいがいる子どもほど自制心が高く、問題行動が低いこともわかった。きょうだいがいれば、いくら仲が良くても、下の子の上の子へのライバル心や、上の子が下の子に対する親の接し方をうらやましがるなどからケンカは起こるものである。こうしたケンカが起こり、それを解消していく経験が、家庭外の仲間と起こすいざこざの良きリハーサルの場となり、対人関係スキルを磨いていくと主張する研究者は多い(Brody, 1998など)。また、上の子が自制心が高く問題行動が低いのは、下の子が生まれ、親から兄・姉らしくするように求められることによると考えられる。子どもによっては、寂しさから一時的に「赤ちゃん返り」や「チック」などの状態を見せることがあるが(菅原・中野, 1998)、親との関係を調整するために親の子育てを手伝ったり、下の子の面倒をみることを通じて、上の子としての自覚を育んでいくのである。
模型作りをしている7歳の子どもが、自分の年上のきょうだいとその友人(7歳の子にとっては異年齢の友人)の両方から同時に作り方を教わった場合、どちらの話を良く聞くか比較した実験がある(Azmitia & Hesser, 1993)。その結果、7歳の子どもはきょうだいのやることを観察し、真似て、助言を求めることがより多く、年上のきょうだいの方が友人よりも7歳の子どもの求めにうまく応じていた。この実験で示されるように、きょうだいと異年齢の仲間関係では、コミュニケーションのスムーズさや関係性の深さという点で差がある。しかし、社会性の発達を促すという観点からすれば、異年齢の仲間関係にもきょうだい関係と同じような利点が見出されている。例えば、幼児期に異年齢集団のなかで過ごしている年上の子どもには、年下の子が何かしようとするのを手助けしたり、決まり事を教える行動が自然と見られ、年下の子の面倒を見る責任感が育まれていく。それと同時に、面倒を見た年下の子どもに喜ばれ、周囲の大人に褒められることで自分に自信をもてるようにもなる(仲野・後藤, 2002)。一方、年下の子どもは、年上の子どもに薦められサポートがある状況では、少し複雑で難しそうな遊びや作業にも取り組むことができ、ものごとに挑戦する姿勢が身についていくと考えられる。異年齢の仲間関係の利点は、小学生を対象にした調査(McClellan & Kinsey,1999)からも認められており、低学年齢期に異年齢集団で過ごした子どもの方が、同年齢集団で過ごした子どもに比べて向社会的な行動が高く、攻撃的な行動が少なかった。また、異年齢集団は、同学年とはうまく関われない子どもにとっても適しているという報告がある(坪井・山口, 2005;Katz, Demetra, Jeanette, 1990)。幼児期には、上の学年の子が下の学年の子であればスムーズに関われるケースが見られるが、その理由のひとつは、誕生月の違いによる発達の進み具合の差であると考えられる。異年齢集団であれば、それぞれの子どもの発達状況に適した仲間を見つけることができ、学年の垣根を越えたヨコとタテの関係から多くを学ぶことができるといえよう。

上記は子供の「ナナメの関係」に関する調査内容ですが、大人の「ナナメの関係」についても状況を少し置き換えて考えてみました。

大人にとっての「ナナメの関係」って、上司でもない部下でもない、そして家族でもない…社外のコミュニティやサークルなんかの仲間が近いのでは?
...という仮説設定をして「ナナメの関係」によるメリットを社外コミュニティにおけるシーンで考えてみます。


①対人関係スキルが身につく
社外のコミュニティに参加すると、当たり前だけど相手は自分の事を知らない。

例えば社内で初めましての人だと…
自分:「○○部署の(名前)です。」
相手:「あ~○○部長のところね。(きっと○○業務を担当しているんだろう)」
ということがある程度想定できて、必要に応じて繋がりができるかと思いますが、
社外で初めましての人だと…
自分:「(名前)です。○○をしていて、○○に興味があって、こんなことをしています。このコミュニティに参加したきっかけは〇〇…」と、自分を語らなければ知ってもらえません。というか興味を持って貰えず、次の関係に繋がりません。

こうやって自分のことを話す場数が増えれば増えるほど、相手に自分の考えを相手に伝えるスキルが上がるので、大人にとっても対人関係スキルへの影響があるといえそうです。


②責任感や助け合いの姿勢が身につく
社外コミュニティだと直接的な利害関係になることが少ない。(仕事の取引などと違い、直接金銭が絡む関係性にはなりにくい)それゆえに活動を継続するのにはひとりひとりの活動のコミットメントや信頼構築が重要だったりします。
つまり、そのコミュニティへの参加意思、継続意思が高ければ高いほど、自然と責任感や助け合いの姿勢が身につくといえそうです。


③ものごとに挑戦する姿勢が身につく
社外コミュニティに集まる方は個人でそこに所属することを選択して(意思を持って)活動に参加している方がほとんどです。
そのため、非常に挑戦に関して前向きな方が多い。そして、そんな方が周りにたくさんいると、自分も知らないうちに影響を受けています。
コミュニティに所属すると周りに感化され、結果としてものごとに挑戦する姿勢が身につくといえそうです。


まとめ
「持続的な学び」や「キャリア形成」について「ナナメの関係」は新たな気づきや価値観を与える良いきっかけになると思います。
また、会社でもない家族でもない場所で、自分のプラスになる「ナナメの関係」を如何に実現できるかが重要となりそうです。

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