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足の治療院で学んだこと

昨年10月末、私は突然足が使えなくなってしまいました。ウォーキングはもちろんできないし、立っているだけで数十分程度で痛みだす状態に。そこから約半年、痛みの原因を知り、脚全体の疲れを取り、歩くのに必要な筋肉を付けるためのトレーニングや脚が疲れたときのマッサージとストレッチなどを足の治療院で教えていただき、日々トレーニングとケアを続けてきました。

学んだことの覚え書きとして、また、いつか必要になったときに自分でケアと筋トレができるよう、文字にして残しておくことにしました。痛みが出ないからとケアを怠ってしまったり、あるいは正しいやり方から外れた運動をしてしまったり、いつの間にかまた元に戻ってしまうのだけは避けたく、トレーニングとケアを続けつつ時折読み返すことにします。

なお、私の足は、物心ついたころから外反母趾でしたが、歩き方の問題とは知らず特段気にもしていませんでした。大人になり、ある時その原因が運動不足からくる足の退化だということを知ってから、歩行を含めできるだけ足を使うように自己流で運動してきました。

たくさん歩くと母趾(親指の付け根)が痛くなるのが日常で、修正できるとは思っていませんでしたが、今回の件で大きく考えが変わりました。痛みだけでなく、体の使い方を変えるということ、使ったら疲労を取る必要があるということなど、多くの気づきを得ることができました。

目次

私が体験した足底筋膜炎

2020年10月29日「左足の不調・・・」翌30日「5km37分10秒」翌31日「散歩40分」といったメモ書きをした頃から、朝起きて始めの一歩で足裏に痛みが走るというのが続き、11月4日の「腰痛で歩き」以後、足裏の痛みがひどくキッチンに立っていられなくなる。同7日、ぎりぎり歩ける状態で整体へ行きテーピングを巻いてもらう。ここで両足のふくらはぎの疲労を指摘されるが、正常な、疲れていない状態との違いが自分では分かっていない。自宅にて、とにかく触るだけで痛い筋肉をほぐし、ほぐし、ほぐし、ほぐしまくる(そして手はあかぎれ)。数週間かけて少しずつ痛みが軽減し、立てるようになり、歩ける時間が長くなっていく。立ち仕事をしたらすぐほぐす、歩いたらすぐほぐすを繰り返す。そのうち時間さえあれば散歩するまでに。

足の治療院での指摘

テーピングに行った整体のような外反母趾専門の治療院で治療を続けることも選択肢としてはあったけれど、治したいのは外反母趾ではなく足底筋膜炎であり、ゆくゆくはランニングを再開できるようになりたかったので、歩き方や走り方とそのトレーニングを教えてくれる「足の治療院」に通うことにする。(「足の治療院」については記事末尾)

初めての「足の治療院」で、先生からの指摘は「とにかくお尻の筋肉と体幹を鍛える必要がある」とのこと。本来ならお尻の筋肉を使い、体幹でブレずに歩くはずのところ、私の場合どちらも足りていないので弱いところに痛みが出る。必要なのはお尻筋と体幹のトレーニング。

そして人から教わり気付いたのは、つま先の方向を間違っていたこと。踵からお尻までの脚の後ろ側のストレッチを教わるとき、つま先をまっすぐ前にと言われて、初めて間違っていたことを知った。踵と人差し指を結んだラインの先がつま先。膝を曲げたとき、膝がつま先ラインから少しでも内側に入ると外反母趾が助長されてしまう。つま先をまっすぐ前に自然と保つようになっていないと単なる膝の曲げ伸ばしで外反母趾になる。

自然と正しい状態が保たれるには、そのための筋肉が柔らかくなっている必要がある。つま先と膝を正しく動かさないと、ふくらはぎのストレッチやスクワットの効果がない。筋トレで大切なのは、鍛えたい筋肉をちゃんと使っているかをよく意識してトレーニングすること。

もう一つの指摘が、私の足には土踏まずがほとんどなく、着地の衝撃を和らげるばねが全然ないということ。「アーチがないと足部の過回内が起こり、外反母趾の負担が増えたり土踏まずを過剰につぶしやすく間違った歩き方になりやすいですよ」とのこと。それでこのばねの役割を担ってくれるインソールをシューズに入れることにした。インソールだけを床に置き、その上に立つだけでも、安定感が増すのが実感できる。インソール入りのシューズの履き始めは土踏まずが押し上げられる感覚があったけれど、それが気持ちよく、続けて慣らし歩きをするうちに心地よくなってくる。ランニングを再開してしばらくしたら全然違和感がなくなってきた。

そして通院しながら、体幹とお尻筋を正しく鍛えるトレーニングを教わる。使っていなかった筋肉を使い始めたことによる「疲れ」もほぐしてもらいながら。

腹式呼吸(体幹のインナーマッスル)

立っているだけで腰が痛いことがある。私のこの「反り腰」からくる腰痛の原因はお腹の筋肉のなさ。これを鍛えるには、仰向けに寝て背中を床に押し付ける。次の動作の間ずっと背中が浮かないように意識してお腹に力を入れる(初めのうちはお腹を手で押してその力に対抗する)。動作:単純に腹式呼吸する。両足のかかとを台等に載せる(膝と膝はこぶし一つ分開ける、運動中広がらないように)。両手をまっすぐ上、天井へ向ける。息を吸いながら片腕を頭上へ、吐きながら真上へ戻す(ずっと背中はつけたまま)。もう一方の腕で同様に。足の下の台を外し同じように膝を曲げた状態に保つ(膝と膝をこぶし一つ分開ける、曲げたままの方の膝は真上から動かさない)。息を吸いながら片脚を伸ばす。伸ばす際、膝すぐ上の筋肉を意識し足首から先が天井を向いた状態にし、かかとが床にぎりぎりつかないところまで伸ばす。吐きながら膝をもとに戻す(ずっと背中はつけたまま)。もう一方の足で同様に。慣れてきたら右腕と左脚、左腕と右脚のペアで腹式呼吸しながらお腹の筋肉を鍛える。

はじめは腹式呼吸もスムーズにできないほどだったけど、やり終わってから立った時の痛みの軽減には感動するほど。だんだんと頭を使わず自然とできるようになり、腕と脚をペアで動かしながらのトレーニング(デッドバグ)ができるようになってきた。

脚を伸ばすとき、膝すぐ上の筋肉を意識して足首から先が天井を向くようにするという動作は、最初、足首を曲げようとしてしまい脛(すね)がつってしまった。「前スネがつるのは相当足が力んでいますよ。足首は適度にリラックスです!」とのこと。膝すぐ上の筋肉の動きを体に覚えさせるためには、普通に椅子に腰かけて90度に曲げた状態の膝を、膝すぐ上の筋肉を意識して膝を伸ばしついでに足首が天井を向く、という練習を行う。筋トレというより筋肉を使えるようにする意識改革のトレーニング。

お尻筋のトレーニング

以下のトレーニングは、腹式呼吸をやるとき同様「お腹に力を入れる(骨盤をブレさせない)」「お尻を締める」ことを意識して行う。

トレーニング①シェル(お尻のインナーマッスル)

横を向いて寝そべり、腰はまっすぐ、背中のラインとお尻と足首が一直線になるよう両膝を曲げる。骨盤が動かないよう上側の手全体で骨盤をつかむ。肘は天井を向ける。お腹に力を入れ(反り腰にせず)、お尻を締め、片膝をゆっくり持ち上げる。足首は動かさない(力を抜く)。開くだけ開いたらゆっくり閉じる(膝をゆっくり下すことで下すときもお尻筋を使う)。左右とも行う。片側20回x3セット、できるようになったら片側30回x2セット、ゆくゆくは片側30回x3セット。

トレーニング②アブダクション

横を向いて足を伸ばして寝そべる。上側の足だけを一歩分後ろへ引く。この状態で、骨盤が動かないよう上側の手全体で骨盤をつかみ(肘は天井を向け)お腹に力を入れ(反り腰にせず)、お尻を締めて、上側の足を上げる。上げるのは足首から。つま先はただついてくるという感じ。ゆっくり下す。お尻筋を使っていることを意識する。左右とも行う。片側20回x1セット。

トレーニング③ヒップレイズ

仰向けに寝て膝を立てる。足首と両膝の間をこぶし一つ分開け、この膝の位置は動かさないことを意識する(膝が倒れるとお尻筋が正しく鍛えられない)。この状態をキープしてお尻を浮かす(ダブルヒップレイズ)。これができたら、片側の膝を胸に引き寄せ膝を腕で抑え、反対側のお尻筋を使ってお尻を浮かす(シングルヒップレイズ)。左右とも行う。片側20回x1セット。
股関節が硬いと両側同じ量だけ曲げられないことがある。その場合は、寝て膝を立てた状態で硬い股関節部分に手を当ててほぐす。または、手を固定し膝の方をゆっくり左右に揺らす。

トレーニング④つま先立ち(下腿三頭筋)

つかまるものがあるところに立ち(マットの上が理想)、つま先(人差し指の方向)を正面に向ける。両足の踵を上げ、ゆっくり、ゆっくり、下す。最後まで降ろさなくてよい。20回。

つかまるものがあるところに立ち(マットの上が理想)、つま先(人差し指の方向)を正面に向ける。つかまって倒れないようにしながら椅子に座る要領で膝を曲げる(膝は前に出さない、スクワットと同じ)。膝を曲げたまま両足の踵を上げ、ゆっくり、ゆっくり、下す(椅子に座って踵を上げ下げするのと同じでお尻の高さは変わらないことに注意)。最後まで降ろさなくてよい。20回。

トレーニング⑤スクワット

脚を肩幅よりやや広めに開く(足先はやや外側を向けてよい、膝の出る方向とつま先の方向は同じ)。背中が反ったり骨盤が丸くならないこと(腹式呼吸によるお腹筋トレで鍛える)。腕は前で組む(スクワット中、頭や腕は垂直移動のみで、前に倒れないこと)。股関節がまっすぐ伸びていることを確認してから、椅子に座る要領で(太ももの裏側の筋肉を使い)腰をゆっくり下ろす。息を吸って股関節を曲げ、吐きながら立ち上がる。腰を下ろした時の体勢は、足首から膝までと、お尻から肩までのラインが平行。要領が得られない場合は実際に椅子を置いて、太もも裏を使って座る要領と立ち上がる要領を体得する。

注意点は、まっすぐ立った状態から始め、立ち上がりも最後までまっすぐ立ち上がること。実際、ウォーキング中に、この「股関節を真っすぐ伸ばす」動作ができると自然と大股歩きができているように感じる。

トレーニング⑥プランク(体幹トレーニング)

体幹を保つ筋肉やお尻筋が使えないとほかの部位を使ってしまい効果がなかったので、腹式呼吸やシェルで力をつけてから再度挑戦した。

腕立て伏せの体勢を取る。手をつく位置は肩の真下。肩から足首までまっすぐの坂道になっていることを確認(お尻が上がらないこと、お腹に力を入れ背中をへこまさないこと)。肩の間が落ち込まないこと。この状態を20秒キープ。これが安定しない場合は体幹が足りないので、いずれ膝などが故障する。

今度は肘を曲げて、同様に腕立て伏せの体勢を取る。肘をつく位置は肩の真下。維持する注意点は先ほどと同じ。20秒キープ。

できるようになったら体幹に力を入れ片側の腕を前方へ伸ばす。腕を浮かした時も体幹をふらつかせてはいけない。左右とも行う。片側5回x2セット。

ストレッチ①ふくらはぎ(上と下)

壁に向かって立ち、つま先(人差し指の方向)を正面に向ける。両腕を壁について、片足を膝を伸ばしたまま真後ろへ引く。腕で壁を押しふくらはぎが伸びているのを感じながら最低20秒キープ(左右とも)。

同様に壁に向かって立ち(つま先は正面)、片足を膝を軽く曲げて真後ろへ引き、腕で壁を押しふくらはぎの下の方が伸びているのを感じながら最低20秒キープ(左右とも)。注意は、角度により股関節が伸びることがあるので、後ろへ引く距離を調節してふくらはぎが伸びるようにすること。

ストレッチ②ランジ(股関節のストレッチ)

立った状態から片足を後ろへ引いて股関節を伸ばす。骨盤はまっすぐ。ふらつくときは膝をついてもよい。片側最低20秒は伸ばす。20秒~60秒キープ。

ストレッチ③お尻筋(腰かけて、寝て)

椅子に腰かけ、曲げた膝の上に逆側の足首を載せ、背中を前方へ倒して(腰を曲げない)、お尻筋を伸ばす。両側とも行う。片側最低20秒は伸ばす。

あるいは、寝た姿勢で一方の膝を持ち上げ、逆側の足をこの曲げた膝の上に載せる。曲げた方の膝を腕で引っ張り、お尻筋を伸ばす。足を軽く組むか深く組むかで伸びる箇所が変わるので、よく伸びていることを確認しながら行う。両側とも行う。

このほか、鳩のポーズというのもお尻筋ストレッチできる。

ストレッチ⑤肩まわり

寝た状態の気を付けの姿勢から、片側の膝を曲げ逆側の膝の向こうの床につける。体勢下側の手でこの膝が浮かないように抑えながら、上側の腕を気を付けの位置から膝の上を通り、耳の脇を通り(ここから腕を伸ばし、視線は腕の先を見て)わきの下の筋肉を伸ばしながら頭上へ回す。両側とも行う。片側5回ずつ。

ストレッチ④内転筋群(膝内側の痛み軽減)

ランニングを再開してまもなく、ひざ内側に痛みが出てきた。内腿のストレッチ(内転筋群の静的ストレッチ)で内腿を伸ばしたら痛みが即軽減!走る前にやっておくのがよいみたい。

椅子などの脇に立ち、片足を膝を伸ばしたまま足首を台に載せる。立った足のつま先と台に載せた足のつま先は90度開く。上半身を台に載せた足の方へゆっくり倒し、太もも内側を伸ばす。両側とも行う。

マッサージとストレッチ

普通、筋肉は触っても痛くないはずが、極度に疲労すると触るだけで激痛。疲れ具合に合わせ、優しく手でもみほぐしたり、道具を使ってほぐしたり、マッサージ機の上に載せて同時にリラックス時間を持つようにする。

ストレッチはしっかり伸ばすことが重要なので、やり方がわかったら、ストレッチエクササイズ用アプリなどで、ストレッチの種類を読み上げ秒数カウントしてくれるものを使う。じっと20秒数えるのは意外にも結構長い。

ストレッチは特にマッサージをしてからの方が効果的ということなので、足を使って疲れたらまずマッサージ機の上に載せてリラックスして、そのあとにアプリでカウントしながらストレッチ。走った後など疲れたらその場その場でしっかり対処しておくことが大切。

トレーニングをやって気付いたこと

シェルのトレーニングを始めてから、ウォーキングでもランニングでもなく立ってちょこちょこ動いていただけなのにお尻筋が筋肉痛になった。

ランニングも回数が増えてくると股関節の筋肉が硬くなるのを経験した。股関節筋肉のマッサージ方法は仰向けに寝て膝を立て、股関節に手を当てて膝を左右に揺らす。直接手でコリをほぐしたり。凝っているとこれが痛気持ちいい。

スクワットが上手にできるようになってから、股関節を伸ばした時に逆側の足の付け根が前に出る(股関節の曲げ伸ばしで足が前に進む)のを実感。すると、ランニング後にお尻筋が半端なく疲れるという今までにない体験をして、ランニングが新たなステージに入った感覚があった。股関節が伸びるとき反対側の骨盤が前に出るのでそれが自然に逆側の足が前に出る動作になっている! これはすごい気づき。この動作を鍛えてさらに息が続くよう長距離走ることができれば、またランニングが楽しくなりそう。

最後に

大切なのは、自分以外の人に癖や動作を見てもらうことだと強く思いました。正しく歩こうという意識より、必要な筋肉をつけようという意識でコツコツやると自然と鍛えられていきます。

今回教えていただいた先生は、独立して新たに自分の医院を開院するそうです。インソールの交換や体の具合の点検など、これからも時々お世話になり、退化しないようにトレーニングとランニング続けていこうと思います。

ここに書いたトレーニングの方法は自分用の備忘録です。人それぞれ癖も症状も違うと思いますので、一度人に見てもらって必要なトレーニングを知り、また正しくできているか確認しながらやることが大切です。

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