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「働きたくない私」とのつき合い方

ときどき「働きたくない」感覚に襲われる。
といっても、毎日出社しなければいけないわけではないし、働いていない時間は日々けっこうあるわけで、なのに改めて「働きたくない」と思うことがある、というのは考えてみると面白い。

「働きたくない」気持ちはどこからくるのか

考えついでに、どんなときに「働きたくない」と思うのか、記憶をたどってみると、、、
人と交わりながら、多くの時間や気力を、仕事に注いでいる人」の本や記事や投稿などを読んだときが多い、かも。
面白いのは、同じものを目にしても、逆に「なるほど、これは参考になる」と思えるときもあること。

私は、書籍の企画・編集・執筆をメインの仕事にしている。
本を作るのは一人ではできないので(Kindle作家さんは別かもしれないが)、著者や、出版社の編集、イラストレーター、デザイナー、校正者など数名のプロジェクトを組んで本ができあがる。取材の過程で読者対象となる人たちの声を聞くための取材(マーケティング的な要素もある)をすることもある。

著者や編集者とは、場合によっては家族や親しい友人にも話さないような深い話をすることも、ときどきある。そんな、通常であれば歳月を経て分かり合う(あるいは踏み入れない)ようなかかわり方を短期間のうちにする。そういう仕事だ。

未知のことを聞き出し、理解し、編集し、文章にする、という作業は、面白い作業であると同時に、(私にとっては)かなりの労力を使う。
仕事は、魅力的だけど消耗する作業なのだ、私にとって(消耗度の低い人もたくさんいると思われる。すごいなぁ)。

だから、「働きたくない」は、正確にいうと、
「いまは、そこまでは、働きたくない」
という感じ。
これは同時に「でも、そこまで働けるのっていいよね」という共感もある。

かくいう私も若い頃は、同じ時期に転職入社した同僚(女性)が「ここの会社、忙しすぎじゃない?」と言ったときに、
「働いて経験がつめて、いまのところ大変っていうより面白いよ!(瞳キラキラ)」
なんて言って引かれたこともある(今だと「やりがい搾取」に溺れてるヒト認定の発言かしらん)。
彼女は教材系の出版社からの転職で、ジャンルの別はあれど一般読者を対象にした版元にいて、働き方をクールに俯瞰・比較できていたのだろう。
一方、私はというと、法令集や官公庁のまとめた年度版の白書を出すような、出版社というよりお役所の香りが強めの会社からの転職。一般書の企画も編集も経験はなかったが、気合とはったりで入社した。やりたかった仕事の現場に参加できて、高揚していたんだろうな。たぶん。

まだバブルの余韻で、終電後のタクシー代も出た時代。独身一人暮らしでうるさく言う(心配してくれるとも言う)親もいなければ、面倒見なきゃいけない子どももいないときだった。やりたかった本の仕事ができて、知らないことを知り、できなかったことができるようになる快感があった。
給料や福利厚生は(大きな出版社や大企業と比べなければ)、まぁまぁ。
勤め先の版元はその昔「不夜城」と呼ばれたそうで、残業や徹夜、休日出勤は編集者の勲章みたいな空気のある時代だった。
敬愛する先輩(アラサー女性)が会議室で椅子を3つつなげてベッド状にして寝ていた話とか、、、懐かしいなぁ。
仕事あがりに「1時間だけ行く?」なんて居酒屋に寄って、同僚と話すのは著者との取材話など仕事の話題がもっぱらで、面白かった。
そう、楽しかった。本当に。

なんというか、恋に似ているのかもしれない。
人に対する恋情というだけじゃなく、モノとかコトに対して抱く熱狂みたいな。

その後、子どもを産んで、仕事や自分のことだけに専念できなくなった時期も経験した。
その出版社で初の産休&育休×2子(長男次男)を取得した。
妊娠8か月で会社の鍵をかけてガレージを閉めて帰ったこともある。
そのときは、周囲が言うほど「大変」とは思ってなかった。でも、
「もうあんな風には働かなくていいかなぁ」
と、今は思う。
アラフィフになったから、というのもあるのかしら。
「期間限定だからできるんだよなぁ」と。

今でも、「この1カ月は」とか、「旅行に向けてこの〆切に間に合わせる」など「明確な期限を決めて」ならばできる(徹夜はムリだけど)。
それも、嫌々とかじゃなく、(辛いこともありつつも)面白がったり楽しんだりしながら。

ん? そう考えると、若い頃だって1年中仕事だけでよかったわけじゃないか。仕事以外に、旅行したり、テニスしたり、デートをしたりしていた(あと、疲れてひたすら何もしなかったり)。

そういえば、出版社勤めをしていたころ、1冊作るごとに知恵熱のようなものを出して休んでいた時期(特に初期)があったっけ。
そうだ、昔から体力はあまりなかったんだった、私。

気まぐれに働きたい

たぶん私は、自分の気力体力のなさを自覚している。
そして、「気分屋である自分」に寛容でありたいのだと思う。
やりたい、と思ったことにだけ動く自分でいいや、と甘やかしているのだ。

その代わり、最低限「気まぐれ」の手綱をとって、「まったく働かない」ことのないようにはしないようにしなきゃ、とは思っている。
毎日、毎月じゃなくていいから、本やその周辺の仕事はずっと続けていきたいな、と。
くすぶっていてるときはあっても火種は消さないように。

とにかく、「働きたくない」気持ちには、まずは、

「そっかー、働きたくないのね、今は」

と、その気持ちが存在することを自覚して認めてあげるようにしている。
焦燥感がないわけじゃないけれど、それで不安になったところで事態はあまりよくならない(どころか、心身がよろしくない状況にもなることもアラフィフのお年頃な時期にはよくある)。
「働きたくない」は、心身の充電のサイン、なんじゃないかな。
自分に甘い私は、そう考える。

心身の滋養が足りていないと、パワフルでキラキラな人を見るとそのパワーにやられちゃうのだろう。「SNSでリア充な投稿をみて気持ちがダウンしちゃう」という声を聞くけれど、同じ理由でしょう。

仕事に向かえないときの対処法

「働きたくない」ときの対処法は、

①雑務・事務作業をする
仕事&家の事務仕事、お金関係の書類整理、気になっていた固定費の見直し、帳簿づけなど、比較的単純作業で、やっておくと後々ラクだったりお得になったりするものだとよい
②家事をする
掃除やゴミ捨て、軽い断捨離、保存食づくり(ジャム、ケーキ、チャーシュー作りとか)、体を動かして生産的なことができると、気分も上がる
③好きなことをする
(振替レッスンで)テニスをする、三線を弾く、映画に行く、図書館に行く、noteを書く
④ひたすらだらだら&休む
マンガ・娯楽小説を読む、動画やドラマを観る(など受け身でできるもの)、岩盤浴に行く、散歩する

これらを、そのときの気分に合わせてする(①~④の順は、心身のチャージ必要度が軽い順。たぶん)。

仕事をしない代わりに、存分に見たい動画を観たり、三線を弾いたり、テニスをしたり、好きな本や漫画を読んだり、noteに好きなことを書いたり、岩盤浴でほどけたりして(ん? なんか日々してることのような)、心身に滋養を与える。

そんなことをしているうちに、「こんな本があったらいいかも」などと本の企画を考えている自分が復活する(こともある)し、「こんな企画があるのだけれど、手伝ってくれない?」というありがたい申し出が舞い込んだりする(こともある)。

やらないほうがいいのは、昼間からベッドでゴロゴロしちゃうこと。
これをやると、夜眠れなくなって、昼間眠くなり、昼夜逆転、罪悪感、、、の悪循環に陥る。
だから、もしも、ベッドから出られないくらい心がダウンしたら(今のところないけれど)、医者へ行くと思う。

※もちろん、純粋に疲れているときは昼寝はするし、
体調が悪いときは早めに葛根湯&ビタミンCを摂取して休みます。

まぁ、「働かない」じゃ許されない事情にお尻を叩かれて動くことも、、、あるのだけれど(^^;


「働くのって楽しい♪」私、がした仕事が、
「働きたくない」私、を助けてくれる。
または、
「働きたくない」私、が心身に滋養をチャージして、
「働くのって楽しい♪」私、を生み出す。

そんなことを小さく大きく交互にしながら、私の日々は回ってるのだと思う。



ちなみに、今年の初めは体調が今一つで気力もそれに引きずられていたけれど、そのお陰で事務作業がはかどった。
仕事への気持ちが乗らないときは、単純作業の帳簿づけと確定申告準備、フリーランスのみなさんにはオススメかも。
(と販促。仕事してるわ、私)。

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