JAMPの試行錯誤⑥:組織人事戦略について

JAMPの試行錯誤⓪:はじめに」で書かせて頂いた通り、全6回の「JAMPの試行錯誤」では、ステークホルダーの皆さまとオープンな「試行錯誤」を行なわせて頂くため、JAMPプラットフォームのあり方や目指す方向について、私が現在考えていることを様々な切り口で共有させて頂きます。

今回の「JAMPの試行錯誤⑥」では、私たちJAMPが、所属プロフェッショナルの採用やその雇用のカタチ、評価・報酬、組織のありかた等について考えていること(そしてまだ考え始めてすらいないこと)について、お話させて頂きます。

所属プロフェッショナルについての基本的な考え方

JAMPの主要サービスのひとつは、FaaS(Financial Expertise as a Service)と私たちが呼んでいる高度金融専門性・機能であり、JAMPプラットフォームを利用する金融機関・事業者が不足する金融専門性を柔軟に提供することにより、その事業立上げや運営をスムーズに行うことを支援することを目的としています。

そのため、この金融専門性・機能のクオリティがサービスの付加価値を決定する最も重要なものであり、当然ながら採用する専門人材の専門性を始めとするクオリティには徹底して拘らなければなりません。

一方、例えば足もとの首都圏におけるコンプライアンスやAML/CFT対応等のような高度専門人材はそもそも多くの金融機関・事業者も採用できずにいるほど絶対数が少ない専門性であり、当社のような創業間もないスタートアップ企業では更に採用が困難であることは言うまでもありません。

規模や資金力、知名度で劣後し、ビジョン・ミッションを始めとする組織資産しか誇れるもののないスタートアップ企業が、付加価値を提供するために必要不可欠な高クオリティの専門人材を採用するために何をすべきか。

私たちJAMPの結論は、敢えて最も高クオリティかつ経験豊かなシニア専門人材にフォーカスした採用活動を行なうという人事戦略です。

経験豊かなシニア専門人材を中心に高付加価値を提供

様々な新しい金融サービスが目まぐるしいスピードで開発・提供されつつある最近でも、金融機能の本質的な創造・提供の場面においては、金融理論や情報に基づく本質的な付加価値こそが根幹にあり、その部分に専門性を持つ人材があらゆる金融サービス・ビジネスの鍵を握っています。

このような本質的な理論・情報を血肉とするには現在の情報化社会においてもやはり長年の経験が必要であり、豊かな経験を積んだシニア専門人材こそがより大きな付加価値を提供できるというのが私たちの考えです。

しかし、日本の金融業界の不思議なこととして、特に大手金融機関において、業界や社会全体としては希少な専門性として重要視されるべきこのシニア専門人材が、「役職定年」等の組織のバランスを重視する不思議な制度によって、その専門性と関係ない事務作業に従事させられるなどの「無駄遣い」をされていることが珍しくありません。

そのようなシニア専門人材は、その専門性がまだ業界・社会の様々な分野で必要とされていることは言うまでもなく、これまでの長い経験から業界慣行等への問題意識も強く、より良い金融サービス・ビジネスに対する高いモチベーションを持っている傾向があることも特徴として挙げられます。

私たちは、最も高い専門性を持ち、より大きな付加価値提供が期待できるシニア専門人材に敢えてフォーカスし、現在のJAMPが唯一持つ戦略資産、つまりビジョン・ミッション・バリューを始めとする組織資産をアピールすることで、高クオリティの専門人材の確保を行なうという戦略を採っています。

人事戦略について考えなければならないこと

これらシニア専門人材を中心とする所属プロフェッショナルとの雇用のカタチについては、正社員は当然として、本人が希望すればパートタイムの業務委託や個人会社との企業間業務委託契約に基づく就業なども柔軟に受け入れる方針です。

これから先、世の中全体として働きかたが多様化していくなか、優秀な人材を確保するためには可能な限り柔軟な就業形態を用意するという人事戦略が必要であることに加え、JAMPプラットフォームが金融専門人材にとって魅力的な就業プラットフォームでもあるために、そのような方針で運営していきたいと考えています。

一方、このような基本的考えはあれども、実際の人事制度運営や評価・報酬体系の構築・運営はまだこれからの課題であり、正直なところその検討にも着手できていません。

JAMPという会社及びJAMPプラットフォームというサービスの付加価値の源泉であり、今後当社が成長していく過程で速やかに整備しなければならないという問題意識を持っています。

組織のありかたについて(これもまだ考えられてないこと)

また、JAMP組織のカタチについても、検討にも着手できていないというのが正直なところです。

金融機関・事業者へのサービス提供案件やソリューション開発・提供に柔軟かつスピーディに対応すべく、案件ごとにプロジェクトチームを構築するというフラットな組織を基本としつつ、所属プロフェッショナルの柔軟な就業や積極的な事業計画立案・遂行等のためのコーポレート部門の強化も同時に目指すというのが当面の方針です。

但し、これから想定通りにJAMPが大きくなっていくなかで所属プロフェッショナルの数も増加していった場合、どのように効率的かつスピーディな組織を運営できるのか、複数の事業体が並立するなかでどのように安定的かつ効率的な横ぐしのコーポレート部門を構築・運営できるのかなど、考えなければならないことはたくさんあります。

こと組織人事戦略については、代表である私自身が十分な知識や経験を有していない分野であることもあり、これからJAMP組織が大きくなっていくなかで走りながら考えるというやり方にならざるを得ないところがあります。

その分野の専門人材を採用する等の対応も行なっていきますが、ステークホルダーの皆さまのご助言やご批判も頂きながら、ひとつひとつ確りと進めてまいりたいと考えています。

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