務川慧悟

ピア二ストの務川慧悟です。

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最近の記事

"ラフ3"ことラフマニノフのピアノ協奏曲第3番秘話と、忘れたくない想い

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    • 枯れた街

      初めてラヴェルのクープランの墓を、少しなりとも「あ、分かった」と思った瞬間のことを、今でも鮮明に覚えている。2013年の3月、おそらく平均からしたら比較的遅めであろう、僕にとっての人生初海外はパリだった。着いて初日だか2日目だか、忘れてしまったけれどその朝、やっぱり嬉しくって朝食前に散歩をすることにした。当時のiPhoneに入っていた、とにかくなんでもいいからフランス物を聴きながら、と思い、それがたまたまモニク・アースのクープランの墓だった。まだ季節は冬であったから、日は登っ

      • (閉じた部屋にて)

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        • 羨望のバルカローレ

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          身体性と思想性の連関について

          スポーツマンは馬鹿か、という問いがその昔自分の中に湧き起こった時期があって、そしてそれへの答えは「明らかに否。」であった。 中学時代に憧れた同級生、この人は凄いと感じていた同級生は多くいたが、その中には運動に優れた人が沢山いて、そしてその人たちはどうやら身体の動きが機敏であるに見合った分だけ頭の回転も機敏だったのだ。まったく、頭良いなぁと思っていた。学校の通信簿が良いかどうかにはここでは因らず。そもそも通信簿というのはこの世界の多元的な指針のうちのあくまで1つで、単次元座標

          身体性と思想性の連関について

          ファンへの手紙(逆ファンレター)と、2つのエチュード(ショパン/リスト)

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          飲み物から考察する「時間」

          飲み物に幾度となく魅せられてきた。 フランスへ来て直ぐの頃にワインに魅せられ、その翌年「お茶をする」という日本語のたおやかな響きに何故だか突如ハッとなり紅茶にハマった。それからまた一年が経ち、イタリアで何気なく飲んだカプチーノがあまりに美味しくてコーヒーに取り憑かれた。他にも日頃、ちょっとした時間に好んで飲む飲み物もある。炭酸水や白湯。 これら「人類の飲用する液体物たち」の何が一体そんなにも魅力的なのだろうと、チラと考えてみた時に、一つ浮かんだのは、溶け合っているから。飲

          飲み物から考察する「時間」

          ショパンのノクターン第13番と、『葉隠入門』

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          ショパンのノクターン第13番と、『葉隠入門』

          純粋に随筆的、または単にぐちゃぐちゃとしてしまっただけの独言

          「どうにかなる。どうにかなろうと一日一日を迎えてそのまま送っていって暮しているのであるが、それでも、なんとしても、どうにもならなくなってしまう場合があるーーー」 太宰治最初の短編集『晩年』に収められた小さな未完の一編『玩具』より、冒頭です。ところで一体全体こんなにもーーーなんという日本語で表現をしたらよいのかと迷いますけれどここでは敢えて"愛おしい"と言うことにしておきましょうーーーこんなにも愛おしい書き出しの文章が果たしてこれまでありましたでしょうか。僕よりも1歳若い26

          純粋に随筆的、または単にぐちゃぐちゃとしてしまっただけの独言

          ツルツルとガサガサについて

          しばらくいくつかの活動の中に埋没しており(でもほんとうはもっと、色々とできるべきなのだろうけれど)、純粋なエッセイというものから遠のいてしまっていた。原点に戻ろう。どうでもよいような事が、いつでも最も大切だ(つまりそれらは、決してどうでもよくなどないということだ!) 2ヶ月以上も前、世の中が今よりも更に特別なムードであったあの時期に下書きに書き残してはいたものの仕上げをサボってしまっていた文章が、なんだかありまして。そこで、重い腰を上げてどうにか以下に仕上げました。 ーー

          ツルツルとガサガサについて

          インヴェンション配信に寄せて:バッハ演奏に対する僕の基本的スタンス(※専門的内容を多く含みます)

          小学生の頃、様々な作曲家の作品を器用に仕上げられるような子供では決してなかったけれど、バッハの作品はどうにか比較的心地よく弾けた。そして何人かの大人の方たちに「バッハが得意ね」と時々言われてしまったこともあって、いやそれが実際に上手だったのかはさておき、でもバッハが好きなことは確かで、だからその頃に「好きな作曲家は?」と訊かれれば反射的にバッハと答えることに"決めてしま"った。その答えは今に至るまで変わっていないし、実際それは、心からの本心だった。まだその時は、バッハが実際は

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          J.S.バッハ : 15のインヴェンション

          購入後に全編(24:38)を視聴することができます。

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          J.S.バッハ : 15のインヴェンション

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          無題

          先日母方の祖母が亡くなった。言葉はいらない、けれど、1つだけ。死というのはひとつの朝だ。新たな始まりを信じ、死を恐れることなかれ。 動画はフォーレ。レクイエム Op.48より VI.Pie Jesu https://youtu.be/uzI-3gcjFAg

          悲しいこと1つ、ブラームス2つ(動画:今回はOp.118-1と2です)

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          悲しいこと1つ、ブラームス2つ(動画:今回はOp.118-1と2で…

          電子機器こわい

          電子機器が兎にも角にも苦手である(その関係の仕事の方、いたらごめんなさい)。しかし、この事実についてより正確に考えてみたところ、僕が電子機器を嫌い、というのではなくて、どうやら電子機器の側が僕のことを嫌いなのだろう、という結論に至った。 というこの表現に、僕と同じ"電子機器苦手界隈"の方々の中にはピンと来る方もいるかもしれない。どういうことか。 即ちこのようなことだ。友達と数人でカフェに行く。「あ、Wi-Fiがあるから繋いでみよう」という話になり皆で繋ぐ。皆繋がる、しかし

          電子機器こわい

          無機質を余儀なくされたこの日々において、(自分自身に)今一度言い聞かすべき、短き言葉 +オマケの動画

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