都市と農村をかきまぜると書いて「都農町」、高橋博之さんと関係人口を考える。
都農町は3回目の高橋博之さん。
今回は、「つの未来会議」のゲストとして。昨年、遊びに来てくれたとき、「つの未来会議」のポスターをみて、俺にもしゃべらせろ!といってきたことがきっかけで。
高橋さんが都農町を好きになった理由を聞くと、名前が「都」市と「農」村。高橋さんの会社、雨風太陽のビジョン「都市と地方をかきまぜる」が町の名前に凝縮されているからだと。ぼくも3年住んでてこの組み合わせは初めての気づき。
1.水車小屋と活動写真館
高橋さんのふるさと、花巻市といえば大谷翔平が世界的な有名人に。もう一人、世界的に有名なのが宮沢賢治。時代が変わっても色褪せません。
今回、高橋さんが話のテーマとして紹介したのは「セロ弾きのゴーシュ」
ぼくも子どものころに読んだ記憶がある誰でも知っている名著。ただ、この本と、まちづくりや関係人口を紐づけて考えたことはなかったので新鮮。
高橋さんは、いまの日本社会に足りないのは、水車小屋だと言います。
街の活動写真館に疲弊している人(=サラリーマン)はたくさんいるけど、帰るふるさとがなくて水車小屋に行けない。
”ふるさと難民””命の迷い子”とも表現していました。
活動写真館では、合理性を極限まで追求するので、どうしても機械化してくるため、人は代替可能となり人間性が磨耗していく。
一方、水車小屋は、人手不足で、若者は出ていくばかり。外国人を地域住民として迎え入ればければ維持できない状況。
2.手間と時間をかけて人間関係を
ポケットマルシェの出品者でくだもの農家の、菅野千秋さん(岩手県奥州市)は、資材や化学肥料、農薬など値段があがったため、1.4倍に値段をあげたそうです。
高橋さんは、菅野さんに、多くの生産者ができない値上げが、なぜ受け入れられたのか聞きにいかれたそうです。
菅野さんの回答は、正直に言ったということでしかありませんでした。
適正価格ってこういうことなのかもしれません。
日頃から、お客さんと関係性を育んでいたから受け入れられたのでしょう。
高橋さん曰く、「間」が大事
「先月も買ってくれてありがとう」と返信する手間や名前を覚える手間。
いまや供給過剰の中で、すべてが数値化されて、マーケティングされる時代。そんな中で、この人、私のことを覚えてくれていたと思ってもらえることの価値は大きい。
ぼくが2020年3月に都農町に移住してすぐ緊急事態宣言。生産者の販路確保が課題と聞いて、旧知の間柄であった高橋さんに相談し、ポケットマルシェを紹介しました。
その当時、都農町でポケットマルシェに登録していた生産者はいなかったところ、3年間で35人にまで増えました!
都農町でも少しずつ、都心の人たちと人間関係を育めているようです。
ポケットマルシェで金柑が人気の、金丸広和さんもその一人。
都農町の食を町外へ発信していくために必要なこととして、
もう一人、白ハピ農園の山下さん親子。自分が町の外に出てからはじめて都農町の食のおいしさを知ってUターンしたそうです。
若手生産者として、会議の最後には、町長から未来のバトンを!
3.生産消費者、プロシューマー
高橋さんの話に戻ります。
たしかに、自分に置き換えても、パーソナルな関係になると、家族や友人にもストーリーとして語りたくなるなと実感。
菅野さんは、ポケットマルシェで生産者が8,000人近くいる中で5位前後。
高橋さんは、どこでネット販売のコツを学んだんですかと聞いたそうです。
この新潟の人はお金をもらえるわけでもないので、高橋さんが言う水車小屋がほしい人なのでしょう。
いまは限界集落といえども家電製品はいきわたり車も2台あります。最後になにが必要かといえば、「生活の質を高める」こと以外にない、と高橋さん。
話に出てきた新潟の人はトフラーがいうところのプロシューマー。
4.都心の人に関わりしろをつくる
菅野さんは、自分たちだけでは、水車小屋をまもれないとわかったので都会の人たちに呼びかけた。これは都農町にも共通すること。
高橋さんからの最後のメッセージ
高橋さんから、ぼくが典型的な活動写真館にいた人と言われました 笑。
自覚あります。ぼくも間違いなく、都農町の人に魅せられ、都農町のためになることが自分のモチベーションです。
高橋さんからの最後の提言は、関わりしろをつくる仕掛け、種まき
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