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妄想から構想へ、地方のまちづくりでやりたいことの解像度をあげるために必要なこと。

「やりたいことってなんですか?」

都農町に移住してから、いままで以上に、自分にも他人にも問いかけることが増えました。

以前から「やりたいこと」はぼくにとって一番大事でした。
でも、東京で働いているときは、経営している会社の規模や競争もあって、「やるべきこと」「できること」の比重が高く埋もれがちでした。

いまは、スタッフ3人で競争もない(需要もない!)環境だからか、「やりたいこと」が浮き彫りに突きつけられる感じさえしてます。

「やりたいことってなんですか?」

って聞かれると、とりあえず条件反射的にそのとき頭の中をよぎった言葉を並べて濁しがち。

でも、その言葉は長続きした試しがないし、過去のノートをめくっても、「あ、こんなこと言ってたんだ」ということが多いもの。

「妄想」で終わってて、「構想」になってない感じ。

来年からあたらしい拠点や仕事もはじまるので、久しぶりに社員採用をがんばろうと思って、Wantedlyの内容を整理して書き換えたりしているうちに、あらためて「やりたいこと」が深まってきたので現時点の考えとしてまとめておきます。

1年後見返したときに違和感がないことを願って。。

1.Uターン起業家を増やしたい

いま現在のぼくがやりたいことは

「Uターン起業家を増やすこと」

起業家といっても、資金調達して上場目指す的なものではなく、月々暮らせるに必要な10万とか20万とか自分で稼げる「自営業」のイメージ。

要は、雇われずに生きていける人。

すでに社会に出ちゃってる人に「起業しません?」って聞いてもやるって確率は低いでしょう。

まだ社会に出る前の人たちに、「起業」「自営」という選択肢を知ってもらって、面白さと大変さを伝えるのは自然な流れでできます。

2.Uターンする人と起業する人が少ない

なぜやりたいのか?

都農町に移住して、マスタープランに掲載されているアンケート結果を見て意外だったのが、

生まれてからずっと都農町に住んでいる町民は25.8%
一番多いのはUターンで37.1%
ほぼ同じでIターンが36.6%

Uターンの多くは、高校や大学で町外に、就職で地元へのパターン。
就職先は役場か家業ぐらい。この先を考えると尻すぼみ感否めず。

都農町で起業している人は数えるばかり。
商店街で次々とシャッターがおりてく様をぼくもライブで見ているので、町内で商売はじめようと思えない感覚はわかります。

3.地方で活躍する人は移住者が多い?

メディア情報の限りですが、地方創生やまちづくり文脈で活躍していると伝えられる人たちは移住者が多い印象。

地元の人たちの活躍が、もっともっと露出含めて増えるべきと日々実感しています。

廃校寸前の学校を立て直す事例も増えてきてますが、教育移住者のがんばりが取り上げられがち。
地元の学生たちがあまり出てきてないのも気になるところ。

4.移住してもすぐ帰ってしまう

人ごとのように書いたけど、ぼくも移住者の一人。
そして、ぼくの会社もほぼ全員移住者。
5年間経営して、延べ10人近く採用して、残っているのは1人!

ぼくの経営者としての能力の低さもあるけれど、多くは結婚、出産などのライフステージや自らの起業のために都農町を離れていきました。

地域おこし協力隊の定着率も似たような課題。
3年1区切り的な。

もちろん、滞在時の活躍、貢献はあるのでそれ自体はいいのですが、投資という観点でいくと、もう少し、移住者よりUターンにフォーカスしたほうが定住確率の高さから言って、投資対効果はいいのではないでしょうか。

5.Uターンは地元の喜び方が違う

ぼくらの会社に入社するため移住してきたメンバーを地元の人に紹介してきましたが、いつもみなさん喜んで歓迎してくださいます。

ただし、過去に地元出身の社員を紹介したり、地元にUターンして起業した人を紹介したときの地元の人の喜び方は比べようにならないくらい大きかったです。

町外に出た地元出身者にもっと呼びかけて、一緒にあたらしい仕事や事業をつくりましょうよ!というアクションが増やせれば、自分の仕事でもっと地元に貢献できて、自分自身も楽しめるんじゃないかと実感してます。

6.「やるべき」「できる」が重なり構想に

都農町のような過疎地域や地方の小さな町では、どんどん若者がいなくなり、戻ってくるにも仕事がないため難しく、10年、20年後には高齢者ばかりになること必至です。

ぼくが役に立てるとしたら、これまでのまちづくりの実務や起業・経営経験を活かして、若い人たちと一緒に仕事や事業をつくるお手伝い。

改めて「やるべきこと」がくっきりしてきたなと思ってます。

ただ、町を出た人を追いかけるのは難しいですよね。。
現実的に、会社の安定性捨てれない、結婚することになった、家を買ってしまった、などなど。
仕事と経済性が不確かでパートナーを巻き込まざるを得ないUターンのハードルは高いです。

ぼくが「できること」は、まだ社会に出る前の、高校生、中学生、小学生に対して、まちを自分で変えられる体験や、自分で仕事を創ることの面白みややり方、かっこいい起業家の紹介。

いったん町外に出ても、いずれはUターンして起業するんだ!と心に決めていく学生が1人でも増えたら、将来Uターンする確率があがるのでは。

いまは100%Uターンでなくても、二地域居住や、髙橋博之さんが提唱しているふるさと住民登録など、選択肢は増えてくるはず。

いずれのかたちにも必要なのは、「自ら稼げる力」

まだ、まとまりきってませんが、漠然と思い始めた「Uターン起業家を増やす」が、自分の「やるべきこと」として整理され、「できること」として少しずつ小中学校での実績が増えてきた今、「妄想」から「構想」に向い始めている手応えを感じています。

とはいえ、まだ向かってるだけ。
さて、来年の今頃、構想として具現化していくのか、またまた妄想に逆戻りか。自分の迷走を楽しみながら、この場でご報告しますね。

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