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#小説
鏡越しの君 #6 ダブルパラレル(完結)
まるで、妻とお義母さんの生活を支えているATMみたいだ。もやもやとした気持ちを抱えたまま、なんとなく妻との距離が離れていった。
家に届いた請求書を見ると、またこんなに出費が増えてる。妻は休日も友達と遊びに出掛けて殆ど家にいない。
貯金もどんどんと減っていき、弁当は作ってくれなくなり、会話が減った。
お小遣いは増えず、弁当はコンビニで出来るだけ節約する。
最近、夜遅く帰ってくるようになったり、触
鏡越しの君#2 大事な物
次の日の朝、まるでいつも通りかのように起きて電車に乗り、会社についた。
身体は覚えていて悩むことはなく順調に会社に着いた。
いつもこんな満員電車に乗っているのかと我ながら感心する。
狐につままれた気分で恐る恐る社員証をかざすと、扉が開いた。
「よっ、田渕」
肩を掴まれて振り返ると、男の俺から控えめに言っても爽やかで格好いい男がいた。
「おはよう。矢本」
するりと名前が出てくる。
この奇妙な感