【小説】JK芹沢千絵理はかく語りき Op.4『ラ・ボエーム』②
(①はこちら)
世の中はクリスマスを1か月後に控え浮足立っていた。高校生ともなれば、当然異性のことが気になる時期だが、俺には関係ないとすっかり諦めていた。
この半年、まったくろくなことがなかった。芹沢千絵理の件をきっかけに俺はクラスのカースト最底辺へと落ちた。元カースト最上位の俺が陰キャに受け入れられるわけもない。また仮に受け入れられたとしても、俺自身のプライドが許さないだろう。
休み時間は机に突っ伏して、なるべく気配を消していた。遠くから聞こえる明美たちの笑い声が耳