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「いまを生きる」ことで不安から解放される(思考の奴隷♯3)

これまで2回ほど「思考の奴隷」について書いてみました。第三弾に入る前に簡単におさらいしてみます。

おさらい

なぜ、ウツウツとした気分が晴れないのか?不安、ウツウツの正体を考える中で「私たちは思考に振り回されているのではないか?」という一つの仮説に行きつきました。

私たちのアタマには、私たちが意識せずとも、インプットされた情報を整理したり、既存のアイディアと結びつけたりする「オートマティック機能」があります。このオートマ機能は大変便利なもので、意識的にアタマを回転させずともアイディアを深めることができる一方で、無意識のうちにネガティブな感情、アイディアが増幅していく可能性があり、いわば私たちは、無自覚のうちに、アタマのオートマ機能に支配されている、つまり思考の奴隷になっているのではないか?ということです。

そして第一段では、このオートマ機能から脱する(解脱する)方法の一つとして瞑想をあげてみました。第二弾では、瞑想などのオートマ機能から解脱する「奴隷解放」型アプローチではなく、オートマ機能をポジティブ方向に回転させる、つまり思考をコントロールする、奴隷から主人への「成り上がり」型のアプローチとして、ポジティブなことを考える習慣を取り入れることを紹介しました。

さて第三弾です。

信じるものは救われる?

まず、不安を取り除く方法として何があるか考えていたところ、「宗教」が思い浮かびました。宗教は、太古から存在し、人々の不安に寄り添ってきたものであることは間違いないと思います。では何故宗教は人々の不安に寄り添うことができたのでしょうか。

私自身、特定の信仰がありませんし(と少なくとも私は自覚しています)、また宗教についての見識もないため、断定的な言及は避けますが、「信仰」とは、そもそも思考の対象ではないのではないか?という仮説に至りました。そして、それゆえに「オートマ機能」にも影響されない絶対的なものと推測しています。ある種、最強のソリューションだと思います。

また宗教について調べているときに一つ面白い発見がありました。たびたび耳にする「福音」という言葉について、その由来、意味について調べていたのですが、福音の英訳として“gospel”の他に“good news”と出てきました。つまり「福音を授ける」というのは、「良い知らせを与え、ポジティブな思考パターンをつくる手助けをする」こととも言えないでしょうか。そう考えると、思考(オートマ機能)をコントロールするアプローチともいえますし、非常に肚落ちしました。

いまを生きる

ただ、今回お伝えしたかったのは「信仰を持て」という話ではありません。「目の前のこと、いまこの瞬間に集中する」というアプローチです。「目の前のことに集中していて、それ以外のことを考えられない。」という経験は誰しもがしたことがあると思います。私の場合、筋トレをしているとき、料理をしているときなど、それ以外のことを考えられなくなります。この状態を意識的につくるというアプローチです。

私にとっての筋トレ、料理など「集中せざるを得ないことをやること」も良いですが、今回は敢えて「集中しなくてもできる、目の前のことに集中する」ということをお勧めします。

歩いているとき、お風呂に入っているとき、ご飯を食べているときなど、日常的な「なんとなく」、「何気ない」の行動の際に、さまざまなことが頭をよぎるものです。特にマイナスな思考が働いているときには、この「なんとなく」の行動を、より主体的に、そして集中することで、自ら思考をコントロールすることができ、思考の奴隷として弄ばれなくなるのです。具体的に言えば、目の前のことに五感を働かせる習慣を身につけるということです

実際にやってみると、案外目の前のことに集中せず、なんとなくやっている行為、時間が多いことがわかると思います。「食事の際に、しっかり味わうなど食事に集中する」など、やり方はいくらでもありますので、試していただければと思いますが、個人的には、お風呂に入るときに聴覚に集中してみる、というのがお勧めします。想像以上に「無」になれます笑。

目の前のこと、今この瞬間に集中すること、言い換えれば「いまを生きる」ということです。過去のこと、未来のことを考えるから、不安になるとも言えます。また、目の前のこと、今この瞬間にフォーカスすることで、身の回りのの事柄、情報への感度が高まりますし、何気ないことからインプットできる量も増えるというオマケつきです。刹那的、享楽的な響きを持って使われがちなフレーズではありますが、「いまを生きる」、非常に重要な考え方だとおもいます。

ではでは。

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この「思考の奴隷」シリーズは、毎回新たな発見があり、私自身も書いていて楽しいですね。私の場合、特に外国人の部下を持つようになって以降、メンタル面の管理方法を勉強するようになりました。以下の過去記事も合わせてお読みください。


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