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文章力を上げよう#3(ビジネススキルとしての文書作成能力)

私は現在、上司、部下ともに中国人ということもあり、彼らが書いた日本語の文書を添削、指導することも仕事の一つになっています。私自身の好みもあると思いますが、似たような指摘、修正が多いことから、定期的にこれら指摘事項を整理してメンバーに伝えています。先日このメンバーに案内しているものに手を加え『わかりやすい文章』『説得力がある文章』という記事にしました。

ただ、これらがややテクニック的な話に偏りがちだったように感じており、今回改めて基本的な考え方からまとめたいと思っています。

また、なんだかんだ80日間、毎日平均2000字くらいのnoteを書き続けているうちに、筆が止まってしまったときの乗り越え方などもわかってきました。そのあたりも踏まえて書いていければと思います。

「何を言ったか」よりも「相手にどう伝わったか」が重要

なんだかんだ、これがコミュニケーションの基本だと思います。自分の意図とは異なった受け取り方をされ、苦労した経験がある人も多いと思います。特に日常会話ならまだしも、ビジネスなどにおいては、実害が発生することもあります。私自身、電話での話ですが「言った言わない」でトラブルになり、私個人が訴えられたこともあります(もちろん様々な背景があるなかでの話です)。

メッセージの受け取り方は、発信者と受信者の関係性、受信者が持つ経歴やバックグラウンド、語彙力などによって異なります。こういった中で、自分の意図を正確に伝えるためには、論理的、簡潔であることなど、いくつかのポイントを抑えることが必要です。

文章力を向上させるメリット

文章力の向上は、ミスコミュニケーションの防止に留まりません。より分かりやすい文章、説得力のある文書を書くことは、意思決定権者またはメンバーを動かし、組織の意思決定のスピードアップにも繋がります。また伝わりやすい、つまり論理的な文書を作成しているなかで、論理的に欠陥がある点や検証が不十分な点を見つけることもできます(それでは遅いことも多いですが…)。

発言機会が限られがちな人、人前でのアピール能力に自信がない人も文書を通じて、読み手、意思決定権者に印象を残すこともあります。深く考察を重ねたことがわかる文章、論理的に思考していることがわかる文章ってありますよね(「逆もまた然り」なんですが)。

さて、もう少し具体的に書いていきます。

1. 書く前の準備(why, who, what)

文章を書きなれている人、頭の中が理路整然と整理されている人以外は、書きはじめる前に準備をしましょう。これが成否を分けます。まず、3つの”W”、「why:この文章を書く理由」「who:読み手は誰か」「what:メインメッセージは何か」を明確にしましょう。ストーリー性のある、伝わる文章を作成するうえで最も大事なポイントです。というより、この点さえしっかり固まった時点で、80パーセント以上出来上がったも同然です。そのうえで、メインメッセージを支える根拠、実例を集めておきましょう。

2. タイトルだけで内容を把握できるようにする。

ブログ、note、YouTubeなど、読者を引き付けるために、敢えて内容を伏せるような場合(「一週間〇〇を飲み続けたら体重が5キロ落ちた!」など)はともかくとして、特にビジネス文書では、タイトルだけで内容が把握できるようにしましょう。

3. ストーリー展開を意識する。

読み手が知りたい内容、理解しやすい内容から順番に書いていくのが基本です。良く言われることですが、この時に「結論→理由」の順番で書いていきましょう。前回の記事の内容とも重複しますが、理由を書く際には「必要性」(例:商品Aは、B、Cと比較して優れた性能を有している)だけでなく、「許容性」(例:商品Aは費用面も問題ない)も書きましょう。

4. ワンセンテンス・ワンメッセージ

一つの文にメッセージを詰め込みすぎないようにしましょう。主語、述語をひとつずつ、つまり「単文」にすることが理想です。仮に複文にする場合、接続詞を活用しましょう。ワンセンテンス・ワンメッセージの方が書きやすいですし、読みやすくなります。箇条書きも積極的に活用しましょう。
ただし箇条書きをする際には、2つだと少なすぎますし、8個、9個もあると多すぎる印象があります。一般的に3~7項目くらいが適切だと思います。うまく文章にまとめられないときは、箇条書きでどんどん書きだしてみることをお勧めします。その上で、くっつけた方が良いか考えるようにすると筆が進みますよ!

5. ワンセンテンスを可能なかぎり短くする。

目安はワンセンテンス80字です。長くなると主語・述語の関係性、修飾語・被修飾語の関係が分かりにくくなるなど、意図が通じにくくなる恐れがあります。なお、内容はともかく、お手本と呼ばれることが多い、朝日新聞の「天声人語」はワンセンテンスあたり、平均すると30字程度です(明治の文豪が書いた文章は、ワンセンテンス100字超、150字を超えることもザラですし、現代でも法律文書は150字どころではないことも多いですが、これは時代、文書の特性による部分が大きいと思います)。

前編はここまでです。また明日以降、後編をアップしていきます。文書作成能力は、数あるビジネススキルの中でも重要なものの一つですが、その重要度のわりには、ある程度のレベルまではすぐに到達できます。この記事が、文書作成に苦手意識がある人にとって、少しでも参考になりますと幸いです。

文章力を上げることをテーマにした記事2本です。重複する内容もありますが、より実践的なテクニックをまとめています。あわせてご参照ください。

ではでは。

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