障害のパステルグラデーション

障害はパステルグラデーション【5分で読めます】

障害はある・なしではなく,
連続したグラデーションの様になっていると考えられています。

「グレーゾーン」という言葉もありますが,
障害がはっきりとある人を黒,
障害がまったくない人を白として,
その中間層にいる人たちをグレーとしています。
白,黒,グレーって,犯人みたいで嫌だなという
ご意見もたくさんありますね。

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私が作成したこの図にも,
障害が非常に濃い群と,
障害の色が薄い群を両極にしています。
それを私たちはどう呼んでいるか?
ということに着目して,人の様々な性格や特性を整理してみました。

障害のある人と,ない人の間には明確な線引きは難しい。
だれもが,この図のどこかにいる。

そんなことを考えるきっかけにしていただけたらと思い作成しました。

この図は,未完成です。
間違いもあるかもしれません。
前向きなアドバイスをいただければ幸いです。

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では,具体的に解説していきます。

自閉症スペクトラムは,
まさにスペクトラム(連続体)という捉え方ですが,
知的障害のある自閉症を濃いグループとして左下に置きました。
レオ・カナーさんが見つけたのでカナータイプとも呼ばれています。
知的障害が重い人たちの中には,
かなりの割合で自閉症の人がいるとも言われています。

知的にボーダーラインから上の自閉症スペクトラムのグループを
アスペルガータイプと呼びます。
診断基準が変わる前は,アスペルガー症候群と呼ばれていました。
ハンス・アスペルガーさんが発見し,ローナ・ウイングさんが,世に広めた呼び名です。

サバン症候群は,自閉症スペクトラムの特性を持ちつつ,
記憶や計算などの特定の知的能力が非常に高い人たちのグループです。

ここまでは,病院で診察を受ければ,診断名がつくであろう人たちです。
そして診断はつかなくても,自閉症スペクトラムとそうでない人たちとの間には,様々な人たちがいます。

この図でいうと,変人,天然,不思議ちゃん
「ひょっとして,あなた血液型B型ですか?」と言われちゃう人。
個性的なんて,結構いい表現ですよね。

オタクの人と,アスペルガータイプの人との違いを本田秀夫さんは,人とつながりたいかどうか?だと述べています。
オタクの人は,仲間と共に趣味を楽しむことができるけれど,アスペルガーの人は人間関係より趣味の世界を優先しがちです。

何かの専門家として働いている人も,
アスペルガーの要素あるある!っていうこと多いですよね?
天才くんも,社会性においては,苦手なことがあるのではないでしょうか?

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AD/HDは,診断の上で,投薬をすることがあります。
診断は難しいところですが,
AD/HDではない人たちとの間に,
お調子者,やんちゃ坊主,チョロ助,忘れっぽい,うっかりさん
などと呼ばれる人たちがつながっています。

活動的ってすごくいいですよね!
それが活動的すぎる,過活動になるとAD/HDに近づきます。

早生まれの幼児の多くがAD/HDと誤診されているというデータもあります。

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また,愛着障害はAD/HDのような状態を示すことがあります。
現在は脱抑制社会関係障害という診断名になっています。

コミュニケーション障害,いわゆるコミュ障といわれるグループは,
その原因が多岐に渡ります。

パーソナリティー障害をこの図に入れるのはどうかと思いましたが,
生育歴,親子関係の不全が原因の場合も多いとのことなので,
愛着障害に重ねてあります。

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定型発達症候群は,診断名ではありません。
これは障害のある人たちから見た健常者のことです。
特性としては,

・暇なときはなるべく誰かと一緒に過ごしたい。
・集団の輪を乱す人を許せない。
・社会の慣習にはまず従うべきだ。
・はっきりと本音を言うことが苦手。
・必要なら平気でウソをつける。

…まあ,こんな人たちです。
いわゆるフツーの人だって,どうなのよ?
障害者ばっかり,あれこれ特性とか言うけど,
自分たちだって,多数派なだけじゃん?
ということなのですね。

世の中の人数割りでいうと,
ざっっっっっっくり,こんな感じでしょうか。

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私は,右上に鎮座まします,完璧さんに会ったことはありません。
いても,お友達にはなりたくないなと思います。

いかがでしょう?

障害のある・なしは,こうしてつながっていて,
どれが障害?って分けられないものだなと思うのです。

治療には診断が必要です。
福祉サービスを受けるためには手帳や受給者証が必要です。
学校での在籍にも,判別が必要です。
それによりメリットがあることは,充分承知の上で,
それでも,障害には明確な線引きはできない,
人間は一人一人違うのだと言いたいのです。

人間は多様で,その多様性を認め合う教育・社会のあり方が
これからは求められます。

同じ空間で学ぶという学校では,
ユニバーサルデザインの指導が求められます。

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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