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講師ブートキャンプ(有名教育団体の講師養成)【37】脱サラ研修講師が語る 独立開業のリアル 綱を信じて、バンジージャンプ!

 講師ブートキャンプ 脱走者にならずに済んだ幸運

 2003年4月、私は、その教育団体の委嘱講師になりました。さて、新しい仕事の依頼が続々とくるのかと思いきや、そういうことはまったくありませんでした。
研修会社マネジメントフォワード社からは、例の大手通信会社以外の会社からの案件の依頼がありました。新入社員研修です。他にも営業研修、コンサルティングセールス研修の仕事もあります。大阪市創業支援センター「あきないえーど」の仕事もあります。コンサルに行っているウェストサクセス社さんとはこの月、さらに手厚いサポートの依頼を受けて、コンサルティング契約の見直しも行いました。確実に私は忙しくなっていました。

有名な教育団体と講師契約はしたものの…といった心境になりかけていたところに連絡がきました。それは仕事の依頼ではなく、お願いといいますか打診、講師養成トレーニングへの参加依頼でした。
「すぐに登壇はさせてくれないのか…」
私は当てが外れました。小ずるい考え方ですが、マネジメントフォワード社同様、教材を提供してくれて、登壇依頼をしてくれると思っていたのです。

実際は、そうは問屋が卸しません。「ここ(その教育団体)の講師を名乗るからには品質の担保」が必要との考えです。今の私ならよく分かりますが、その時の私は「ええっ、すぐにお金にならないのかいな!」だったのです。冷静に考えれば、同じ団体から派遣されてくる講師の質に大きな差がある、当たり外れがあるのはよくありません。大企業が大型の案件を依頼する場合、同じ研修を10本、20本と実施する場合があります。そういう場合にA講師とB講師、はたまたC講師の質があまりにも違っていると良くありません。依頼をするクライアントさんからすると、質のそろった良い講師が沢山いる、信頼できる団体であるからこその依頼なのです。

とはいうものの、明日をも食い詰める可能性にさらされていた当時の私としては、仕事の依頼がないのなら関わってはいられないというのが本音でした。とはいえ、お誘いに参加しないのもいけないと思い直し、5月からその養成トレーニングとやらに行くことにしました。救いは大阪から東京に行くのに、旅費と宿泊費が支給されたこと。これは助かりました。名刺も支給されましたが、いつかのように名刺代を払えと言われることはここでは、ありませんでした。全体としては、事態は悪くなってはいないように感じられました。このように思えたのは、とりあえず、何とか食えてはいけている状態にあることが大きかったのでした。

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