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2023年「スキ」をいただいた記事Best10で振返る私の仕事

今年も残すところあとちょっとですね。
1年の振返りとして、「スキ」をいただいた記事Best10を紹介していきたいと思います。

一番「スキ」をいただいたのはこちら。

「規律の中の自由」は、多くのリーダーが理想とするところだと思います。ここでいう規律は、ルールそのものというより、それを守ろうとする心の強さです。ただ、人間は弱い。では、何が心を強くするのか。それは、他者の存在です。

「反則しようと思ってするわけではない。熱くなっていたり、疲れていて動けなかったりしたときに反則になってしまう。でも、それでは仲間に迷惑をかけてしまう。そういうマインドですよ」

上記は、ラグビーをやっている知人が教えてくれた「規律」のつくり方です。今年学んだことの中でも一番といっても過言ではない一言でした。

つづいて、こちらにも一番「スキ」をいただきました。

やらなきゃクビになるから仕事するわけじゃないですよね。いや、そういう人もいるかもしれないけど、健全じゃないですよね。楽しくないです。

仕事を楽しいものにするのが、コンサルタントとしての私の使命の一つです。だから、いかにワクワクできる働きがいのある会社をつくるか、これを経営者やリーダーのみなさんと探求しています。

その根幹にあるのは、やはり、経営者やリーダーの思いです。

理念や戦略を与えることで、「やりたい」「できる」と思っていただくようにしなくてはなりません。自分たちにとってワクワクするし、できる方法を一緒に考える仲間がいたり、ときに「権威」ある人から、サポートがあることが大切なのです。

自分が実現したい夢をみんなの夢にできるような働きかけができているかどうか。ここが重要なところだと思います。

つづいてこちらですが、上記とも関連します。

みんなの夢にするというのは、「経営理念の浸透」と言い換えることもできます。ここで大切なのは、自分の夢や思いと向き合うことです。そして、自分という存在がこの世の中でどういう存在なのか、存在意義を考えることも大切です。

その際に一人ひとり違うという前提に立ってるかどうかです。違いを違いのまま、そこで生じる葛藤や混乱をあるがままに受け入れられるかどうか。その違いを味わう対話によって、「私たち」は進んでいけるのだと思います。

「経営理念が大切だ」ということを否定する人はいません。ただ一方で、浸透できている会社は、多くありません。「私たち」という主語で「お客さまから」何によって覚えられたいかを語る機会が足りていないからです。

「私たちは何によって憶えられたいか」はドラッカーの言葉です。今年は、会社で定期的にドラッカー勉強会をやっていました。個人的にも、" The Daily Drucker"を毎朝音読しています。


こちらもドラッカーの言葉から考えたことを書きました。

ドラッカーもこんまりさんも、「捨てる」ことを説いています。ふたりとも共通しているのは「未来のために捨てる」ということです。

日々をコツコツと過ごすことは大事なことです。でも、私たちが迎える日々はいつも新しいものです。昨日やっていたからという理由だけで、あたり前に仕事をしていたのでは「ときめかない」。

捨てるということを通じて内省し、私たちの未来にとって大切なことは何かを考える時間をもとう、というのが二人が言っていることのように思います。

…と、「未来」というキーワードが出てきたのですが、不思議なものですねえ…。次に多く「スキ」をいただいたのはこちらです。

そう、未来は予測するものではないですね。自分たちのアクションを紡いでいくだけです。だから長期的な事業構想が必要です。このとき大切なのは、やはり「思い」です。そして、実は過去の私たちの営みの中にその思いは「言葉」として残っています。そうした思いに立ち返りながら、自分たちにとってワクワクする未来はどんな姿かを語るのが長期事業構想です。

言葉は、いま目の前にないものについても、語ることができ、互いに分かち合うことのできる道具です。それは、過去のことであっても、未来のことであっても同じことです。

やはり対話が大切なんだよなあ…ここを軸にしてコンサルをやっていこう、と思いが年々深くなっています。

こちらもそんな内容ですね。

「時を告げるのではなく、時計をつくる」これは、ビジョナリーカンパニーの有名な一節です。なにげなく読み返していて、グッときたことを書いた文章です。「時計」はどう定義できるだろうかと考えたところ、以下の3つが大切だと思いました。

人と人とが相互作用しながら、一人ひとりが変容していく。そうした対話の場をつくることができるか。
また、そのことが前向きな方向に向かうようにリーダーシップを発揮することができるか。
そして、それらがお客さまの役に立つ商品・サービスとしてアウトプットされているか。
この3点が会社という時計づくりに必要な要素です。

さて、お次は…
今年も楽しく仕事をしてきたのですが、プライベートも頑張りました。

これを書いた時点では「サブ4」が目標でした。
…そして、11月のレースで3時間59分56秒とギリギリでしたが、4時間を切りサブ4ランナーになりました。目標やそれを達成するための指標であるKPIはやはり大切だと実感しています。

特に大切なのは、目標達成に向けてPDCAを回すことです。タイムを高めるために何を変えると良いのか、しっかりと分析し、変わるためには何をすれば良いのか仮説を立て、実際に実行して記録を取り、再び振返って分析する。

こう書いてみると当たり前のことですが、ビジネスの現場で、十分実践できてないことが多いと思います。コンサルタントとしてお客さまを支援する以上、自分が実践して結果を出していないとダメだよな、と思っているので、サブ4を達成できたのはとても嬉しいことでした。

そんなコンサルとしてのあり方について書いたのがこちら。

コンサル自身が、お客さまから学び、どうありたいのかに向きあって、変わっていく覚悟が必要なのだと思います。

コンサルタントとして、私が何をしているかといえば「変わること」のご支援です。私の場合、「技術的に何かができるようになる」ことは他の方にお任せして、「自分自身と向き合って、自分のあり方、価値観に前向きな変化を起こす」ことを自分の果たすべき使命だと考えています。

大げさに聞こえますが、つまり、アイデンティティの問題です。

結局のところ、戦略があっても実行しなければ結果は出ません。実行に必要な原動力はどこにあるのでしょうか。

事業が停滞していると感じたら、その原因は原動力の欠如にあります。
そして、私たちが前に進む力は、自分たちのなかにあります。誰のために、何のために会社があり、自分がいるのか。そうしたアイデンティティに向きあう対話が、経営を成功に導くカギとなります。

原動力は、やはり「何のため、誰のため」という使命感であり、自分がその存在であると感じるアイデンティティだと思います。

これからますます、「何によって憶えられたいか」が大事な時代になります。戦略はきっとAIがはじき出す。でも、何を選択するかの判断基準は私たちの価値観によるものです。そして、前に進むための原動力は、私たちの中にあります。

知的好奇心も、私たちだけが持つ原動力の一つです。

コンサルタントになったきっかけは、大学院で認知科学を学び、そこで恩師から「人は潜在的に互いを賢くしあう能力を持っている」ということを教えてもらったことです。そのような学習する組織を探求していきたいという思いがずっと根底にあってこの仕事を続けています。

その言葉に時に立ち返りながら今年も歩んできました。

「互いに賢くしあう」というと「支えあう」のように捉える方もいると思います。ただ、それだと「自己犠牲」のニュアンスも漂います。それでは、つづきません。一方「自己満足」でも良くない。理想は、「自分がやりたくて、得意なことで、誰かの役に立っている」状態です。それが、「自己中心的利他」です。

出典:『アオアシに学ぶ「考える葦」の育ち方』仲山進也(著)

これは、時にWill・Can・Mustでも表されますね。

この3つからなるサイクルは、原動力になりますよね。気持ちが充実するし、生きていること、活かされていることを感じることができます。

時に「自己中心的」だから、混乱や葛藤もあるでしょう。とはいえ、「みんな違う」という前提に立てば、それはあたり前のことです。だからそこに対話が生まれる。そして、その対話から私たちは学ぶ。ここでいう学びは相手からインプットを受けるということではありません。対話によって、弁証法的に新しい何かを生みだし、同時に自分自身の変容を感じることです。それを成長と呼ぶのだと思います。

そうした互いのアイデンティティが変容するような学習の機会を生む場として、会社を捉えていきたい。私は、お客さまからそれを学び続けています。そのような存在として憶えられたいです。

来年も、探求を深めていきます。
本年も、有難うございました。

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