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逆風下のコンビニ 結果の違いを生む要因は?

日経新聞より。こんなに差がつくものなのか、と驚くばかりですね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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記事によると、「自宅が生活の中心となる新常態に対応し、冷凍食品や生鮮食品をまとめ買いする需要を取り込めたかで差がついた。」とあります。具体的な対策としては、以下のように書かれています。

セブンは21年2月期は5000店強がレイアウトを見直した。イトーヨーカ堂などを抱えるグループの商品力も生きている。コンビニは1店舗あたり約3000点の商品がそろう。生活必需品が多く、利益率が高いプライベートブランド(PB)比率は、ローソンとファミリーマートの4割程度に対し、セブンは「約6割になる」と首都圏のオーナーは話す。

確かにセブンイレブン、レイアウトが変わったと思っていました。言われてみれば、冷凍食品や総菜のスペースが増えたお店が多いです。アルコール飲料の棚も広がったように思います。

記事を読んだ後で、ローソンにも行ってみました。ローソンも同様にプライベートブランド食品の棚が大きくスペースを占めるようになりました。ただ、好みの問題ですが、セブンイレブンの方がパッケージがよくできている印象です。商品の写真がパッケージ全面に大きく印刷されています。購買意欲が高まりますね。このあたりも「イトーヨーカ堂などを抱えるグループの商品力」でしょうか。

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一歩踏み込んだ紙一重の積み重ねが、大きな差を生んでいる

セブンイレブンでよく言われるのは、「店舗ごとに仮説を持って品揃えをする」という話です。OFCと言われるエリアの店舗指導員が中心となって本部の方針を軸に、各個店で品ぞろえを考えています。

そして、フェイストゥフェイスのコミュニケーションにこだわっています。OFCは、データだけでなく、現場で体感し、オーナーさんと対話をする。また、FC会議で他のOFCと意見交換することを創業以来続けています。

もともと日販で、他社と大きく差をつけていました。やはり、一歩踏み込んだ創意工夫の積み重ねが違うのだと思います。それがコロナ禍によって、地力の違いとして表れたというところでしょう。

素直な心であろうとすることがイノベーションを生む

ハード面だけ見れば、コンビニ各社の違いは分かりにくいです。違いを生むのは、ソフト面でしょう。セブンイレブンの強さは、日々創意工夫する仕組みです。コンビニは、1年365日、24時間営業しています。毎日を積み重ねていくわけですね。そして、その毎日は同じ毎日ではない。「日に新た」です。日々のオペレーションは、標準化されていても、同じ毎日はやってこない。毎日毎日、「もっとお客様に喜んでもらえるにはこうしたら良いのではないか」といった仮説検証の積み重ねが、変化に適応していく行動として表れているのです。

姿勢や考え方といったあり方は変わらずにこだわりつつ、やり方は、こだわらずに変えていく。これが本当の意味での「素直さ」です。

松下幸之助さんは、経営者に求められる根本は、「素直な心」であるとしています。

 素直な心になれば、物事の実相が見える。それにもとづいて、何をなすべきか、何をなさざるべきかということも分かってくる。なすべきを行い、なすべからざるを行わない真実の勇気もそこから湧いてくる。
 さらには、寛容の心、慈悲の心というものも生まれて、だから人も物もいっさいを生かすような経営ができてくる。また、どんな情勢の変化に対しても、柔軟に、融通無碍に順応同化し、日に新たな経営も生み出しやすい。
出典:「実践経営哲学」 ― 松下幸之助

まさに、素直であろうと日々を重ねてきた結果が、コロナ禍という情勢にあっても、柔軟に、融通無碍に順応同化し、日に新たな経営を生みだしているのでしょう。

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