用もないのに走る人々
図書館に行くと、返却されたばかりの本がワゴンに並んでいます。
書架に戻される前の仮置き場です。
ここを覗き込んで、借りて行く人も多いようです。
わたしも思わずここの本を手に取る確率高いです。
こちらの本も、そんな本でした。
栄養の基本がわかる図解事典
中村丁次監修
成美堂出版 2015年版
思えば、物心ついた頃から、料理の本を眺めるのが好きでした。昭和30年代、母が定期購読していた雑誌『栄養と料理』の料理の写真をいつも熱心に見ていました。
当時は、
ナスには栄養はない。筍やこんにゃくもそういわれていました。
栄養がないので、食感や彩りを楽しむだけのものと思っていましたが、
ナスには抗酸化作用のあるナスニンという栄養があり、
今では食物繊維は人間の体に欠かせないものとして認識されています。
お麩にはグルテンという小麦由来のタンパク質があり、ヘルシーなイメージでしたが、近頃グルテンは悪者扱いされることも多くなっています。
さて、前置きはこのくらいにして。
この本をざっと斜め読みした中で、ちょっと気になる箇所がありました。
序章
データで見る健康・栄養新事情
世界8億の飢餓人口を尻目に、食べすぎてはダイエットに明け暮れる日本人たち。
確かにそうかも知れませんが、
原始時代の野蛮人と比べられてもね。
食べることも料理を作ることも立派な文化で、
走ることはスポーツでもあり、娯楽でもあり、ストレス解消法でもあり、
見ようによっては苦行かも知れませんが、用もないのにというのはあんまりですよね。
尤も、川島四郎博士は
明治28年生まれ。
陸軍の元軍人(陸軍主計少将)にして農学博士という方ですから、(Wikipedia調べ)
いかにも軍人さんらしい物言いだと思います。
そのあと、本文は次のように続きます。
この部分は、もろ手を上げて賛成です。
川島四郎博士のことが気になって、ちょっと調べていたら、
ある方のブログで、
『今、生きる秘訣 横尾忠則対談集』
の中にこのような箇所があるのを知りました。
川島博士は90過ぎまでアフリカを旅行し、現地で食事の研究をされていたという歩く健康寿命のような方。
1986年、ナイロビで感染したマラリアが元で逝去(91歳)とWikipediaにあります。
人間と動物は違います。
走る目的も。
川島四郎博士に
俄然興味が湧いてきました。
著書を読んでみたくなりました。