シフト作成　感覚でいくか、数値化するか

こんにちは、山内かずまです。

今回はシフト作成のお話です。これが非常に難関です。
何故ならば、1番簡単なコスト管理業務であり、1番重要な管理業務だからです。繁忙日にベストな布陣を敷き売上を伸ばすのも、頭数足らずで販売チャンスを逃すのも、スタッフの士気を上げる、はたまた自分の人望を落とすのも、読み外して大赤字をこくのも、逆に狙って黒字化させるのも、全てがシフト作成にかかっています。

しかし臆することはありません。先輩に教えてもらい徐々に慣れれば自然とシフトを組めるようになります。しかし、やっつけの宿題で片付けてしまうには危険な代物です。その理由を確認していきましょう。

シフト管理で出来ること

①スタッフのトレーニング計画が立てられる
②スタッフの心身の疲労を軽減できる
③自分(作成者)のスケジュールをコントロールできる
④人数を増やせば“売上”を伸ばせる
⑤人員を減らせば“利益”を生める
⑥スタッフのモチベーションを管理できる
⑦新メニュー開発や、清掃、新しい販促が行える

補足すると
②⑥、早起きが苦手なスタッフは夕方から出勤させる、子持ちのスタッフは早く退社させる、や、適切に休暇を与え労働時間をコントロールする事でスタッフの心身を管理します。女性スタッフの生理周期もある程度把握できると更に良いでしょう。シフト希望に応えたり、不仲や、無駄口が多いなど、一緒に働かせるとまずい組み合わせは避け、相性が良いスタッフは被せる作戦も有効です。

④⑤、適切にシフトがハマれば店舗に多くの幸をもたらしてくれます。



シフト管理失敗による弊害

①スタッフが育たない
②スタッフの心身の疲労が蓄積する
③作成が遅れると自分(作成者)の人望を損なう
④人数が足らず“売上”を伸ばす機会を逃す
⑤人員が過剰で“利益”を食いつぶす
⑥スタッフのモチベーションが下がる、下手をすると離職
⑦新メニュー開発や、清掃、新しい販促が行えない

補足すると
①、新人と教育者が同シフトにいなかったり、そのサポートがいない事で教育する機会が持てず、スタッフの成長が期待できないでしょう。
②③⑥、モチベーションの管理は職場の雰囲気を作り、うまくいかないとスタッフ間摩擦を生じ、仕事効率も下げ、最悪の場合は離職の結果を招くでしょう。シフトに入れない、稼ぎが足りないという理由での離職もあり得ますよね。
④⑤、采配を誤れば多くの災厄となってしまいます。人員不足からクレームを生じる可能性もありますよね。

なんだよそれ！ギャンブルなの？

ある意味ではそうとも言えますし、そうでないとも言えます。
何故なら、競走馬の成長過程や飼育環境、騎手やコース、全ての情報は貴方の頭の中にインプット済みですし、ボートのモーター性能、ペラの形、選手の腕や波の情報もやはり、貴方が日々働く中で自然と把握済みなのです。更に、パチンコの当たりを引く確率より容易だと思いませんか？

あるとすれば、急な社会情勢の変化や、自然災害の発生、天候が日々違う事くらいでしょう。
しかし理想を言えば天候に左右される店舗力って残念ですよね。まあ理想なんですが、それを実現されている人気店もございます。

では、どのようにしてシフトを適格にハメるのか？解説していきます。

これは、感覚でハメる方法と、データを元に数値化してハメる方法があります。

今回は感覚でハメる方法をご紹介します。
感覚といってもある程度の数字は活用します。手順は以下です。

シフト作成の手順

①月〜日、曜日別にモーニング、ランチ、ディナーの1番忙しい時間(ピーク)に何人必要かの最低人数を考える。

②オープン作業に何人必要か考え、ピークを迎えるまでの流れを考える。
ピークに向けて徐々に人員を増やしていきます。休憩が有れば、休憩中の実働スタッフが何人いるか、何人同時に休憩させるかも考えます。

③(モーニング営業のある店舗の場合)ピーク終了後〜ランチピークまでの流れを考えます。
ピーク終了後は基本は退勤や休憩をさせ徐々にスタッフを減らしていきます。実働スタッフが何人いるかを考えます。ランチピークに向け人員を増やしていきます。

④(ランチ後カフェ営業のある店舗の場合)ランチピーク終了後〜ディナーピークまでの流れを考えます。
ピーク終了後は基本は退勤や休憩をさせ徐々にスタッフを減らしていきます。実働スタッフが何人いるかを考えます。ディナーピークに向け人員を増やしていきます。

⑤締め作業に必要な人数を考え、最終ピーク終了後から閉店までの流れを考えます。
基本はスタッフを徐々に退勤させ人員を減らしていきます。必要で有れば休憩をさせます。休憩中の実働スタッフが何人いるかも考えます。

⑥(深夜営業のある店舗の場合)ディナーピーク終了後〜深夜営業の流れを考えます。
基本はスタッフを徐々に退勤させ、深夜営業必要最低人数に向けて人員を減らしていきます。必要で有れば休憩をさせます。休憩中の実働スタッフが何人いるかも考えます。その後は流れ⑤をたどってください。

最後に1日の全スタッフの人件費、交通費の合計を考えます。予想売上に対して人件費率が適正か判断します。

★テクニック、小ネタ

1日の使用スタッフ数が多いほど1人あたりの労働時間が減り、残業代を発生させずに済みます。【デメリット】交通費が増えます。

仕込み量、片付け量が曜日によって違うはずなので、開店作業、閉店作業に必要な人数も曜日ごとに異なるかもしれません。

1週間の山場には人員をとことんかけ、それ以外の日は最低限の人員でこなしてもらうのも手です。

スタッフがそれぞれ抱えている顧客(常連様)の来店時間と勤務時間をマッチングさせましょう。
顧客離れを防ぎ、売上アップも狙えます。お目当のスタッフに会えないのはお客様としても面白くないですよね。

天気予報や、日々の状況を見てリアルタイムなシフト修正をしましょう。【デメリット】修正回数が多かったり、通達が急だとスタッフのストレスを生じます。

早上がりを駆使してスタッフを喜ばせつつ、人件費を削減しましょう。【デメリット】早上がりを望まないスタッフにはストレスを生じます。

休憩を与えるより作業に徹していただきその分早く退勤させた方が良い場合がある
休憩により拘束時間が増え残業代を生じるケースがあります。本人もその方がモチベーションが上がる場合があります。

まかないやドリンクを駆使してスタッフの早上がりを望まないスタッフのストレスを緩和しましょう。【デメリット】法律上給与の現物支給に該当します。

売上予想と人件費率の整合性は1日ではなく、1週間や、10日間などで判断しても良いでしょう。

毎月10日までの売上実績を見て、修正を行えば月末までに人件費率の整合性が取れる場合が多いです。

毎月20日以降に人件費を削っても、月末までに人件費率の整合性が取れない場合が多いです。

売上目標ではなく売上予想で考えましょう。
月初までに上司や本部に売上目標を提出すると思いますが、目標に対する人員ではなく、貴方が肌で実際に感じ予想される人員で臨みましょう。多くの場合、売上目標は前年比をベースにしていますが、飲食業界や店舗、会社の動向が下がっているケースも考えられます。無理をして人件費で赤字を生じるよりは、プラスマイナスゼロを狙うか、1円以上の黒字(純利益)を残す事が管理者の勤めです。

スタッフ1人1人と密にコミュニケーションをとりましょう。
シフトの意図を汲み取ってもらい、理解を得ることは非情に重要です。

シフト提出は期限までに確実に貰いましょう。出来るだけ早く公表しましょう。

スタッフトレーニングの際は教育者を定め、教育中の実務を行う人員をプラスで配置しましょう。
説明中は業務が滞ります、お客様を見ていない、仕込みが間に合わないなんて状況が起きないように人員にはゆとりをもち、役割を明確にしましょう。その意図を各スタッフに確実に伝えておきましょう。何を誰に教えて欲しいなど。

トレーニング用人件費の予算を決めましょう。
全員を全力で育てていると人件費の垂れ流しが起きてしまいます。予算を決め、負荷をかけるところと、投資を行うところの振り分けを行いましょう。

ポジションをクロスさせましょう。
キッチンスタッフがフロアーを手伝い休憩を回す、や、1人が複数の仕事が出来ると、それだけ少ない人員数で営業が成立し、人件費の節約にもなります。もしポジションに対しての人員過剰があるなら、別ポジションのトレーニングをさせておくこともその後のシフト作成にバリエーションが出ます。

複数店舗で連携して人員不足や過剰を補いましょう。

売上予想が見込めるのであれば派遣アルバイトさんの手配をしましょう。
登録しておくだけ無料の派遣業者さんも多くあります。給与の処理が厄介であれば、小口で現金支給などもありです。それができるのであれば、スタッフ知人の臨時雇用も可能です。

女性スタッフの生理周期を把握しましょう。
生理中は、貧血、腰痛、腹痛、苛々や鬱など情緒不安定を生じる方も少なくありません。化粧室の利用で戦線離脱のタイミングも増えます。セクハラにならないのであれば直接聞くのもありだと思います。男女差別ではなく、思いやりやコミュニケーションが重要です。

祝日、祝前日、連休、飛び連休、長期休暇などの検証をしましょう。
土日月の3連休前の金曜日は客足弱い、週中の祝前日は金曜日並だ、など、祝日とその前後日の曜日や日数によって売上に影響が出ます。パターンを検証して蓄積していく事で、売上予想や人員配置に正確性が生まれます。


店舗近隣のイベントを把握しておきましょう。
近くでライブやコンサートがある、入学式がある、交通規制があるなどです。商業施設のセールや休館、近隣店舗の休業も客足に影響があります。

まとめ

シフト作成はスタッフの心身管理であり、能力管理であり、売上管理である。

検証を繰り返して予想精度を上げよう。

情報と技を駆使して成功を収めよう。

別記事で、今回触れなかったもう１つのシフト作成の方法
データを元に数値化してハメる方法
の解説と、シフト作成のためのツールデータを付録として添付しますので、ぜひ購読ください！

みんなで幸せになろう。