内側と外側の話。(困難さ)
「トランスジェンダーって大変なんでしょう?」
ってよく言われます。
まあ、大変といわれれば大変だけれど。
しかし私、具体的に何が大変なんだろうな。
ということで、
トランスジェンダーの大変さを、私なりに書いてみました。
内側の話と、外側の話。
トランスジェンダーの大変さは、大きく分けて二種類あると思っています。
外側からくる困難と、内側からくる困難です。
外側からくる困難・・・・主に社会、他者と接したときに生じる困難。
内側からくる困難・・・・自分の身体に対しての途絶える事ない違和感と嫌悪感。
この困難からくるストレス値のMAXを100と過程します。
今私は、内側90/外側65くらいかなあ。
血圧みたい。
どちらかの数値が下がれば、少しは精神的に楽になるっていう。
どんな時にストレス値は上がるの?【外側編】
・身体の性別に合った振る舞いを、社会に求められる。(言葉使い・服装・化粧・仕草など)
・身体の性別の方で扱われる時。
・性別欄の記入する時。
・「かわいいね」「ボーイッシュ」と褒められる時。
・メンズの店に買い物へ。「プレゼント用ですか?」と聞かれてしまう時。
・「彼氏いるの?」的な話を振られてしまった時。
・カミングアウト済みでも、概念が浸透していないので、そのズレで思わぬ言葉をかけられる時。
些細な事に思われるかもしれません。
しかしこれが積もり積もると結構しんどい。
『 自分にあまりストレスがかからないコミュニティを開拓する、服は絶対に安心感を優先、理解ありそうな人へはカミングアウトを、そうじゃなさそうな場合は沈黙を守る。』
これが、私が外側からのストレス値を上げないように日々行っている事です。
どんな時にストレス値が上がるの?【内側編】
A.ずっと続いている。減らない。
強いてあげれば生理の時。
自分の身体が女体であることを否が応でも突きつけられ、数値は跳ね上がります。
まー基本休まる暇などない。
この内側の困難さが一番、トランス以外の人に伝わりづらいんだろうなと思います。
出産を「鼻からスイカ出す位痛い」と聞きますが、そういう例えが見つかったらなあ。
私はたまに「この身体から家出が出来たらな」と思ったりします。
一度でもこの内側からくる困難を忘れて休みたい。と夢想します。
長くなりましたが、これが私が思うトランスの大変さです。
通常トランスジェンダーは、この二方向両方から、グイグイと圧迫されている状態なんじゃないかなと思います。
この二方面からのストレスを出来るだけ軽減すべく、もがいています。
そしてこの内側・外側両方のストレスを、解決に近い位激減させる方法の一つが「性適合手術」なのだと私は認識しています。
演劇で「役が何か行動するには必ず理由がある」みたいなことをよく言われるのですが
(言われてる・・・よね?)
なのでトランスジェンダーは「心と身体の性別が違うから手術をしたい人」ではなく、「内側または外側の困難の解決法の一つとして、手術という選択肢をとる人もいる。人」という認識を、私はしています。
どうしても「性適合手術」という言葉が強すぎて、前面に出がちだなあ。と常々感じていて。
最近のニュースを見ていても、この内側・外側の困難さの問題がごっちゃになってるから、糸がこんがらがって話し合いの糸口が見つからなくなってるパターンが多い気がします。
内側の困難さの解消は難しくても、外側からくる困難さは、周囲の理解、世間の理解、などで勝ち得て行くことが可能です。
もし外側の困難にぶち当たっている当事者が目の前にいたら、めちゃくちゃ助けてもらえることがいっぱいあります。
いっぱいあります!!!
特に、二次性徴を迎え、男女の役割がいきなりがっつり与えられる中学高校時代は、内側200/外側200、メーター振り切っちゃって間違いなく本当にしんどさのマックスの時期だと思います。
内側のことは難しいですが、せめて周りの人たちに、外側のストレスを軽減する手助けをしてほしいと切に願います。
華子
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