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老子で創詩

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老子はつかみどころがない。首根っ子をつかまえて実体を見極めることができない。そのつかみどころのなさが老子の魅力である。だからこそ多くの人々が老子に心惹かれ、読み、語り、考えてきた…
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#学問への愛を語ろう

53日間の御礼 あとがきに変えて

おかげ様で連続投稿53日になりました。予定して『老子と創詩』52本が終わり、きょうのあとがき…

城取一成
1年前
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テーマ4.欲望との向き合い方

老子は、無為・無欲といった言葉を多用することから、欲望否定論者と見なされがちだが、私は必…

城取一成
1年前
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頂点を極めたら退く

やり過ぎ、がんばり過ぎ、欲張り過ぎは駄目! 富も、地位も、名声も 得てしまえば守るのに汲…

城取一成
1年前
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テーマ3.見えないものを見る

ここで「見えないもの」と言っているものは一様ではない。 自己主張しないもの ありのままで素…

城取一成
1年前
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すべては水が教えてくれる

水の如くに生きるべし 水は何処にでも流れる 清流も、汚濁も、小川も、大河も、こだわらずに…

城取一成
1年前
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根本回帰の原理

変わり易い動きは目に見える。 植物が芽吹き、花を咲かせ、実をつけ やがて枯れていく様子が見…

城取一成
1年前
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心の薄衣を脱いで

規制がなくなれば活力が生まれる。 旬の素材に味付けはいらない。 飾ることを知らない幼子の笑顔に誰もが心和む。 にもかかわらず 私達はプラスワンを必死になって探している。 笑顔の練習をし、隠し味にこだわり、衣服や装飾に頼る。 褒められたい 誇りたい いい気分になりたい そんな心の薄衣を一枚脱いで生きていきたい。 聖:ここでは、聖人ぶって賢しらを装うことの意 素:染めていない白い絹 最後の行にある「素を見(あら)はし朴を抱く」という言葉は、老子の中でも有名な一文だと聞く

根っ子の力

緑豊かな枝葉が、地中に広がる根本に支えられているように、あらゆる表相は、根元によって成り…

城取一成
1年前
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比較相対を超えて

のどが渇いた時に一杯の水の旨さがわかる。 打ちひしがれた時だから人の情けが身にしみる。 …

城取一成
2年前
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自分を慈しむ

人は他者・社会の評価を鏡として自らを映し見る。 だから自分への賞賛に喜び、中傷に傷つく。 …

城取一成
2年前
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自ずから然り

甲子園の優勝チームは皆一様ではない。 監督が目立つチーム エースや四番が引っ張るチーム チ…

城取一成
2年前
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無名の朴

漆器の上塗り職人だった祖父は 親方の形見だという古びた飯椀を使っていた。 縁が欠ければ補修…

城取一成
2年前
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無用の要

ホワイトスペースを巧みに使うことが、デザインである。 一拍の間があってこそ、聴衆は耳を澄…

城取一成
2年前
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大切なものは扱いずらい

追いかければ追いかけるほど遠ざかり 強く抱きしめれば消えてしまう。 本当に大切なものというのはそういうものである。 だからこそ、なでるようにして叩き さするようにして掴まねばならない。 退くようにして進み 壊すようにして作らねばならない。 踊らされるようにして踊らせ ひれ伏すようにして 思いのままにしなければならない。 為さずして自ずから然り。 それが本当に大切なものを手にする極意である。 将欲(しょうよく):・・・したいならばの意 物:ここでは人の意 呴(く)す: