心の薄衣を脱いで
規制がなくなれば活力が生まれる。
旬の素材に味付けはいらない。
飾ることを知らない幼子の笑顔に誰もが心和む。
にもかかわらず
私達はプラスワンを必死になって探している。
笑顔の練習をし、隠し味にこだわり、衣服や装飾に頼る。
褒められたい
誇りたい
いい気分になりたい
そんな心の薄衣を一枚脱いで生きていきたい。
聖:ここでは、聖人ぶって賢しらを装うことの意
素:染めていない白い絹
最後の行にある「素を見(あら)はし朴を抱く」という言葉は、老子の中でも有名な一文だと聞く。
中学校の体育館に掲げられた書額に「見素抱朴」と書いてあって、校長先生が朝礼でよく解説してくれたことを思い出す。
「素」は染めていない白い絹、「朴」は伐り出したままの粗木のことである。自分の中にある、飾りのないありのままを大切にしよう、という意味になる。言うなれば「自分らしさ」と言えるだろうか。
私達は情報過多社会にどっぷりと浸かっているので、どうしても、自分をより良くする(見せる)ためのプラスワンを探してしまう。
プラスワンがいつしかこだわりとなり、本来の自分らしさに覆いをしてしまうこともある。時にはそれを取っ払ってみることが必要ではないだろうか。
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