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英語に触れなかった日は±0ではなくマイナス。毎日継続して学習するためのコツ

私は4歳から高校卒業までピアノを習っていたのですが、練習に関して先生からよく言われた言葉があります。

「一日サボると、取り返すのに3日かかるよ」

ひどい脅し文句に聞こえるかもしれませんが、体感ほんとにその通りなのです。泊まりの旅行に行って1日、2日ピアノを触らなかっただけで、運指のキレがガクッと落ちているのを感じます。

そして、私の経験上、英語も同じです。
中学1年から15年近く英語を勉強し続けてきましたが、ピアノと同様、継続的な努力をサボると一気に落ちるのを体感してきました。

英語もピアノも、そしてスポーツも似ているところがあります。知識を知ってさえいればできるわけではなく、潜在的な記憶に落とし込んで考えなくてもできるレベルまで習熟しなければならないという点で、非常によく似ています。音楽やスポーツに当てはまることの多くが、語学学習にも当てはまります。

ヒトの脳は使わない知識や技能は忘れていきます。英語にまったく触れなかった一日は、プラスマイナス0ではなく、忘れていく分だけマイナスなのです。英語力を維持するためにも、向上させるためにも、毎日コツコツ継続することが不可欠です。

そうは言っても忙しいんじゃ!!

わかります。とてもよく分かります。忙しい現代人が慣れない言語の学習に毎日時間やエネルギーを割くのは至難の業です。

仕事やバイトや学業でクタクタになって家に帰ってから、教材を開いて30分も60分もアルファベットとにらめっこをする。それを毎日繰り返すなんて地獄かよって感じですよね。

しかし、それは取り組み方の問題です。学習の負担やハードルを下げつつも効果を高める方法は存在します。この記事ではその方法や考え方をみなさんに紹介できればと思います。

毎日新しい教材に取り組まなくていい

たとえばTOEICの点数を伸ばしたいとしましょう。
多くの方は問題集を買い、毎日新しい問題に取り組み、答え合わせをして解説を読んで、また次の日には同じように新しい問題を解いていきます。

そりゃしんどいです。もうこんな方法やめてください。
ただでさえ忙しい毎日で、初見の新しい問題に取り組むという、時間もかかるし心理的ハードルも高い学習を毎日やっていて、続くわけがありません。

それに、なにより、この方法は非常に学習効果が薄いです。
別の記事でも述べていますが、英語の上達には繰り返し復習することが何より大切です。むやみやたらに新しい教材をするよりは、一度取り組んだものを何度も復習する方がはるかに効果的です。

冷静に考えてみてください。
昨日解いたTOEICの問題に出てきた新出語彙を、解説を読んで確認して憶えた気になったかもしれませんが、一週間後や一ヶ月後にも憶えていますか???
復習もせずにずっと憶えていられるのは1万人に1人とかのレベルの天才だけです。憶えていなければ、その学習は意味がなかったということです。キツい言い方で申し訳ないですが、復習をしなければせっかくの学習の努力も無意味になります。

1週間の7日のうち、新規の初見の教材に取り組むのは1日か2日くらいで十分です。あとの5、6日はその復習に当てましょう。その方が効果的です。それに、既に取り組んだことのある教材の復習は、まったく新しい教材に比べて心理的なハードルが低いので、より楽な気持ちで学習が継続しやすくなります。

学習計画のつくりかた

ここまでの話を踏まえて、具体的な1週間の学習計画の作り方を説明していきます。あくまで1つの例ですので、参考にしつつ、みなさんの生活にあった学習計画を考えていただければと思います。

たとえば、日曜日がお休みで時間にも気持ち的にも余裕があるなら、日曜日にTOEIC問題集の新しいページの問題を解き、答え合わせをして解説を読むところまで行います。
月〜金は仕事などで遅くなるので、ウィークデーは日曜日に取り組んだ問題の問題文を15分ほど音読練習して復習するだけに留めておきます。土曜日にもう一度問題を解き直して、定着しているかどうかを確認します。
そして次の日曜日にまた新しい問題を解き、月〜金はその音読練習…
という感じで1週間の学習計画を回していくと良いでしょう。
忙しい日でも学習のハードルを下げて継続できるだけでなく、手厚く復習することで記憶にしっかり定着するので、本当にいいことしかありません。

1週間の学習計画の例

あくまで一例なので、使う教材やみなさんの日常に合わせて、いちばんフィットする学習習慣をそれぞれ探してみてください。

意志力に期待するな

最後にみなさんにお伝えしたいのは
「自分の意志力に期待するな」
という話です。

意志力なんてものは存在しません。存在しないものをアテにしている時点で負けです。

「英語の勉強するぞ」
「毎日読書するぞ」
「毎週ジムに行くぞ」
と思い立っては挫折するということを何度も繰り返してきたのに、なぜか「今回は違う。今度こそ継続させるぞ!」
と無邪気に思ってはまた挫折するというサイクルを多くの人は延々と繰り返しています。今回と前回の何が違うのでしょうか?認識を改めたり、必要な工夫を施したりしない限り、前回失敗したことは今回も失敗します。

私自身がそうでした。英語も、読書も、ランニングや瞑想も、思い立っては途中で放棄するということを5億回ほど繰り返してやっと気付きました。

やる気なんてものは思い立った日が最高潮です。あとは時間経過とともに落ちていくだけです。
それなのに、思い立った日のモチベーションが来週も来月も維持されていると多くの人は無意識に想定しています。そもそもの想定が間違っているのですから、うまく継続できるはずがありません。

必要なのは、今のモチベーションが続かなくても努力し続けられる方法を考えることです。高い意志力に依存せずに継続できる仕組みや工夫を作る必要があります。

英語の勉強も同じです。思い立った最初の週は毎日長時間がんばれるかもしれませんが、それを何週間、何ヶ月もずっと続けられるほど人間は強くはありません。自分の弱さを認めるのは勇気の要ることですが、弱さという現実を認めなければ前へは進めません。

本当の強さとは、がむしゃらに頑張り続けることではありません。
自分の心の弱さを認め、弱い自分でもやるべきことに取り組み続けられるよう、知識や創造性を駆使して工夫できることが、本当の強さだと思います。
今のモチベーションが続くとは思わず、忙しい日や気力の湧かない日でも継続できるよう工夫してみてください。

ある工夫が必ずうまく行くとは限りません。いろんな対策を試行錯誤しながら、自分にとって一番有効な「継続のコツ」を探してみてください。それを見つけられたら、英語だけでなく、他の努力もきっと次々に実を結ぶようになっていきます。

貴重な時間を割いて最後まで読んでくださりありがとうございます。最後に、習慣を続ける方法についてのオススメの本を2つ紹介します。
みなさんにとって、人生がより良くなる何かしらのきっかけを届けることができていたら幸いです。


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