noteタイトル

「東京」と「地方」は、対立項ではない

渋谷にて

noteタイトル.006

グッドパッチは、渋谷にオフィスを構えています。僕は毎日電車に乗って、そのオフィスに通っています。

渋谷駅西側、井の頭線のホームがあるマークシティのエスカレーターを登っている時に必ず思い出すことがあります。自分が地方就活生だった頃のことです。マークシティ内の、なんや無駄に長い感じのする廊下を歩いていくと、ウエストモールの5Fに、今も同じように長距離バス乗り場があります。

僕は大学時代、大阪より更に西・神戸にある大学に通っていて、就職活動はいつも深夜バスを利用していました。夜中発車して朝着くやつ。それでも今と同じように七千円くらいはして、就活が長引くに連れてごりごり貯金が減っていき、気持ちが荒んでいったのを覚えています。
最初の頃は、就活にかこつけて東京に行けるのを結構楽しめていた気がします。雑誌でしか見たことのないレコード屋とかカレー屋とか寄ってみたりして、「やっぱ東京ちゃうな〜」的なことを思っていました。が、それも最初の頃の話で、就活が思ったようにいかないと、そういう場所に赴くことすら億劫になっていきました。最後らへんは一つ面接受けるだけでもヘロヘロになって、マクドナルドで寝てたりしたのを覚えています。折しもネカフェ難民(死語)みたいなものが社会問題になっていて、「東京 is しんどい」みたいなイメージも頭にこびりついてしまった気がします。

東京に就活で最後に訪れたのは、某キー局のまあまあいいところまで行った面接でした。志望度も高かったので、深夜バスの中でも寝られずに、ずっと提出したエントリーシートを読み返しながら面接のシミュレーションをしていたのですが、結果惨敗。後にも先にもその時だけなのですが、面接中に頭が真っ白になって何も話が出来ませんでした。
帰りのバスでまあまあ泣いたのを覚えています。窓の外を見ながら「なんかもう俺は東京無理かもな〜」みたいに思ったことも、割と鮮明に記憶しています。

東京/地方を二項対立で考えるべきではない

noteタイトル.005

そんなこんなで、結局僕は地元にほど近い地方都市・京都でファーストキャリアをスタートすることになりました。
前述のようなことがあったので、僕の「東京に対する憧れと憎悪(?)」的なものは、それはもう大きなものでした。正直に言えば、つい最近までそうだったと思います。

「東京が日本の中心っていうのは大げさで、地方は地方で頑張っているし、今はネットもあるから東京と地方にそれほどの差はない」

そういう風に、必要以上に強く思い込もうとしていたなと、実際に東京で仕事をしてみて思います。

ただひとつだけ、そう思いながら就活・仕事をしていた自分に「それはどやねん」と伝えられるとしたら、「それってめっちゃバイアスかかってるや〜ん」ということです。そもそも「俺は東京は無理」と思った時点で、自分は「東京>地方」という思い込みがあったのではないか。それはつまり、東京/地方のことをそれぞれ正しく捉えきれていなかったのではないか
今、そういう風に思い直します。

東京はやはり、これはもうただ事実として、日本の首都です。
日本で一番人口の多い街であり、一番経済規模の大きい街でもあります。
様々な企業があり、様々な地域がモザイク状に敷き詰められていて、複雑な都市設計になっています。
上記のようなことから、色々な問題を抱えていて、やはり日本のあらゆる便利と不便利の両方を凝縮した街です。

ここで言いたいのは、決して「地方にないすばらしいものが東京にある」ということではありません
30歳を少し過ぎて初めて東京に出てみて感じているのは、「地方と東京を比較する」という方法では、その二項を正しく理解することは出来ないのではないかということです。
つまり、それを対立する二項として見るのではなく、「それぞれ一つのもの」として理解することでしか、「地方」「東京」を理解することはできないのではないか。

ここで、「地方・東京がどのように違うのか」ということを端的に述べることは出来ません。
理由は、「東京生活が人と比べてまだ浅いから」ではなくて、「現時点ではまだ異質すぎて、答えを出すことが出来ないから」です。
仮に「地方=自然が多い」>「東京=自然が少ない」、「地方=ビジネス成り立たない」<「東京=ビジネスやりやすい」みたいなことでスコアリングしたとしても、結局「東京・地方」の選択肢を選ぶための「個人の指標」くらいにしかならないだろうな、と思います。

では、学生の皆さんに何を理解してほしいのか。
それは「東京/地方の両者を、それぞれ冷静な目線で捉える」ということだろうな、と思います。

「東京」と「地方」を正しく捉えるために

noteタイトル.007

前回のnoteにも書いた、グッドパッチでReDesigner for Studentの運営をやっている田口の個人的なミッションは、「就活を良い大人に出会うための一つの通過儀礼にする」ということだったり、「これで良いのだ、という明確な自信を持って学生が進路を選べるようにする」ということです。
そして、そのための一つの方策は、「正しい情報を、直接的な関係性の中から得ることの出来る場を作る」ことかな、と思っています。

先日情報公開した、3/24(火)25(水)のReDesigner Online MeetUpは、そんなことを考えながら準備を進めているイベントです。
当日登壇してもらう各企業のスピーカーは、基本的に「現場のデザイナー」。
当日はチャットで、直接企業の人事担当者やクリエイターたちに質問ができる仕組みになっています。
これは、「現場の情報を正しく捉えてもらう」ことと、「良い大人に出会える可能性のある場を用意する」ために設計されている、ということです。
オンラインのイベントになったのはもちろん新型肺炎の影響が大きいですが、今や「都内/地方問わず、情報が平等に行き届く」という点の方を重視しています。

そして、一応このイベントを中心になって用意・運営させてもらっている田口個人としては「地方の学生にも、東京に中枢を置く企業のことを正しく捉えてほしい」という想いが多分に含まれていることも、この個人のnoteには記しておきたいなと思います。それを捉えた上で実際の就活に臨むことによって、結果東京で就職しようが地元で就職しようが、「明確な自信を持って進路を選ぶ」ことの一助になれば良いなと願います。この点に関しては、現在首都圏に住んでいる学生に対しても同様です。「自分が正しく社会を理解出来ていない気がする」のであれば、それを捉えるための場として、このイベントを利用してください。
もっとシンプルな言い方をしてしまえば、「迷っているくらいなら、ぜひ気軽に見にきてください」ということになるかなと思っています。

僕の方も、こういう「デザイナー志望者が正しく情報を得られる」とか「チャンスを掴める」場所づくりの仕事がやりたくてグッドパッチに来ているので、やっとこういう仕事が出来て気合が入っています。

それでは当日、登壇いただく企業クリエイターと一緒にお待ちしています!



3/24(火)25(水)17:00-19:10 ReDesigner Online MeetUp

画像4

画像5


詳細・参加申し込みはこちらから↓
https://redesigner.connpass.com/event/170360/
https://redesigner.connpass.com/event/170728/
(21卒予定生のみではなく、22年以降卒業予定生も歓迎しています)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?