宇宙世紀は目前。直近で調達を受けた世界の注目宇宙ベンチャー50選
Weekly 50 Startups - 世界中の最新&ニッチスタートアップを毎週50社お届けするニュースレターです。
このニュースレターでは、
・一般的なメディアで注目されるアメリカのスタートアップのほか、欧州、アジア、アフリカなど多岐にわたる地域の企業
・まだ一部の投資家にしか注目されていない隠れたポテンシャルを秘めた企業
・ブロックチェーンやAIなどの注目される分野でもとりわけ新奇性が高い珍しいビジネスモデルを持つ企業
・一般人である私たちが利用するべき、暮らしや仕事を豊かにしうる海外のサービス
を毎週1回土曜日に配信しています。
今週は航空宇宙関連のスタートアップ、シリーズAを中心に紹介します。
直近で調達を受けた航空宇宙関連の企業に共通しているのは、宇宙船や人工衛星といったハードウェアよりもむしろそれらのハードウェアを用いて何をするか?という領域のスタートアップが多かったこと、そして意外にも短波無線など旧来のテクノロジーを宇宙技術を用いて改善する企業が多かったことです。
誰もが宇宙にアクセスしやすい世の中が訪れるのはもはや目と鼻の先です。今からすでに世界のニッチな宇宙スタートアップに着目しておくことが、自社が宇宙に進出する場合、また私たちの旅行や日常生活において、「どのサービスを用いて宇宙を利用していくか?」ということに繋がってゆくのだと思います。
では早速いきましょか。
1、Sierra Space
宇宙経済に対するアクセシビリティを向上させるための商業宇宙開発企業。
🌍国:コロラド,アメリカ
💰調達額:$1,400,000,000
📅調達日:2021/11/19
👥投資家:General Atlantic等
【誰のどんな課題をどのように解決するか?】
宇宙空間を商業利用したい研究者や旅行会社のこれまでのSpaceXやブルーオリジンでは単価が高く予約が取れないという課題を、安価で再利用可能な低軌道上の宇宙往還船Dream Chaserによって解決。
【備考】
大分県と商社の兼松が提携。大分の宇宙港整備にあたってシエラスペースの宇宙船が送還機に用いられる予定。
輸送機型と人員輸送型が存在。スペースシャトルよりも小ぶりだが再利用が15回以上可能。ブルーオリジンと提携しオービタルリーフ(商業向け宇宙ステーション)を建造中。NASAのお墨付き。30年以上の部品製造実績。
2、9T Labs
3Dプリント技術を通じてカーボンファイバーの生産性を向上させ工業製品への垣根を下げる
🌍国:チューリッヒ,スイス
💰調達額:$17,000,000
📅調達日:2022/02/22
👥投資家:Verve Ventures等
【誰のどんな課題をどのように解決するか?】
高性能な工業製品を作りたいがコストやスピードなどの関係で購入できない中小企業の製造コストが圧倒的に高く品質の維持も難しいために製造の機会を逃している課題を、3dプリントとCADソフトで精密な部品を製造することで解決。
【備考】
あらゆる製品に応用可能。中小企業や町工場と提携してブランド製品や精密な宇宙船のパーツを作れば需要は爆増。
宇宙関連、時計、医療現場などにおいて用いられる。3D装置を売り込むよりは製造後のプロダクト販売する方がスケール度合いが増加しそう。CADソフトと3Dプリント装置双方をセットで提供。コスト半減、重量も80%削減。
3、Beta Technologies
eVTOLシステムと充電機構を開発。
🌍国:バーモント,アメリカ
💰調達額:$368,000,000
📅調達日:2021/05/18
👥投資家:Climate Pledge Fund等
【誰のどんな課題をどのように解決するか?】
eVTOLを運用するにあたり課題を覚える公共交通機関や一般消費者の充電の機械が乏しく運用を行う上でインフラ上の充実感がないという課題を、米国に点在する充電スポットと連携eVTOLによって解決。
【備考】
日本でも充電箇所の少なさは課題だからこその需要。だが1社が充電場を独占する場合はそうとは限らない。
eVTOLと充電パッドのほかフライトシミュレーションによる訓練の機会も提供。アドバイザーが豪華すぎる上複数領域にまたがる。全従業員の顔写真とプロフィールをHPに記載している。形状は従来の航空機に近い。
予告:来週はウクライナのスタートアップ50社を紹介する予定です。
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