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モーリシャス島で撮れた唯一の写真

2019年 4月27日 モーリシャス

5時(機内、モーリシャス時間、日本との時差は5時間)
起床。6時間ほど爆睡だったので時差ボケの調整はできただろうか。

7時20分
朝食を食べる。コーヒーを頼んだがとても美味だった。パプアで飲んだ様な、酸味があまりない柔らかいコーヒーだ。これにミルクを入れるととてもマイルドで上品な味になる。せっかくなのでコーヒーのおかわりを頂いた。

7時50分
モーリシャスに40分ほど遅れて到着。空から見た海はとても綺麗だった。半日のプライベートツアーを予約している為、急いで入国審査へ向かう。

8時
入国審査をさらっと済ませる予定であったがトラブル発生。どうやらトランジットチケットを持っているとそれを一度キャンセルしないと外に出れないと言うのだ。チケットのキャンセルはトランジットカウンターからできるのだがこれがとても混んでいる。早くツアーに参加したいのにとんだ足踏みだ。

8時30分
チケットをキャンセルする。

8時50分
入国審査でまたもトラブル発生。トランジットで一度外に出たいと伝えe-ticketを見せるが外に出せないと言われる。理由を聞いても君は外に出ることができないの一点張り。かなり食い下がったが警察を呼ばれそうになり一先ず引くことに。

9時
トランジットカウンターの空港職員に相談する。
「どうして外に出してくれないのですか?」
「分からない。私は出してあげたいけど、入国審査官の許可が降りないと無理なんだ。」
「私は今日、半日ツアーを申し込んでいて早く外に出たいのです。どうにかなりませんか?ドライバーも外で待っていると思います。」
そう伝えると空港職員は驚いた顔をする。
「3時間前に空港にいなくちゃいけないんだ。あと2、3時間で何をしようって言うんだい?」
私のフライトは20時過ぎのため10時間ほどは滞在できる筈。何かがおかしい。
「2、3時間ってどう言うことですか?」
「だって君のフライトは14時じゃないか、半日のツアーに参加するなんて無謀だよ!なんでそんなスケジュール立てちゃったんだい!」
「そんな筈はありません、20時ですよ!」
「だって君のチケット見てごらん、14時って書いてあるよ。」
そう言われて先程キャンセルしたチケットを確認するとたしかに14時と書いてある。なんてことだ、e-ticketには間違いなく20時25分のフライトスケジュールが書いてあるのに、なんの連絡もなく変更されてしまったようだ。だから入国できなかったのか、と納得するも、悩ましい問題がある。
ツアーをどうするかだ。私はこのツアーに150EURも払っているのだ。日本円で言うと約2万。相当な気合を入れて日本から予約しておいたにも関わらずこんなことで参加できなくなるとは納得がいかない。参加できないだけならまだ良い。2万円だぞ、勝手にスケジュール変えられて2万円を溝に捨てないといけないなんて、そんな馬鹿な話しがあるか。空港職員に頼んで旅行会社に連絡を取り、リファウンドができないか聞いてみるも案の定無駄であった。電話まで貸してくれた空港職員の優しさに感謝しつつ途方にくれながら、また行き場のない怒りを抱えながら乗り継ぎゲートへ向かった。

9時半
気がづいたら30分ほど途方にくれていた。
しかし起きてしまったことは仕方ない。仮に入国審査官に止められなければ本来の目的地、マダガスカルにすら辿り着けていない可能性もあった。もしかしたら運が良い方に向かっているのかもしれない。早めにマダガスカルに着くことで素敵な出会いがあるかもしれない。それに2万円といえばふるさと納税で貰ったAmazonギフト券が2万円だ。その2万円と相殺と考え、尚且つこのように書けるネタを得たのだから。と、無理矢理自分を慰めた。

10時
とりあえずラウンジに入って気を落ち着かせる。シャワーを浴びてリフレッシュを計ったが無駄であった。今日のモーリシャスは晴天であり、ツアーに行けたらどれだけ楽しかったかと、今度はお金ではなく経験できなかったことに対して気を引きずる。そういえば父にモーリシャスでモデルシップのお土産を買ってくる約束をしたのを思い出した。その約束も果たせない。お土産を買ってくると言った時、父は嬉しそうにしていたので、その時の事を思い出すと更に切ない。仕方なくビールと食事をとるが美味しいご飯もなんだか味気なかった。

14時10分
搭乗。席は窓側。ここであることに気付く。
「海の滝を見れるかもしれない!」
海の滝とはモーリシャスで有名な景観である。鮮やかな色によってまるで海の中に滝が落ちているように見えるらしい。私も当初はヘリコプターをチャーターして見てみようかと思ったが10万強の値段がかかるらしく諦めていた。しかし、フライト時間が変更になった事により、窓越しから見れる可能性が出てきた。右窓か、左窓か。飛行機は空いていたためどちらにも座ることができた。私は左窓にかけた。

14時40分
右窓だ。飛行機は私の予想とは反対方向から出発した。終わった。
シートベルトサインが消えた。私は半ば諦めながら右窓に向かった。

するとなんと目の前に海の滝が広がっていた。急いで写真を撮る。窓越し、逆光、写真では美しく撮れなかったが目の前に確かに見える景色。滝が本当に落ちているように見える。この瞬間は朝の出来事を忘れ、夢中で景色を目に焼き付けた。


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