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キューバ旅行記1日目

2016年11月25日、フィデルカストロが死んだ 。

 私は正直彼のことをよく知らない。昔父親とチェ28歳の革命という映画を見に行ったが、その中の主人公の一人でキューバ革命をチェとともに起こした野球好きの人だというくらいの認識しかなかった。しかし彼がチェとたった二人で軍事政権に立ち向かい、革命を成功させたキューバの英雄であることは事実で、そんな彼が死んでしまったのなら時代が動くかもしれないというくらいにはなにかを感じていた。また、私が長期旅行をしていた5年前、出会う人皆が口を揃えて言っていたことを思い出した。

「キューバはすごく良かった。キューバに行くなら今のうちだ。カストロが死んだら今のキューバが変わってしまうかもしれない。」

 キューバが変わる。なんの根拠かは知らないが、なぜか今の古臭いキューバが見られなくなってしまうという話を旅先でよく聞いた。たしかに、最近ではキューバもアメリカと国交回復をし、アメリカからのキューバ便が就航し始めていたり、何かしらの変化を少なからず感じることもある。私が求めていたキューバがどこかへ行ってしまうという焦り。

そうか、キューバに行こう。

2016年12月7日。私はキューバ行きのチケットを購入した。

※この旅行記では以下の情報を記載していますがすべて2017年時点での情報ですのでご参考までに。

①キューバ渡航に必要な書類
②ツーリストカードの購入方法

③現地通貨の換金方法

④空港から市街までのタクシー相場

⑤私が泊まった宿

キューバ旅行記1日目(4月28日)

 少し早めに成田空港へ到着した。日本円からキューバペソに両替ができないか探してみたが見つけることができなかった。インターネットの情報によれば、キューバで日本円をそのまま両替できるみたいなので、現地で交換することにした。

 時間にまだ余裕はあったが、チェックインカウンターへ向かう。
「旅行保険とツーリストカードを見せてください。」
「旅行保険はこれです。ツーリストカードは持っていないので現地で購入します。」
 苦笑いされた。

 キューバへの渡航には必要な書類が2つある。1つは英語で記載された旅行保険の証明書。私は短期旅行の時、保険はクレジットカード付帯(3ヶ月有効)の旅行保険を使っており、今回も旅行の1週間前にカード会社に連絡して証明書を発行してもらった。もう1つ必要なのはツーリストカード。いわゆる観光visaというやつだ。ところが私はこれを持っていなかった。というのもこのツーリストカードが必要であると気づいたのが旅行の前日に友人から指摘されてのことだった。ツーリストカードを入手するにはキューバ大使館に赴いて手続きをする必要があり、一瞬、キューバ旅行を諦めてトランジットで寄るメキシコを楽しもうなんてことを考えていた。しかし、少し調べてみると、ツーリストカードがメキシコシティで購入できるという情報があったため、私はその可能性にかけて今回の旅行に挑んだ。(毎度のごとく、初日からどたばたで先が思いやられる。)

14時25分。メキシコシティ行きに搭乗。隣に座った男性に話しかけられた。
「どちらまで行かれるのですか?」
「メキシコシティ経由でキューバにいきます。ゴールデンウィークで10日間くらい休みをとったので。」
「そうなんですか!私もキューバに行くんですよ。チケットが安く取れたので。」
この男性も同じようにゴールデンウィークを使ってキューバに行くとのこと。もちろんツーリストカードは持っていた。有給をとって大使館まで申請しに行ったらしい。私がメキシコシティで買う予定であるという話をすると、そんな裏技があるのかと少々悔しがっていたが、私は本当に買えるかどうかまだ不安であった。

12時40分。シティに到着し、ツーリストカードが買えるという第2ターミナルへ向かう。情報ではクバーナ航空のカウンターで購入できるということであったが、いざ行ってみるとカウンターは空いてなかった。インフォメーションでツーリストカードを購入できる場所を聞くと、なんとさっき出てきたアライバルの目の前にあるアエロメヒコカウンターでも買えるという。すかさず第1ターミナルへ戻る。L3と書かれたエリアの一番奥のカウンターでツーリストカードを頼むと316ペソ(1900円ほど)ですぐに買えた。ドル払いはできなく、現地通貨の持ち合わせも無かったため、クレジットカードを使用した。なんと、こんな簡単に買えるものなのか。日本で大使館に行かなくて正解である。写真もパスポートも必要なかった。なんとか第一関門を突破し、ようやく昨日から感じていた不安から解放された。

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メキシコシティの街へ繰り出そうか迷ったが、12時間のフライトで疲れていたのでラウンジでゆっくりすることにした。

18時20分。アバナ行きの飛行機に搭乗。一番前のエコノミー席だった。ラッキーだ。飛行機が離陸してすぐ、私の後ろに座っている人が突然意識を失ってしまい、少し騒ぎになったが問題なくキューバへ到着。すぐに医者がやってきて診察しているのを横目に入国審査へ。ドヤ顔でツーリストカードを見せ、問題なく入国。せっかく持ってきた旅行保険を見せることもなければ特に何も聞かれずに入国できた。

 外へ出て両替をしようとするも両替所は外国人で大混雑であった。これは困った。現在の時刻はもうすぐ23時になろうかという時間。この行列に並んでいたらあと1時間もかかってしまいそうだ。宿がそんな遅くまで空いているだろうかという心配もある。しばらく列に並んでいると一人の男性が列を無視してスッと両替所の脇に入って行くのを見かけた。

 おやっと思い、しばらく様子を見ているとその男性が出てきて、タクシーに乗り込むのが見えた。これはもしやと思い、列を外れて両替所の脇を確認しにいくとATMがあるではないか。係員の人にこのATMを使用するのに列に並ぶ必要はないかと確認した所好きに使っていいとのことだ。この行列を無視して私は無事お金を降ろすことができた。同じように行列に並んでいた日本人に良かったらタクシーをシェアして乗らないかと話しかけた所、私と同じ旧市街方面に向かうということなので、シェア仲間も確保することができた。

 タクシーの客引きが両替所の直ぐそばにいたので声をかけてみると、2人で50cuc(6000円)だという。事前に集めた情報では一人25cucと聞いており、相場通りではあったが、それは1人でタクシーに乗る場合の相場であり、2人で乗るには少し高いと感じたため、30cucで行ってくれないかと話を持ちかけた所、35cucならいいよと意外と簡単に値段交渉に応じてくれた。結局、もう1人日本人を捕まえ、タクシーは3人で40cucで交渉を成立させた。深夜だったのでそこそこ安く交渉できたと思う。

 タクシー運転手に宿の場所を教え、いざ空港から旧市街へ。他の国でもそうであるが、タクシー運転手に目的地を伝える場合は地図を見せるのではなく、住所を見せるのが一番手っ取り早い。なぜなら彼らは地図が読めないからだ。今回も運転手に地図を見せたら頭の上に「?」が付いてたが、住所を教えるとokokと場所がわかった様子だった。

 他の日本人をそれぞれの宿に降ろして私も0時丁度くらいに宿に到着した。宿が空いているか不安だったが、ベルを鳴らすと2階から宿のおやじが顔を出し、中に入れとジェスチャーをした。1階には井戸と階段があり、薄暗い階段を登って行くとおやじがドアを開けて待っていた。「宿は空いているか?」と尋ねるとコクリと頷き、「パスポルテ」と一言。一見無口で無愛想であるが優しそうなおやじだ。宿の入り口から入って右側におやじ専用の机と椅子があり、そこで手続きをすませる。おやじが壁を指差しているから何かと思えば日本語で宿の説明が書かれていた。さすが日本人宿。

カサの名前はホアキナの家。先にも書いた通り、日本人が集まってくる日本人宿だ。1泊10cuc1200円(朝食、タオル、ランドリー付き、水飲み放題。夕飯は+5cuc)。

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