見出し画像

またひとつ、のりこえたんだね。

先日の土曜日、娘の音楽発表会があった。
小学生になってから、初めての音楽発表会。
ちなみに、娘は少し繊細で臆病な性格。(前回の記事参照)

発表一週間前の土日、ピアニカを持って帰ってきた。音楽発表会の練習をするようにとのこと。

結局、ピアニカの練習をしないまま休日が終わった。
「練習しなくていいの?」
「やりたくない」
と大泣き。
国語、算数の宿題はちゃんとやっていた。だから、あえて私はこう言った。
「音楽なんてやりたくないときにやってもへんな音になっちゃうから、やらなくていいよ。」
娘は泣き止んでいた。

私は歌うことが好きだから、家でも歌っているし、たまにピアノも弾いたりする。
私の場合はストレス解消になっているけれど、音楽が嫌いな人にとっては、ストレスなのかもしれない。
うーむ。
でも娘の場合はそこまで音楽は嫌いではなさそうだ。うちにある電子キーボードもよく触っているし。
大勢の前でのステージだから、嫌なのかもしれないなぁ。

そして、音楽発表会当日。
緊張すると言って、学校のバスに乗って登校していった。

私はそんな緊張をよそに、わくわくしながら学校へ向かった。早めについたせいか、一番見やすい場所に座れた。

あっという間に、1年生の発表の時間になった。
あの音楽が得意だというベテランの担任の先生がお辞儀をし、こわばった表情の娘がそこに立っていた。

(やっぱり、緊張しているな…)

先生が指揮の合図をすると、娘はすぐにニコニコと楽しそうな表情をした。
それから、その明るい表情で手を叩きながら歌い、ピアニカを片手に楽しそうに演奏していた。

いつもあんなに悩んでいる娘。
でも、なぜか本番には強い娘。

そして、音楽発表会に関する絵日記は、週末の宿題だったけど、何を描いていいかわからないと泣いていたので、月曜日に出せなかった。
でも、月曜日の夜、私が洗濯物を干しに別の部屋に行くから描いてねと言ったら、あっさりこう書いていたよね。

『おんがくはっぴょうかい』
ほんばんをれんしゅうだとおもっていたので、
きんちょうしなかった。たのしかった。

そういえば、音楽発表会の帰りにそう話していたっけ。
保育園の頃、療育が必要なくらいに繊細な娘はどこへ行ったのだろう。
あんなに悩んで書いた短冊は、何だったのだろう。

***

親が子どものことを必要以上に心配する必要はないんだ。だって、子どもは知らぬ間に、自分なりの方法で乗り越えていくんだもん。

またひとつ、のりこえたんだね。

親である私はただ、そっと離れて見守ろう。
本番を練習のように楽しんだ娘なら、これから何があっても、きっと大丈夫なんだから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?